見出し画像

電気けいれん療法

4年前にうつになった際、
1年近く良くならず、自殺念慮が出たため、
主治医に電気けいれん療法を進められ、
約1か月入院して、治療にあたりました。



入院してから、月・水・金の週3回の午前に電気けいれん療法を受けました。

朝ごはんは抜き。
ベッドごと、施術室へ運ばれて行きます。

二の腕に針とチューブが刺しっぱなしになっていて、
施術室に入ると、チューブに全身麻酔が流し込まれます。
気を失っている間に頭に電気が流され、
気付いたころには病室に戻っています。

術後に特に何かされたという感覚はなく、
何かが効いているという実感もなく、
淡々と1か月は過ぎて行きました。

病院は閉鎖病棟な上、コロナで厳重な体制だったので、
完全に隔絶された環境でした。
3人部屋でしたが、同部屋の人と話すこともほとんどなく、
食事は食堂に歩いて行って食べますが、
一人ひとり離れて座り、やはり話すことはなく。
看護婦さんとも事務的な会話のみで、
入院生活のほとんどを無言で過ごしました。
うつ状態なので、特に話したいということもなく、
私は静かな患者、という印象だったのかなあと。

他の患者さんは、症状などはわからず。
ひとりで騒いだり・・・という人もいなくて、
とても静かな病棟でした。

結局、電気けいれん療法を受けた効果は私は感じられず、
むしろ、断片的に記憶を無くしてしまいました。
昔見たドラマや読んだ本の内容を、全く思い出せなくなったのです。
また、以前は人の名前をすぐ覚えることが出来たのが、
実際に会う人でもすぐに思い出せず、
テレビで見る有名人も名前がすぐに出てきません。
入院から3年経って、幾分よくはなりましたが、
記憶力は低下したままです。
老化もあるとは思いますが、明らかに入院後に悪くなったので、
とても後悔しています。

このことを久しぶりに思い出したのは、
この本を読んだからです。

交通事故を起こした女性が記憶を思い出していく過程で、
うつの症状が出て、
改善のためにTMS(磁気刺激治療)を脳に受けるのです。
それでうつが良くなるとともに、
脳の違う部分に磁気をあてることによって、
死んだ彼氏の姿が見えるようになって・・・、
というお話です。

島田荘司氏のいつものミステリーではありませんが、
最後のオチを含めて、興味深く読むことが出来ました。
長編ですが、良ければご一読を。


本のようにこんなに都合よく効くのなら、
その治療法受けたいなあ・・・と思います(笑。

ただ、調子の悪い時って、
脳が冷たくて死んでるなあ・・・という感覚があって、
調子のいい時は、脳が活性化されている感覚があります。

最近は、本を読んでいるからか、
だんだん脳の動きが良くなっている感が少しですがあって。

科学的に解明されるといいんですけどね・・・。