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分析思考、無敵論

行動と同じくらい大事な "分析"

自己啓発やビジネス書では、行動力の重要性が強調されることが多いが、それと同等に重要なのが "分析" である。行動すること自体は重要だが、ただ闇雲に動くのではなく、行動の結果やプロセスを振り返り、次に活かすための分析を行うことが大切だ。これにより、行動の質が高まり、より効果的に目標へ向かうことができる。

行動の質を高める "分析"

行動を取るだけでなく、その行動がどれほど効果的だったのかを分析することで、次の行動が改善される。例えば、仕事で成功を収めた場合、その成功の理由を分析することで、次に同じような状況が訪れたときに再現できる。また、失敗した場合も、なぜ失敗したのかをしっかりと分析することで、同じミスを繰り返さずに改善策を講じることができる。ここまでは、一般論。耳にタコができるほど聞いているはず。


分析の簡単な手順

1.負の感情/問題の原因を探る

やりたくない、つまらないなどの負の感情やビジネス上の問題の根本原因を探る。たとえば "タスクがつまらない" という感情がある場合、以下のような点に着目すると良い。

  • 上手くいっている時とそうでないときで何が違うのか比較

  • 負の感情を抱いている時を想像して、何が無かったらその感情がなくなるか。

  • 逆に、何があったら負の感情や問題を抱かなくて済むのか

  • 自分や他人が過去に経験した似たようなケースはないか、あるとしたらどう乗り越えたか、どのように失敗したか

  • 世界史上で同じようなケースはないか、あるとしたらどう乗り越えたか、どのように失敗したか

感情の背後にある原因を深掘りすることが、問題解決のための重要なステップとなる。私の場合、"つまらない/楽しくない" と思うときは、次のうちのどれかが原因である。

  • タスクの進め方が非効率的である

  • 前提知識がない (= なかなか理解できない)

  • 将来の自分のためにならない

  • タスクの難易度が高いわりに、やる価値がない

  • 難しすぎる (脳に高負荷がかかっている)

2.状況の特性を理解する

次に、問題となっている状況の特性を理解する。たとえば "仕事が難しすぎて手がつかない" という場合、その難しさの正体が何かを見極める。タスクが複雑すぎるのか、それとも自分のスキルが不足しているのかを判断する。

例えば、開発にどのくらいの時間がかかるか見積もるというタスクの場合。

通常、作業の時間を見積もるときは、サブタスクに分割していく。機能A、機能B、機能Cといった具合だ。そのあとに各機能を作るにはどういった工程が必要なのかを明確にする。この時、かなりの高負荷になることがある。開発の工程を明らかにするために、どのように開発を行うかの設計ができていて、技術的に可能であることが前提なのだが、それらの結論を出せていない段階だとものすごく困る。なぜなら、設計や技術的検証には、多くの時間を使うからだ。同時にこの見積もるための時間も制限がある。

言い換えると、一つのタスクを行うのに、小さいサブタスクに落とし込むのはいいものの、そのサブタスクのサブタスクにさえ、時間を要するので、なかなか全体の進捗が悪くなってしまうのだ。かといって、期限を延ばしてもらう選択を常にとれるとは限らない。となると、正確でない見積もりを出すしかない。それがストレスであり、この未来が見えているとやる気がなかなか起きない。

3.解決策を考える

感情の原因や状況の特性がわかったら、それに基づいて解決策を考える。たとえば "つまらないタスク" であれば、それを自分なりに楽しくする方法を模索したり、少しずつ分解して進めることで達成感を得られるようにすることができる。"好きな子が気になりすぎて何も手につかない" 場合であれば、彼女のことを忘れさせてくれるような趣味を見つけるなどの対策が考えられる。

先ほどの例を取って説明する。

質の高い仕事をするのには時間が必要だが、スピードも質のうちであり、今回は質を下げてスピードを重視しなければいけないという状況で、私はこういった状況でない場合と比べてやる気が生産性が落ちる。楽しくないからだ。そんな時に私が思ったのは、一定の質を保ちつつ、速く作業を行えればいいということ。そこで、話題沸騰中のChatGPTを最大限利用し、それを実現した。思ったよりも効果はあり、今は楽しいと感じるようになった。

4.(当然)行動に移す

当然の話だが、解決策が決まったら、次にそれを実行に移す。分析はあくまで行動を改善するためのプロセスであり、ここでの改善を試行錯誤しながら次に活かすことで、より効率的に物事を進めることができるようになる。この行動に移すという部分ができない場合は、"1.負の感情/問題の原因を探る"に戻って同じことをすればいい。

具体と抽象を行き来する力が分析に不可欠

分析には "具体と抽象" を使いこなす力が不可欠である。細谷功氏の著書『具体と抽象』でも述べられているように、物事を具体的に理解するだけではなく、その背後にある抽象的な概念を掴むことが重要である。抽象的な考え方を理解しないと、自分の置かれた環境に適応した解決策を導き出すことが難しくなる。

例えば、自己啓発本に書かれている成功法則をそのまま自分の状況に当てはめようとしてもうまくいかないことが多い。それは、仕事の内容や環境、バックグラウンドがそれぞれ異なるためである。だからこそ、書かれている内容の本質を抽象的に理解し、それを自分の具体的な環境に合わせて応用する力が必要なのである。

この具体と抽象を行き来する力が身につくと、ただの「まね」ではなく、自分に合った解決策を生み出すことができるようになる。例えば、仕事でうまくいった方法が他のタスクにも応用できるかどうかを考えるとき、まずはその成功の本質を理解し、それをどのように新しい状況に適応させるかを考えることが求められる。

具体と抽象について述べている私の記事がある。気になったら読んでみてください。

"抽象的な理解ができない人"になってない?

好きな子が気になりすぎて何も手につかない場合の実践

具体的な例として、好きな子が気になりすぎて何も手につかないという状況を分析する。まず、感情は不安や焦りが中心にあると考えられる。この感情の原因を探ると、例えば彼女からの返信が遅いことや、次のデートが決まっていないことが要因かもしれない。この状況を具体的に理解し、何が自分を不安にさせているのかを特定することが重要である。

(個人的には、自分の幸せが誰かに依存しているというのは、人間として半人前ではと思ってしまうが。) 解決策としては、好きなことのコミュニケーションの改善を試みるか、他のことに集中できる趣味を見つけることが効果的である。しかし、さらに現実的なアプローチとして、他の女友達と遊ぶ機会を増やすことも有効である。これにより、特定の相手に執着しすぎず、自然と自分の気持ちを整理することができる。また、モテる努力をすることも一つの方法である。自分を磨いて周りからの評価が高まれば、自信がつき、好きな子に対する不安や焦りが軽減される可能性が高い。

このように、感情を認識し、原因を分析し、状況を理解し、具体的な解決策を考えることによって問題は改善される。この分析のプロセスを使うことで、どんな問題にも適切に対応できるようになるであろう。

結論

行動だけではなく、その行動が生み出す結果を振り返り、分析することは成長への近道である。簡単な分析の手順を通じて感情を知り、原因を探り、状況を理解し、解決策を導き出すことによって、問題を効率的に解決する力が身につく。これを繰り返すことで、行動と分析が相互に補完しあい、自己成長が加速するであろう。

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