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環境のはなし

別に地球の未来のはなしをしようなんて、これっぽっちも思っていない。自分が置かれる環境の話をずっと考えている。

何回かの転職を今まで経験してきた。初めて就職した時も、決してここにずっと留まるわけでは無いと思っていたし、実際すぐに次の職場へ移った。
私が環境を変えるタイミングはいつも決まっている。
自分が減りだしたかどうか、だ。

新しい職場に入るのはすごく怖い。もう出来上がっている組織に受け入れられるか、自分にとって敵になる人が居ないかを考える。
もちろん仕事内容も変わるから、それもこなせるかどうかを考えるが、初めから出来る人なんていないということは分かっているから、そこはあまり何も考えたりしない。
そう思うと、世の中に溢れている悩みの大半が対人関係ということは頷ける。トラブルの原因なんて、すり合わせられない価値観のせいだからだ。

100%の悪人も100%の善人もいない。みんなちょっとずるくて、自分の手を煩わせたくなくて、だけど自分をいい人間だと思いたいからある程度の優しさは見せる。とてつもなく出来る人以外は、大体弱い人で組織って成り立っているんだなと思う。

そこで私はとりあえずスキルを学ぶ。今後の人生に必要なものを、ここで働くために仕事をするために必要なスキルを。次に繋げるために。そして経験と引き換えに労働をもらう。対価のかわりに時間をつかう。
その間は自分がどんどん増えていく感覚がある。今まで自分が持っていないものを手に入れていくのだから、そうなんだと思う。
そして手に入れたものを使いこなそうとあがく。武器にするために、何度も何度も磨く。
そしてようやくよく切れる武器に変わって、戦いへ向かう。ドラゴンクエストの話じゃない、ただの中小企業で働く話しだ。

そうして闇雲に戦ううちに、状況が変わりだす。
武器が増えてだんだん強くなって、仲間もどんどん増えていくのに、そこでふと我に返る。
私はここで何をしているんだろうって。
ここにいて、私は次に何を増やすんだろうって。踊り子が勇者の剣を持つことを求められてないことくらい分かってる。残ってる武器はもう、勇者のものばかりで、踊り子が持てるものなんてしれている。
ここらへんで成長曲線が急激に止まるんだと思う。
そして唐突に減りだし始める。横ばいにならずに下降するのだ。
私が持っている武器を、誰かに使われだす。あからさまに自分より上の立場の人が楽をしだすのが目にうつる。勇者が踊り子に俺の武器で戦えと言い出す。
そして思う、私は踊り子じゃなくて、この人の武器に成り下がったのだと。それなら代わりなんていくらでもいるんじゃないかと。そういった人材のように感じだした時、私はいつも環境を変えようと思い立つのだ。

そのタイミングで手を抜いたり、その状況に納得したり後輩の育成をすれば、きっとすむ話なんだと思う。普通は減るっていう感覚じゃなくて、こなすって表現になるんだと思う。だけどきっとこなし出した途端、私には彩りを感じなくなるんだと思う。

学ぶことがない環境にずっと身を置くのはしんどい。搾取され続ける環境にずっと身を置くのは疲弊してしまう。
一日のうち大半を一生の殆どをそれに費やすのに、理想が見つけられないとぼやくのは、無い物ねだりなんだろうな。
ただ結論の無い散文だな、これは。
明日もドラゴン頑張って倒そうか。

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