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特別支援学級とは?親として知っておきたい基本

「うちの子は特別支援学級が向いているのだろうか?」そういう想いを抱いたことがある保護者も多いのではないでしょうか。
特別支援学級はお子さん一人ひとりに合った学びを提供する場。仕組みや在籍の条件、学校生活の現状についてはまだまだわからない部分が多いかもしれません。
特別支援学級の基本、実際の現場、選択肢についてをまとめました。


特別支援学級とは?

小学校、中学校等において以下に示す障害のある児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服するために設置される学級。

文部科学省:「2.特別支援教育の現状
発達凸凹ちゃんが支援学級では「自閉症・情緒障害学級」に在籍することが多いです。
  • 知的障害学級

  • 自閉症・情緒障害学級

  • 難聴学級

  • 肢体不自由学級

  • 病弱・身体虚弱学級

  • 弱視学級

開級されていない学級もある

在籍する生徒がいない場合、開級していない学級もあります。新しい学級を開級する場合は、時間と予算の兼ね合いがあるので早めに教育委員会へご相談くださいね。
特に中学校は、中2の生徒が在籍している学級を確認した方がよいとおもいます。小6もしくは、中3である学級も在籍する生徒が卒業したら一度閉級となることも。

学級が設置されていない場合の措置として
①ちがう支援学級に在籍
②通常学級で合理的配慮をうける
③検討している学級がある学校へ行く

特別支援学級と通常学級の違い

支援学級に在籍しながら交流学級(通常学級)で授業を受けることも可能。

1クラス8人学級。
担任は特別支援学級の先生。
支援学級の児童は、学年が異なることもあり、先生一人で複数異学年の生徒を担当します。
(例)
1年生2人、3年生2人、6年生1人 など

1日5~6時間の授業です。8人の学級では、1日先生が見ることは物理的にできないこともココロに留めておいてください。
障害者手帳の取得は特に言われていません。

【確認しておいたほうが良いこと】
■インフルエンザで交流学級が学級閉鎖の時に支援学級がどのように対応するか
■中学生の内申点表記について
■途中で通常学級に移籍は可能か

通常学級の担任よりも支援学級の方が在籍人数が少ないので分やりやすいと、思われるかもしれません。
でも、実は特別支援学級担任の先生こそ専門的な知識や技術が求められています。

例えば…
・衝動性の高い児童を追いかけないといけない
 →ただ、単に追いかけるだけだとケガをします
・一人一人にあった個別の指導計画と個別の教育支援計画をたてないといけない
 →しっかりアセスメントしないと書けません

1クラス8名とは言え、かなりの専門性を要します
1クラス35名をまとめることもたいへんですが、障害種別ごとにわかれていて学年もことなる8名を個別に支援をするのも至難の技です

支援学級の実際

担任の先生について
支援学級には専門的なスキルが求められます。文部科学省のガイドラインには「特別支援教育士」などの資格が推奨されていますが、必須ではありません。そのため、先生の専門知識や経験に大きなばらつきがあるのが実情です。

支援学級の先生が担う役割

  • 一人ひとりに合った指導計画を作成

  • 児童の行動や学習の記録を管理

  • 交流学級の担任や保護者との連携

親として先生との信頼関係が大切です。学級見学や面談を通じて、先生がどのようにお子さんを支えてくれるのか確認しましょう。

データで見る支援学級の現状

義務教育段階の児童生徒数は年々減少(5年間で5%減)する一方、発達障害等があり、特別支援教育を受ける児童数は増加。
通級指導を受ける児童生徒数、特別支援学級に在籍する児童生徒数は、それぞれ5年間で1.5倍、1.4 倍。発達障害がある子供の場合、通級での指導を受けるなどしながら通常の学級で学んでいるケースが少なくない。

文部科学省:「・発達障害等のある子供達の学びを支える~共生に向けた「学び」の質の向上プラン~
※出典:2020年、文部科学省「特別支援教育体制整備状況調査」及び「通級による指導実施状況調査」 の結果について

支援学級は、「特別な場所」ではありません。お子さんの可能性を広げ、個性を大切にするためのステップでもあります。親としては「選択肢が狭い」と感じることもあるでしょう。

特別支援学級に 在籍している児童生徒については、原則として週の授業時数の半分以上を目安として
特別支援学級において児童生徒の一人一人の障害の状態や特性及び心身の発達の 段階等に応じた授業を行うこと。

文部科学省:特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について(通知)

文部科学省は2022年4月に特別支援学級に在籍している児童生徒は、週の授業時数の半分以上を同学級で学ぶことなどを通知として出している。
国連障害者権利委員会から撤回を求められたことに関しては、文科省の方針に変更がないことを発表している。
一人ひとりが自分らしく学べる環境が期待される一方、インクルーシブ教育が低下する懸念も。
3年間特別支援学級で過ごす場合は、公立高校への受験は内申点の兼ね合いもありむずかしい場合が多いです。

