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小説とか写真とか、無料とか有料とか、会いたいとか寂しいとか

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    完璧なはなし

    つり革を掛けるための棒に釣り下がってる人がいた。彼ははたしてつり革なのだろうか。 お盆休みも終わって、普通に過ごせていたはずの週5日を長く感じ始めたのは火曜日を迎えたタイミングで、忘れてもいいはずの会社への道のりもきっちり記憶したままやはり私は出勤を繰り返す。 暑い、それにしても猛威というのは終わりを知らないみたいだ。 この前行ったドラッグストアに非常に好感を持った異性がいた。何か話したわけでもないし、所作を見ていただけだったんだけど、あぁこの人はいい友達になれる部類の人だ

    完璧なはなし

    幸福論(わたしなりの

    もちろんこの世の中に、あなたといてる幸せ、があるのも理解してる。 だけど、あなたといて幸せなのは私で、私といてたまたま同じように幸せだと感じたのがあなただっただけで、幸せって感情は私1人しか感じ得ないものでしょ?冒頭から唐突にマシンガンみたいに捲し立てて、私の頭バグってる? ても弾丸は充分残ってるから、まだマシンガンぶっ放すけど。 どうして私が幸せになる話なのに、どうして他のことは1人で幸せになれるのに、こと恋愛や結婚になると誰かに幸せにしてもらおうとするんだろう、誰かを幸

    幸福論(わたしなりの

    始めて立った日のはなし

    ちなみに言うと、我が家を構成している登場人物は人間が2で犬が1だ。もう皆立派に立って生活している。 さらに付け足すと、私は自分が立った日のことなんか、これっぽっちも覚えてない。 本題に入る。 犬の散歩の最中に、色んなことをふつふつと考える。犬に適当なことを話し掛けながら、頭の中ではとりとめもない思考ばかりが、あっちやこっちを行ったりきたりしている。 夏の気配がするだとか、今日のあの話のいい方はもう少し言い方があったのでは無いだろうか、そんなことを考える中ふっと頭をよぎった

    始めて立った日のはなし

    ご近所さんのおはなし

    近所の片道徒歩15分圏内を歩き回っている。 犬がいるからである。 スーパータフなミニチュアダックスフントのせいで、毎日のお散歩は欠かすことが出来ない。知らないうちにご近所の道と住んでる犬にとても詳しくなってきた。誰が住んでるか、名字が何なのかは何も知らない。 うちの犬がお気に入りの柴犬がいる家の前を通ると、ペンションみたいに鬱蒼と木が茂る白い家がある。私がお気に入りの家だった。中に犬が3~4匹、猫もいると思う。うちの犬が前を通ると皆で大合唱をしてくれるから、ちょっとしたパニ

    ご近所さんのおはなし

    環境のはなし

    別に地球の未来のはなしをしようなんて、これっぽっちも思っていない。自分が置かれる環境の話をずっと考えている。 何回かの転職を今まで経験してきた。初めて就職した時も、決してここにずっと留まるわけでは無いと思っていたし、実際すぐに次の職場へ移った。 私が環境を変えるタイミングはいつも決まっている。 自分が減りだしたかどうか、だ。 新しい職場に入るのはすごく怖い。もう出来上がっている組織に受け入れられるか、自分にとって敵になる人が居ないかを考える。 もちろん仕事内容も変わるから

    環境のはなし

    孤独の真髄

    ご飯を食べながら、雑談をしていた。夜ごはんのメニューは覚えてない。 彼のことを深く聞くことなんてしばらくなかったから、面白がって聞いていた。ただの興味だった。 そしてわかった。彼は他人にも自分にも人間と言う存在に興味がなかった。 薄々感づいてはいた。 だけどはっきりと聞いたわけでもないし、整理して考えたこともなかった。 それがどうということでもないし、だからといって彼が今までしてくれてきたことが変わるわけでもない。愛しい思い出が消えるわけでもない。 だけど、孤独だと酷く感じ

    孤独の真髄

    犬のはなし

    犬がこんなに雄弁だとは、知らなかった。 うちには今年の秋で4才になる、犬がいる。 オスのミニチュアダックスフント、残念ながらオスの機能はもう無いし、片足を上げて小便をするバランス感覚も持ち合わせていない。半分メスのような、それでいて好奇心が旺盛でひどく臆病な完全にオスのというよりは小3男子のマインドを持った、犬がいる。 私は犬を飼うのが初めてで。オットは子供の時に犬も猫も家にいる家庭で育った。 もちろん欲しがったのはオットだが、何故かというかやはりというか、お世話をするの

    犬のはなし

    戻るなら

    もしも願いが叶うなら どこに戻るだろう 何を願うだろう 愛しい昨日に戻るのか 始まらないようにあの日に戻るのか この記憶を残したまま戻るなら それほど残酷なことはない この記憶が消えるなら また同じ過ちを繰り返すんだろう どちらにしても地獄で 同じ地獄ならどちらのほうがマシだろうか ありもしないことを願うほど 身動きできなくて ありもしないことを願うほど 願うことを止められない もうこれ以上誰かを傷つけないように もうこれ以上誰も傷つかないように 戻れるならあの日に

    戻るなら

    君が好きなもの

    カリカリのボーロ ストーブの前 冷たい床 ボール遊び 追いかけっこ 芝生の上 色んな匂い 膝の上でなでなでされながらうとうとすること 君がこれから生きられるその全部 君の好きなもので埋められたらいいのに 悲しいなんてなにもなくて 寂しいなんてなにもなくて そんな全てで埋め尽くされればいいのに 君の嫌いなものなんか 全部無くなっちゃえばいいのに 君の好きなもの全部 私が何一つ忘れなければいいのに

    君が好きなもの

    title1

    まっすぐに続く線路を見ていると 急に不安になった この先行く道なんて 私にあるのだろうか 何者にもなれない私が 何者かでありたい私が 進む道はまだあるのだろうか 向こうに行けば行くほど 暗く細く見えなくて ここから見ている分には 信じられないくらい頼りない 桜の花びらがただ降り積もってた

    今年はちゃんと動かそう

    今年はちゃんと動かそう

    誓い

    一生結ばれないはずの君が 夢の中で笑ってた 試しに付き合ってみる?って聞いたら 笑顔が溢れかえってた そんな過去もよかったのかもと 今の地点から思う 変に誠実に変に真面目に 向き合わなくてもよかったのかもと 君との関係に元が付いたら 君との関係に終わりが出来たら 曖昧さが濃くなって いつまでも君を想ってる 今の地点で愛してる