カゴメ株で高校生が株式投資を学ぶ6(企業は変わっていく)
タコライスを食べつつ、株式投資の話を続ける。
消費者が好むものは変わっていく
父:人の好みって年を経るごとに変わっていくし、行動も世の中の流れでどんどんかわっていくよな。料理一つとっても、自分で作るだけじゃないしね。出汁ひとつをとっても、ダシをどこまで取るのかとか、こだわりによっても違うよね。
父:ダシをとるといっても、昆布や鰹節から作る人もいれば、顆粒タイプのだしをつかう人もいるし、ダシパックを使う人もいる。茅乃舎のだしパックはうまいな。普段はだしを取っているけど、手軽に本格的な出汁を引くことができるから便利だね。
父:それから働く人が増えてきて、冷凍食品が充実してきた。手作りの料理はおいしいけれど、時間がいつもあるわけじゃあない。共働きの人はご飯を作る時間もないから本当に助かるよな。それだけじゃなくてそもそも冷凍食品がうまい。
息子:大体ウチも冷凍食品が冷凍庫に詰まってるよね。てかいつも買ってるでしょ。なにか。
父:便利なんだよ、あと一品ほしい時にさっとチンするだけで増えるしね。セブンプレミアムの商品とかおいしいし、一人前だから使いやすい。最近は冷凍技術が発達したのもこのおいしさを保つことができるようになった秘訣だね。
息子:いわれないとわからないもんね。チャーハンとかマジでうまいよ。
父:チャーハンは自分で作るより確実にうまいな。ニチレイの「本格炒めチャーハン」はうまいし、最近では味の素の「ザ・チャーハン」もうまい。お米とか炭水化物を冷凍する技術は発達しているから、おこめとかうどんとかの冷凍食品は、かなり出来立ての鮮度を維持できるようになっている。
息子:お父さんもリモートワークの時はお昼食べてるんでしょ?
父:そうそう、便利だからね。さっと好きな時に時間をかけずに食べたいときには冷凍食品はぴったりだ。それに、最近は便利だから使うというだけでなく、おいしいから使うという人も出てきているんだ。消費者の求めるものは時とともに移り変わっていくんだよ。
消費者の好みにあわせて味を変える
父:カゴメの例にもどると、昔とは消費者の味覚が変わってきて、好まれる味が変化しているから、どの味が最適なのかを常に研究しているんだ。
父:ケチャップの味が変わっていないようでも、それは消費者が気づかないように消費者の好みにあうように味を変えているものなんだ。素材となるトマトの味自体が変わっているから、味を一定に保つのも実はたいへんなことなんだ。
父:また消費者がトマトそのものに求めるものが変わってきている。昔はトマトは青臭い独特のにおいがする果物だったけれども、最近はもう見ないよね。青い部分が残っているトマトすら見ない。
息子:トマトって真っ赤なイメージしかないし、そんなに臭くないけどな。
父:少しでも消費者に食べてもらおうとして、農家が一矢に品種改良をしてにおいの少ないトマトを開発してきたからだよ。
消費者のさまざまな「ほしい!」にこたえる商品を
父:それに最近は消費者の好みにあわせて様々なトマトがでているよね。フルーツトマトのようにとにかく甘い、高糖度トマトがいいという人もいれば、ミニトマトで黄色いトマトや緑のトマトがいいという人もいる。昔ながらの青臭いトマトが好きな人もいるし、リコピンなど特定の栄養価が高い、いわゆる機能性成分が高いトマトが欲しいという人もいるだろう。
息子:お母さん、甘いトマト好きだよね。いっつも買ってるもん(笑)
父:そうだね甘いトマトはおいしいもんな。フルーツ食べているみたいだ。こういう多様化した消費者の声をひろって新しい商品をつくっていくことを企業ではずっと続けているんだよ。
息子:変わっていないようでも変わっているんだね。
インターネットでも独自商品を展開
父:また今では、インターネットで商品を売ることは当たり前になったけれども、従来の販売ルート(メーカー→卸→小売り→消費者)から、インターネットで直接メーカーから販売するルートも増えた。
父:カゴメのように日常的にどこでも買える商品を提供しているところは、一般に流通しているケチャップやトマト・野菜ジュースをインターネットで売っても魅力がない。
息子:インターネット限定とか?
父:そうだ。インターネットでしか買うことができない商品を提供している。インターネットでわざわざカゴメの商品を買おうと思ってくれるお客さんは、お金を払ってもいいから、いい商品を買いたいと思っているお客さんだから、高級路線で勝負しているよ。
(https://shop.kagome.co.jp/lineup/tsubuyori/より抜粋)
時代の移り変わりとともに企業は少しずつ事業を変えていくんだね。
(次回へ続く)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回ご紹介したような内容を中心として、株式投資初心者向けを対象としたメールマガジンを発行しています。よろしければご登録ください。
購読は無料、解約もワンクリックです。