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使い慣れた女の武器

娘が保育園年長のとき夫の実家近くに家を建てる話が出た。
今住んでいるところから車で約1時間かかる距離。
社員ならまだしも、パートでかける通勤時間ではない。
仕事を辞めることにした。
引っ越すことで約1年続いた社長との関係は終わった。

この春娘は小学生になる。
こちらで新しい仕事を見つけよう。

小学校は下校時間も早く
何より夏休みなどの長期休暇の子どもの預け先に困った。
娘が大きくなるにつれ、働く時間を確保できると思ったのに
これじゃ、保育園の方がよっぽど良かった。
これが小1の壁か・・・

9時から15時までの事務のパートの仕事に決めて
娘を学童保育に預けることにした。

仕事は生活雑貨をデザイン販売している会社での事務、だったはず・・・
入社してみたらネットショップのデザイン兼企画営業だった。

募集内容と違う、どうしようと怯んだけれど
また一から仕事を探すのもしんどい。

PhotoshopもillustratorもHTMLもコーディングも必須だったから
とにかく必死に食らい付いた。
苦手だった人間関係もコミュニケーションも逃げる訳にはいかない。

だって、住宅ローン返済と娘の教育資金
それに自分たちの老後の資金も貯めなくちゃいけないのだから。

義両親は子どもが小さい時は専業主婦で!の一点張り。
専業主婦でも生活が出来た30年前のお義母さんの時代とは違うんです!
反論してみたけれど、お義母さんはピンと来ないようだった。

仕事はとても楽しかった。
年間の企画を考えて商品撮影や画像処理、ページの作成
それから商品の梱包や発送まで全てに関わり
売上が先月を更新するたびに思わずガッツポーズを取りたくなった。

比較的、自由に仕事ができたのも
ネットショップ部門に社長の息子がいたから。

あるとき、その息子と意見が合わなくなり冷戦状態のときがあった。
今考えれば、はい、分かりました、と息子の意見に同調して
後ろを向いてべェーと舌を出すくらい軽く受け流しておけばいいのに。
そのときの私にはできなかった。
若いから?いや、ただの頑固者なだけ。

ネットショップ部門は息子と私とSEさんの3人しかいない。
自分が仕事をし易く居心地良く過ごすためには
SEさんを味方につけるのが早いと思った。
つまり色仕掛けということ。

そのSEさんをFacebookで探して、こうメッセージを送った。

「いつも、助けていただいて、ありがとうございます」と・・・




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