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2024/11/18 かっこいいアイテムは気恥ずかしい

どうも。ながたつです。
しばらく書くことから離れていました。ちょっと疲れていました。今も元気ではないですが、残したいことが浮かんだので、筆を進めてみます。

妻と会話していた時、ふと僕は「かっこいいアイテムを身につけるのは気恥ずかしい。」と口にしました。そこに自分を物語るものがあると思ったのです。ここで話していたのはメガネのこと。

いま僕はメガネを4つ使っています。全てアセテートのウェリントン。しかし、1つだけ、自分の中ではちょっと毛色が違うものがあるのです。どう違うかといえば、若干幅が広い。レンズが気持ち横長で、かけると若干まぬけるもの。

誤解がないようにいうと、素敵なメガネです。しかし、自分の顔幅との相性が少しズレている。ちょっとだけ広いので、ひょうきんに映ります。それゆえに、手放そうかなと100回は思っているのですが、いざ離そうとすると、やっぱり好きなんです。

なんだか、嫌よイヤよも好きのうち、と言わんばかりのめんどうくさい感情ですが、ここに僕の本音があるなあと思いました。つまるところ、真正面にかっこいいアイテムをつけることが気恥ずかしいってことです。

選んでいる本人として、1つ1つのものに対して、その魅力を何時間でも語れる熱量があり、どれも芯から好きで選んでいます。ただ、どのアイテムも共通して、少し抜けているところがあり、自分との相性は100%ではなくて90%くらいなのです。10%の違和感を残しています。それが僕にとってのベストチョイスです。

なんだか難しくなりました。書いている本人がそう思っているので、読んでくださる方はもっとややこしいと思っていますね。すいません。もう少し砕いて言うと、誰がみても完全にかっこよくて色気があると思うもの、自分との相性が100%であるものを意図的に避けています。

なんででしょうか。多分、今の自分と100%の相性だと、あとは下がっていくだけだからかもしれません。「かもしれません」と書くのは、確証はないから。理由までふわふわしています。

しかし、これだけは確かに言えることは、90%好きなものは、あと10%分だけもっと好きになる可能性が残っているんです。いま感じている違和感や、不一致は、時間が解決してくれるかもしれない希望があるんです。

8年前、モッズスーツを作った時、振り返ると受け取った時がピークでした。モッズなのでサイズはその時の自分にぴったりになる。数年経つと、人は体型が変わります。好みも変わります。知っていることも変わります。すると、その瞬間にピークを迎えたものは衰退の一途を辿るしか道はない。

結局、そのスーツはクローゼットの肥やしとなっています。けど、その時の気持ちを振り返るものとしてこれ以上はないので、手離すこともないでしょう。しかし、着ることも、もうないな。

その後に作ったスーツは、受け取った時にワクワクしたものの、若干の物足りなさがありました。裏地も表地と同系色で、地味。シルエットもほんのり野暮ったい。少なくとも色気のある、艶やかなスーツではないですし、ギラギラした雄のような風情は皆無です。

受け取ってから1年ほど経ったころ、その違和感がぱちっと消えた瞬間がありました。顔が少し変わったのか、髪型が変わったのか、他の諸々が変わったのか、受け取った時よりも似合っているかもと思う自分がいました。「やっぱり、買ってよかったな。」と、しっくりきたものです。

時計もそうでした。大学生の時に買ったとある時計は、真っ黒で、モードで、それは鋭いソリッドな色気がありました。戦闘力が高い。そんな雰囲気がありました。その時、その瞬間の、勢いづいていた自分にピタリとハマったものでした。

けど、やっぱり、鮮度は落ちた。何回かつけたら、気付いた時には放ったらかしていました。あっという間に手放したなあ。もったいない買い物だったけど、それも今の自分につながっているので、よしとしましょう。

さて、今はどうなのか。最近買う時には、10年後の自分が来ている姿を想像しています。今の自分には物足りなく感じる、あるいは少し似合ってないものを買っていることに気づきました。老けた自分に似合う、とも少し違います。元気がなくなった自分にハマるもの、とでもいえばいいでしょうか。

30歳になり、確実に元気はなくなっています。運動や食事を気遣っても、老いには抗えません。それでいいのです。僕なりの老いの受け入れ方、なのかもしれません。それが物を選ぶときに現れているのでしょうか。やっと言葉が見つかりました。

今の自分に100%似合うもの、今ある精力を見せつけるもの、今ある色気を演出するものを避けているのは、将来かならず消えゆく、それらに対する準備なのでしょう。あとは、妻ある身である自分が、今さら他の人からモテても困るという思いもあります。元々、モテる人間ではないですが、僕なりの「虫よけ」であり、「節度」です。

選んだものを永く愛用したい思い、愛用するものをもっと好きになるであろう期待、今の自分の精力をみせつけることへの抵抗、そして、老いへの準備。これらがないまぜになると、「カッコいい」に隙を作りたくなるみたいです。

こんなことを言っていますが、別にモテません。ウハウハでモテモテとは縁遠いです。けど、ここは僕の場所。この文章は僕のもの。たまには、ちょっとうぬぼれさせてくださいな。。

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