1日の流れ
とある中学校バージョン

≪朝(7:45)~登校可能≫ 
(1)朝登校したら、最初に特別支援学級の教室へ
(2)連絡帳を特別支援学級担任に渡して、8:20までに交流学の教室に行きます。 

特別支援学級の授業について
・教科によって違いはありますが、基本は学年別で授業を行う。
・英語・理科・社会は、グループ単位での授業。
・国語・数学は、生徒個々に合わせた学習。

≪4時間目終了(12:30)~昼休み終了 (13:15)まで≫ 
(1)交流学歌で給食を食べる
(2)食べ終わった後は13:15までお昼休み
昼休みは特別支援学級の教室で過ごす生徒や
交流学後の教室で過ごす生徒
グラウンドで遊ぶ生徒など様々です。
*5時間目は13:20から開始です(通常授業の場合)。

≪6時間目終了~下校まで(15:25)まで≫ 
(1)6時間目が終わったら清掃(15:15~15:25)です。交流学級ので一緒に掃除
(2)清掃が終わったら交流学級で終学活(15:30~15:40)
(3)終学活終了後、特別支援学級の教室に行き、特別支援学級担任から連絡帳を受け取る
(4)部活動に参加する生徒は部活動場所に行き、部活動がない場合はそのまま下校します。 
*45分授業であったり、5校時後に下校する場合もあり。

特別支援学級の指導内容

  • マンツーマンでの個別指導

  • グループ別指導(学年混在、障害種別のグループも可)

  • 在籍者全員による集団指導(在籍者の人数から主に小集団)

  • 交流及び共同学習における通常の学級での指導

支援学級には「自立活動」があります。自立活動は、6項目で成り立っています。
  1. 健康の保持

  2. 心理的安定

  3. 人間関係の形成

  4. 環境の把握

  5. 身体の動き

  6. コミュニケーション

生徒の状態やニーズに合わせて、自立を促していきます。

実際に支援してもらったことがある内容

  • 個別の取り出し(グループで取り出すこともあります)

  • 週一の取り出しを少人数制時にした

  • 授業の入り込み

  • 雑談力の練習(話を簡潔にしすぎなので)

  • 課題が終わったあとに先生とおしゃべり

  • 高学年になるとSST(ソーシャルスキルトレーニング)やアンガーマネジメントもおこなうこともありました

  • 課題や宿題の取り組み方についてのスケジュール調整

特別支援教育就学奨励費

特別支援学級在籍の小・中学生は特別支援教育就学奨励費を申請すると受給できます。

特別支援教育就学奨励費とは
障害のある幼児児童生徒が特別支援学校や小学校・中学校の特別支援学級等で学ぶ際に、保護者が負担する教育関係経費について、家庭の経済状況等に応じ、国及び地方公共団体が補助する仕組みです。

文部科学省ホームページ「特別支援教育就学奨励費」より
  1. 7月頃に「特別支援教育就学奨励費申請書」が学校よりきます

  2. ①を記入し、学校へ提出

  3. 教育委員会より審査結果および認定区分の通知

  4. 「購入物品申立書」が学校から年3回きます

  5. レシートや領収書を④に添付して学校へ提出

領収書が必要です
⚠️新入生は入学前に購入するランドセルの領収書を取っておいてください。

支給額は、【実費の半額支給】
⚠️予算により変動することがあります

  • 通学費

  • 給食費

  • 教科書費

  • 学用品費

  • 修学旅行費

  • 寄宿舎日用品費

  • 寝具費

  • 寄宿舎からの帰省費

  • 新入学用品費(1年生のみ)  などなど

自治体によって対象物など・申請方法なども異なります。詳細は、学校または教育委員会へお問い合わせください。

自分の子に合う学級を選ぶために

特別支援学級に在籍するか、通常学級に通いながら通級指導を受けるかは、保護者と学校、教育委員会の協議によって決まります。その際、以下の点を確認しましょう

  1. こどもの希望は?:メリットとデメリットを伝えたうえで本人はどうしたいのかを親子で対話しましょう。親に言いにくい年代の時は、第3者を立てるのも一つの方法

  2. こどもの特性:どんな場面で困りごとが多いのか?

  3. 学校の環境:支援学級の運営方針や、交流学級との関わり方は?

  4. 将来の展望:中学校や高校進学を視野に入れて選ぶ。

実例:Aさん親子のケース
Aさんの息子さん(小4)は自閉症スペクトラムと診断されています。通常学級では集団生活が難しいと判断され、支援学級への在籍を決定。支援学級では社会性を育むために週1回、交流学級での授業も受けるように調整されています。

特別支援学級への在籍は、こどもにとっても親にとっても大きな決断。

親としては悩みも多いですが、まずはこどもと向き合い、学校と話し合うことが第一歩。

支援学級は、こどもの成長を支える重要な選択肢の一つ。あなたのお子さんにとって、最適な学びの場を見つけられることを応援しています。

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