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黒澤明映画『生きる』

日々お疲れ様です。


休職中にせっかくなので
今まで興味はありつつもほとんど観てくることが
なかった巨匠黒澤明監督映画の代表作を一通り
観てみようと思い立ちました。

まずは母に勧められた【生きる】を
観てみました。

あらすじ

製作会社:東宝
監督:黒澤明
脚本:黒澤明 橋本忍 小國英雄
キャスト:志村喬 小田切みき 金子信雄 左卜全
    千秋実 伊藤雄之助

30年間無欠勤で働いてきた市役所の市民課長が
ある日自分が癌に冒されていることを知る。
絶望と孤独にさいなまれ、これまでの事なかれ主義的生き方に疑問を抱いた彼は、最後に市民のための小公園を建設しようと奔走するㅡ

というシンプルといえばシンプルな話ではありますし1952年の映画なので白黒映画で音声も所々
聴き取り辛い部分もあるのですが、
とにかく名優志村喬の重厚な演技がもの凄い迫力を持って迫ってきます。
国際ジャーナリストの落合信彦が学生時代
留学先の大学にて上映され観に行ったところ上映後会場は嵐のようなスタンディングオベーションとなり当時の英文学の教授から
『黒澤明は実存主義を超越している。人生で最高傑作である』と握手を求められたそうです。

↑印象的なラストシーンで志村喬が歌う『ゴンドラの唄』です。

感想

10代の時に初めて観た時には正直あまりよく
わからなかったのですが、

うつ病に悩まされる今改めて観たところ冒頭の
ナレーションからして突き刺さりました。
『この男は生きながらにして死んでいる~』
というようなナレーションから始まるのですが
それがまさに今の自分に重なりました。
うつ病を患っていることが、ではなく
うつ病を患う前の仕事漬けの自分が、です。
主人公の様にガンではないですがうつ病となり
以前の様に過ごすことが出来ない状態に追い込まれて初めて色々気付かされることや学びがあります。

作中で主人公の市民課長が明るさと活力に満ちた
小田切みきと仲良くなり自分が最後に為すべきことに目覚めた瞬間に、背景で流れるバースデーソングなどといった演出のうまさに驚かされました。
自分も初心に立ち返り本当にやりたかったことをやれるようになりたいものです。

また、終盤に紆余曲折ありながらも公園が完成に
近付いた時に見せる志村喬の満足そうな表情の
美事さが胸に突き刺さってきます。

無言ながら表情での表現が凄い

そしてやはり有名なブランコでゴンドラの唄を
歌う情景はなんとも言えない感情に襲われ涙が
止まらなくなりました。

公園のブランコに乗る有名なシーン

本当に美しく考えさせられる名画でした。
おすすめの名作です。

早速翌日には近所の公園へブランコを乗りに行き
完全に端から見たら不審者だったと思います💧






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