【本の話】「大海洋冒険コミックス」もう出会えないと思ってた古本の話。
私の学生時代、父の本棚の中に「海のトリトン」という漫画があった。
1970年代の漫画全盛期の出版された漫画の為、もちろん私は生まれていない。
引っ越しをキッカケにどうしたのか、分からないのですが、父が持っていた漫画はとても面白く、印象的だったのです。
『古本と漫画』
私は学生時代、漫画が大好きだったのですが、父が持っていた漫画が特に面白かったのです。
「手塚治虫」「石ノ森章太郎」「水木しげる」「永井豪」「松本零士」など、私の中ではレジェンド級の漫画家さんたち。
今考えると、その漫画が家にある事は贅沢でした。
有名な漫画はもちろんの事、その他にも短編集などは、大人な雰囲気を醸し出しながらも、恐さや切なさも描かれている。
今回はいつ読んだのかも覚えていない、手塚治虫さんの「海のトリトン」に久しぶりに再会した話。
そして、その漫画をお迎えした話の投稿です。
■「読んだ事がある」と思い出すキッカケ
生まれてから今まで、どれだけの本を読んできたか覚えている人はいるでしょうか。
正直、私は覚えていません。
本に夢中になった中学生時代。
お昼ご飯代に渡された500円を、約50円のパンに使い、残りを本や漫画の購入の為に使っていた時期があるぐらい、本が好きでした。
しかし、今となっては、漫画や本のタイトル、言葉や場面、アニメのシーンなど見て、思い出すのがほとんど。
「海のトリトン」という言葉を見るまで、ストーリーやキャラクターを思い出す事がなかったのです。
■古本屋で見た瞬間、記憶が蘇る
「行ってみたい」と思っていた古本屋さんがオープンする事をSNSで知り、行ってみる事にしたのです。
実は、この古本屋さんを知るキッカケになった経緯があるのですが、それはまた別の機会に。
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向かうまで道を間違えたり、車の駐車が大変だったりと、いろいろな事がありながらも、無事に到着し、恐る恐る中に入った瞬間、店内の雰囲気に”時間”という概念を忘れてしまう程、引き込まれてしまった。
いつものお決まりの、本棚を上から下まで眺めて、フィーリングで本のタイトルを見ていると…
その中に、「海のトリトン」全巻が置いてあったのです。
その漫画を見た瞬間に、一気に過去に引き戻されるような感覚になりました。
私はこの漫画を見た事がある。
ストーリーも覚えている。
全4巻であることも知っている。
それまで、すっかり忘れていた記憶だったのに、鮮明に思い出したのです。
■結局、昔から海に惹かれていたんだろうな
古本を購入するか、しないかは、その時に決めているのですが、「海のトリトン」を購入する選択肢以外はありませんでした。
「これも何かの縁なんだろうな」なんて思いながら、全4巻を家にお迎えする事にしたのです。
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手塚治虫さんの漫画をいろいろ読んではいたものの、「海のトリトン」だけは、なぜか鮮明に覚えていたのです。
昔から私は、人魚などのストーリーやデザインに惹かれる傾向がありました。
それにしては、何度も読んだ事があるんではないかと思うぐらい、購入して、すぐに読み始めても、次の場面が分かるぐらいだから、当時の私は、相当読み込んでたようなのです。
久しぶりに読んでいても、やはり海のシーンにはワクワクする。
結局、「昔から海に惹かれていたんだろうな」が一番しっくりきてしまいました。
■「海」の知識が詰まった漫画
大人になってから読み直して、やっと理解できる内容がある。
当時の私はストーリーを楽しんでいたのですが、今の私が読み直して驚いた事がありました。
それは、膨大な量の「海」の知識や描写が描かれていた事。
船舶の知識や用語。
送気式の潜水法。
海洋生物の知識や特性。
海の環境問題や課題。
当時の描写やフィクションの内容が多い中、ここまで細かく描かれている事に、すごく驚いたのです。
「大海洋冒険コミックス」というだけあり、今だから分かる内容の濃さ。
ぜひ、海関係の方にも、海が好きな方にも読んでほしい漫画の一つです。
■最後に
最近の私は、すっかり古本の魅力に取り憑かれているようなのですが、その始まりは、やはり中学生の時から始まっていたように感じます。
お金がない中学生の時、古本屋に行き、50円や100円で本を購入できるのは、とても魅力的でした。
しかし、行きつけの古本屋が少しずつ減っていき、ブックオフに通うも、古本屋特有の雰囲気を味わう機会がありませんでした。
今回、「海のトリトン」に再会できた事で、私の活動の中の「海」×「本」の想いがまた強くなりました。
Nagiko