村上龍「コインロッカーベイビーズ」読了!
この本を読み終わった時に思い出したのは、
中学生から高校生にかけての心の変化のこと。
今は慣れきってしまって何の違和感も無くなってしまったけれど、当時を思い出すと無性に何かを諦め続けてきたような感覚があったことを思い出す。
普段は別に大人になっていく過程の中で正しい選択だったとは思うし、
無駄に抵抗して苦しむことが少なくなってそこそこ楽しく暮らしているから良かったと思っている。
だけど時々、諦めてしまった何かを取り戻すことは出来なくて、それによって自分とかけ離れたものに心の底から思うことが出来ないから意図せず人を傷つけてしまっているのではないか、とか今の自分では出来ないことも強烈なこだわりを持って出来るようになっていたのではないか、とか様々な事に疑う事が少なくなってしまったから盲目的に生きていってしまうのではないか、とかいう想いが無意識の澱に沈んでいることに気づく。
でも、そういう思いがまだあるだけ救いなのかもしれない。
もう何年かしたら、それすらも無くなって自分の価値観だけを信じて押し付けてしまうような1番嫌いな種類の大人になってしまうのかもしれない。
それによって子どもたちの柔らかな感性と心を傷つけてしまいたくない。
せっかく思い出したから、そんな事にもならないようにここに書き残しておこうと思う。
作品の感想というより自分の事になってしまったけれど、大切な何かを思い出させてくれた村上龍には感謝したい。
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