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我が嗅覚に思いを馳せる


鼻が詰まった。

匂いがわからない。

いつもの納豆が美味しくない。
梅干し、酸っぱいだけ。

ずらりと並んだ香水たちがゴミと化す。

視覚聴覚味覚触覚、問題なし。
嗅覚、行方不明。

私たちがいかに「香り」でものを食べていたか、
いかに「香り」が気分をコントロールしていたか。
嗅覚が弱っただけで世界が灰色である。

味も匂いもとくにないお粥だけが、
その温かさをもって私に寄り添ってくれていた。


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