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二酸化炭素濃度の上昇が土壌に及ぼす影響

ワインの原料であるブドウは農作物。地球の環境とは切っても切り離せない関係を持っています。ブドウの味わいが変われば、ワインの味わいも変わります。これからワインの味がどう変わっていくのかを知る1つの手掛かりは、ブドウの味がどう変わっていくのかを知ることです。

地球の温暖化をはじめとする気候変動は、現代における非常に大きな問題です。

温暖化の原因については今でも多くの議論が続けられています。そうしたなかで有力な候補と考えられているのが、温暖化ガス。なかでも二酸化炭素は大気中の濃度変動が常に地球の温度の変動を先取りしており、温暖化の原因物質としてほぼ間違いないだろうと考えられています。

最近ではこうした気候変動による植生の変化を検証するための方法として、FACEと呼ばれる実験が行われています。

FACEとはなんなのかを解説した記事を公開しています。

植物の未来の姿を知る実験 | FACE

FACEではワイン用ブドウの樹も観察の対象に含まれています。しかしそれだけではありません。植物全体に影響を与えるモノもまた、FACEでは観察の対象にしています。土壌です。農場では土造りはとても重要な意味を持ちます。大気中の二酸化炭素濃度の上昇は土壌の性質も変える可能性があることが分かってきました。

土が変われば、そこで収穫される作物も変わります。

この記事では二酸化炭素の濃度上昇が土壌に対してどのような影響を及ぼすのか、検証レポートの結果をもとに解説をしていきます。

こちらの記事はオンラインサークル「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に投稿された記事を再編集したものとなります。
#サークル記事

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