Creepy Nuts「合法的トビ方ノススメ」からHIP HOPを学ぶ
今や音楽が好きなら一度は耳にした事があるんじゃないでしょうか。今回はCreepy nutsの代表曲である「合法的トビ方のススメ」を紹介しつつ、言葉の意味やトラックの秘密、HIP HOPのカルチャーについて僕も学びながら解説していこうと思います。
まず初めにこのクセになるトラック、実は元ネタがあるんです。
トラックとは、分かりやすく言えばカラオケで流れる音の事で、ボーカルの後ろで流れる音源のことです。
元ネタがあるってことは他の人が世に出した音源を使ってるってこと？
そうなんです！でも少し誤解があります。
おもに、reggaeやHIP HOPなどでよく聞く言葉サンプリングと言われるもので、既存の音源に手を加え新しい音源に進化させると言う、創造の上に創造を重ねる作業を経てこの「合法的トビ方ノススメ」のトラックはできています。
サンプリング元がこちらです。
サンプリングなんて盗作と同じだ！と思う方もいられると思います。わかります、僕もHIP HOPを聴き始めたばかりの頃は「それありなん？」と思っていました。
サンプリングは今や、reggaeやHIP HOPの文化として認められています。ですが、何でもかんでも既存の音源をサンプリングして良いのか？と言われるとそうではなく、「そもそも気付かれていない」「許可をとっている」「サンプリングの技術が凄すぎて認められた」などになるか、普通に怒られて裁判沙汰になるパターンもあります。
サンプリングの良し悪しは一旦置いておいて、この「合法的トビ方ノススメ」も実はサンプリングして作られたトラックだったんです。知れば知るほど音楽は面白い！
さて、次は韻を踏む面白さについて
韻を踏むってHIP HOPが流行り出してからは良くテレビでも聞くようになりましたが、ところ構わず韻を踏めばそれで良いわけではありません。
無数にある言語の中から選ばれた言葉を繋ぎ合わせて一つの文章として成り立たせ、且つ韻を踏んでるからこそ「うぉおおおおおおお！かっこいい！」となるんです。
この曲もありとあらゆる場所で韻を踏み倒してるんですけど、個人的に気持ち良かった韻の踏んだ歌詞を紹介します。
錠剤？液体？はっきりとしない実態それは気体か固体？聞きたいか答え？イキたいとたえずのたまうキミの期待に応える
どこで韻を踏んでるのかこれを分かりやすくすると
錠剤？液体？はっきりとしない実態それは気体か固体？聞きたいか答え？イキたいとたえずのたまうキミの期待に応える
変態的に韻を踏みまくってるのに文章としての意味は別におかしくないのが本当にすごい。
もっと言うと、分かりやすく踏んでるのが太字にした所ぐらいでこの中にまだ微妙に踏んでるのもあるので、文章全体が韻で集まった集合体みたいになってます。
「布団が吹っ飛んだ」で、まぁまぁドヤ顔してた幼かった頃の僕がこれをその時聴いていたらトラウマで二度とHIP HOPは聴けなかっただろうなと思います。
この曲は言葉数が多いのにも関わらず、聴きやすくて乗れてしまうのには韻の多さやワードセンスの素晴らしさが関係しています。
次は歌詞の意味を探って行きます。
まずこの歌詞から
砕いて裂いて巻いて焚いて吸って吐いても
これは主に大麻のことです。HIP HOPやreggaeの曲の歌詞によく出てくるワードでもあります。
ましてや炙っても打っても得れない快感たまらず
give some move
大麻やドラッグでも得られない快感がそこにはあるんだと言う意味と解釈しています。じゃあそれは何なのか？
ハマっちまったら終身刑そのdrugの名はmusic
何となく聴いていると何やら物騒なワードばかりで合法的と言っておきながら非合法なものをススメてるんじゃないかと思う人もいると思いますが、彼らは一貫してそれらを勧めているのではありません。
むしろ、そんなもので飛ばずともこの音楽さえあれば俺たちはどこまでだって飛べるんだという意思を１曲使ってひたすらぶちまけてるんです。
実はHIP HOPやreggaeの音楽カルチャーにはガンジャチューンと呼ばれる曲があって、大麻を擬人化させて愛を歌ったり、こんな曲は存在しませんがこの曲の名前をもじるなら「非合法的トビ方ノススメ」なる音楽が沢山あります。
HIP HOPの渦の中にいて、そのカルチャーを理解した上で自分達 "Creepy Nuts" ならばこんな曲を出す！のアンサー的曲なんじゃないかなぁと勝手に想像してます。
次はこんな歌詞
Crystalmeth も Purple Haze も 場末の安女郎も
無くても平気シラフでもクレイジー タンテとマイクロフォンよこせ
無くても平気以降しか僕には意味が分かりませんでした。
クリスタルメス？パープルヘイズ？場末の安女郎？わからーーーーん！！！
と言うことで、調べました。
まず、Crystalmethは主に覚醒剤などのことを指してて、Purple Hazeとは、LSDを指す言葉として使われてるみたいです。
そして残るは、場末の安女郎。調べてもこれ！と言った確かな意味がなかなか出てこなかったんですが、知恵袋に同じような質問をしてる方がいらっしゃってて、そのベストアンサーには「町外れのアバズレ的な意味じゃないでしょうか？」と書いてありました。
確証はありませんが、曲の歌詞から考察しても意味はそんな感じなんじゃないでしょうか？真相はわからないですが、
Drugやsexの快楽なんか無くても平気やし、何ならシラフでも狂えるからさっさとターンテーブルとマイクよこさんかい！
こんな事を言ってるんじゃないかと解釈しました。もうこの人達は心の底から音楽が好きなんだなぁと思います。
ターンテーブルとマイク1本で数々のHIP HOPスターを唸らせてきたからこそ、この歌詞を堂々とHIP HOPと言う土台の上で鳴らせてるんじゃないかと思います。めちゃくちゃカッコいいです。
※僕の解釈を色々書きましたが、人の数だけ色々な受け取り方があるので僕の解釈は参考までに！音楽はあなたの受け取り方が全てです！
最後に。
僕は、Creepy Nutsに出会うまではHIP HOPなんて全然聴いてきませんでした。むしろHIP HOPの語りながら歌う感じが苦手だったんですが、この二人に出会えて、こんなHIP HOPもあるんだ！と衝撃を受け、youtubeでHIPHOPを本格的に調べ、今では自ら進んで聴くほどになりました。
HIP HOPと言うジャンルの音楽を生業とし、ジャンルを超えてROCKフェスの大きな舞台で、時として主役を喰ってしまうような音楽を響かせる"Creepy Nuts"の二人にこれからも目が離せません！！！
今日はもちろん、この曲で締めます。
Creepy Nuts / 合法的トビ方ノススメ
読んでいただきありがとうございました。また文章の上でお会いしましょう。
ではまた！