カゴメ株で高校生が株式投資を学ぶ3(売れる商品を作る)
とろけるチーズをタコミートの上にのせて、チーズが溶けるのを待つ。見つめる鍋は煮えないし、冷凍したとろけるチーズもすぐには溶けない。そして、株価をいくら見つめても、株価は上がらない。。みちゃうんだよな、わかってても。
株式投資の話をつづける。
父:カゴメのケチャップって200円ぐらいで一本買えるけれど、これってすごくない?セールの時はもっと安いし。今日はスーパーで170円だったな。思わず1本買っちゃったよ。
息子:いやすごくないっしょ。ケチャップなんてどこでも売ってるし。そんなもんでしょ。そしてすっかりスーパーにのせられてるじゃん。
大量生産できるからこそ安くできる
父:どうせつかうからいいんだよ。ともかく、このクオリティの商品をこの値段で作れることがすごいんだよ。自分でケチャップ作ろうと思ってみな。儲けようと思わなくても、この数倍値段がかかるから。
息子:そもそもつくんないって。
父:つくろうとしたら、だよ。全く。株式会社は世の中に散らばっていて、ここのお金では大きなことをすることができないけれども、集めれば大きなことができる。例えば10万円を持っていてもケチャップを作る工場を作ることはできないけれど、1000人から10万円ずつ集めることができて、1億円をあつめることができたらどうだろう。いまのカゴメのような巨大な工場を建設することはもちろんできないけれども、小さい工場であれば設備投資に十分なお金だよね。
息子:確かに。最新の機械でうまいケチャップを作れるね。
父:機械に任せられるところは、機械に任せて作ってしまったほうが品質は安定するし、生産するための人をたくさん雇わなくてもいいんだ。それに機械はいつでも黙々と仕事をするからな。
息子:あー、勉強も黙々とやってくれる機械はないかな。
父:あるよ。それがまさにコンピュータプログラミングだろう。自分でプログラム組むならば黙々とやってもらうためのロジックを組み込むためにその勉強内容を自分で理解していないとだめだけどね。
息子:そんなのめんどくさいよ。だれかやってくれねーかな。
父:結局勉強したくないだけだろ。お前の人生だからどうなろうとしらないけどな。父さんはそこそこ勉強してよかったと思ってるぞ。。。まあ、株の話に戻ろう。なんだっけ、ケチャップの話か。そう、ケチャップ製造のための最新鋭の機械を導入した工場を備えるとする。そうすると、これまでよりも品質のいい商品を作ることができるようになるよね。消費者もいい商品だとみてくれれば、定期的に買ってくれるから売り上げが伸びる。
ニーズがないものをたくさん作っても無駄
父:もちろんいくら品質のいい商品を作っても、必要がなければ意味がない。父さんがインドネシアに昔仕事で言っていた時、現地のスーパーにはよく足を運んだ。観光ガイドには書いていない、等身大の庶民の生活が垣間見えるからだ。
父:インドネシアではサンバルというスパイスソースを日常的に使っている。日本で言うと醤油のよう位置づけでとにかく料理によく使われている。なのでインドネシア料理は基本的に辛い。
父:このサンバルが甘口から中辛、辛口までそろっていていくつものブランドメーカーからたくさん発売されているんだ。有名なところではABCとか。
息子:いや、有名かどうかもわかんねーから。どんな味かも知らないし。どうやら使われているのはわかったけど。
父:そりゃそうだ。とにかくインドネシアでは生活必需品だけど、これを日本に持ってきて販売しても全く売れないよね?ちゃんと消費者の欲しがるものじゃないと意味がない。なにがいいたいかというとケチャップを欲しがるマーケットがあって、初めてたくさん作る工場の意味が出てくる。売れないものをたくさん作る工場は赤字を垂れ流すだけだ。
息子:ケチャップはみんな使うから、工場を作る意味があるよね。でもいつからケチャップなんて使われてんの?
父:いまインドネシアの例を出したのは、そういうことなんだ。ケチャップが日本に入ってきたのは明治時代(1868~)に洋食文化が広まってからだ。それまでの調味料は醤油・みりん・塩が中心だった。
ケチャップが使われだしたのは明治時代以降
父:洋風料理を人々が気軽に食べるようになってきたからこそ、ケチャップの消費量がふえて、しだいにカゴメのような国産の会社が登場するようになったんだ。もちろん会社もケチャップをつかうようキャンペーンをしてきたんだよ。
父:ちなみに、カゴメのウェブサイトを見ると、カゴメの設立は1899年。そしてケチャップの本格製造を開始したのは1908年で、今から100年以上も前だ。
息子:どんだけケチャップで語るんだよ。いーからごはんまだ?
父:もうできるとこだよ。もーちょい待ってくれ。
ケチャップについてダラダラ語っていたらいつのまにかチーズも溶けたようだ。あとはもりつけていただくとしよう。おっと、タコスをのせないと。
(次回に続く)
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