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高校生の悩み「人前で話したり自己アピールが苦手です」に答えました

人前で話したり自己アピールが不得意な人でいますよね。学生のときはそれで悩んだりするわけです。

人前で目立つことが苦手。人前で褒められることが嫌。人前で話すことが苦手。

そういう人は結構いるかもしれません。ある高校生の悩みに答えました。

(この記事は私のYoutubeチャンネルに投稿した動画から抜粋して記事にしました。話し言葉になっているのはその理由です。この記事の最後にYoutube のURLを載せています)

高校1年生の女子生徒からの悩みの相談です。

私は人前に出ることが苦手です。
なぜ苦手かというと、クラスの目立つ人は陰では悪口を言われていたり、妬まれたりしています。
それを見ていると目立つ人は、いろいろ言われて、なんだか面倒くさいなと感じます。
さらに言うと人前で褒められることはもっと苦手です。人前で目立つことも嫌いだし、何より恥ずかしいです。
私よりももっとすごい人はいるし、みんなだってできていることを、わざわざ皆の前で言わなくてもいいのにと思います。人に嫉妬されるかもと思うと怖いというのもあります。
ただ、これからの将来のことを考えると不安になります。
自己アピールとか、面接の場面や就活の場面やこれからの将来を考えると、
このままの自分でいいのか、自分を変えなくてはいけないのか不安になります。
こんな私にアドバイスをお願いします。

(Youtubeチャンネルに寄せられたコメントより抜粋)

深い悩みですね。人前に出るのは苦手なんですね。何かやると目立っちゃうのが嫌なんですね。

アピールするのが得意な人は目立つけど、その人だけがすごい人ではないですよね。

もちろん、人前で出たりアピールすることが上手な人、対人コミュニケーションスキルがあると言われます。それはいいことではあります。

一方で、この相談者の方のように、自分の中で自分を見つめたり、
自分のことを観察する力が強い人も素晴らしいんです。
内を見つめる「内省」が得意な人なんです。

ただ、内省的な人は、人前でのアピールはすごく不得意です。
でも「ダメだから治さなきゃ」とアピールが得意にならないといけないと考えるのはちょっと違うかもしれません。

心の中での会話が得意なことは素晴らしいことなんです。
ハーバード大学のハワード・ガードナー教授の提唱する多重知能理論では、人間には8つの能力があると言っていますが、そのうちの1つに「内省的知能」があるくらいです。

「森の中の幼稚園」って知っていますか?

子供たちに幼い頃から自然と触れ合う機会を与え、自然の中でのびのびと遊ばせたいという想いがあるそうです。

「裸足でとびまわって森の中で遊ぶ子」を”子どもらしくでいいな”と思うかもしれません。もちろんそういう面もあるでしょう。
一方でクローバーを見つけて静かに眺めてる子がいます。
この子を見た人が、"暗い子だなあ。裸足で走り回ればいいのに”と思ってしまうことがありませんか?

これっておかしいですよね。

運動が得意な子もいれば、静かに考えるのが得意な子もいますからね。

どちらがいい悪いでなない。それは個性が違うだけなのです。

相談者さんの悩みのように、確かに高校になると自己アピールをさせられたり、進学するために志望理由書を書く必要がある場面があります。そこでどうしても、「得意なことは何ですか?」「あなたの強みは何ですか?」
って聞かれることになります。

あなたを採用する(もしくは合格判定する)面接官にとっては、
「この人はどんなところに集中してイキイキ仕事や勉強ができるか?」
ということを見極めたいだけなのです。そこであなた自身の人柄とか特徴を知るために、得意なことや強みを聞きたいわけです。

相談者さんはおそらく「アピールって言葉やその態度が嫌い」なんだと思います。その気持ちはわかります。

そこで、”アピールする”と考えるよりも、”正直に「私はこういうことを考えている人です」と、素の自分を伝える”、と発想を転換できないでしょうか。実はそれが十分アピールになります。

無理に自分をよく見せようと盛る必要はありません。
静かに淡々と話したり(書いたり)することで良いのです。
そうすることで、自分を伝えられると思います。

自分の好きなこととか、自分が考えていることをそのまま正直に面接官に話したり志望理由書に書く。

これをやってみたらいいんじゃないかなって思います。

そして、自分の考えたこと関しては自信を持っていただけたらいいんじゃないかなと思います。自分で考えた事実。これは誰も否定できません。そしてそもそも誰かと比べるものではないので。

私の話で恐縮ですが、私は人の前で話す仕事で講演とか研修などをやっています。
実は25歳までは人の前で喋ると耳が真っ赤になってうまく話せない人でした。どうしようって思って焦ってしまうんです。

新人時代のある朝礼のときに、土日にあったことを部員30人の前で話すという機会があったのですが、あわわ、してしまいよく話せなかったのです。それを聞いていた先輩から、
「お前何に緊張してるの?」で聞かれました。
「えっ焦っちゃって」と言うと先輩は
「お前、意味のないことするなよ、聞いている方も訳わからないし、お前自身も気分悪いだろ。緊張するってほんと意味ないから」
と言われたんです。

私の体に稲妻が走りました。
「あっ意味のないことだったんだ。そっかだったら緊張するのやめよっと」
と思いました。私はどうやら合理的な人間らしく、意味のないことはやらないって思うタイプなんですね。

それ以来全く人の前では緊張しなくなったんです。
緊張するときは、必要以上に自分を良く見せようと思ったり、かっこつけようと思ったときって気づいたんですね。

僕のこの事例は参考なるかどうか分かりませんけれども、ちょっとしたきっかけで人って変われるんだと思います。

相談者さん。アピール嫌いの自分はそのまま受け止めて、普段考えていることを素直に話してみるってことから始めてみたらどうでしょうか。

「できていない自分」を見るのではなく、すでにたくさんある「できたこと」を見つめてほしいと思います。
すると少しずつ自分が変化していく実感が得られるはずです。
ぜひやってみてくださいね。

Youtube 行動科学専門家 永谷研一チャンネル
【人前で話す】苦手を克服!アピール上手にならなくてもいい!
https://www.youtube.com/watch?v=zoOR3x5-G4I&t=301s