中島知久平の必勝戦策。37ページまで。
はい。画像アップです。
打ち込みを始めます。
飛行機の増産は、半年や一年で、急に現在の何倍にも達せしむることは、技術的にも、又四国の諸情勢からも不可能である。余りに辛うじてそれが出来て、航空勢力が結集して、ソロモン、ニューギニア、方面に於て、克く敵に拮抗し得る勢力に達し、又、ビルマ方面に於ける非常に広汎たるべき戦面に於ても、克く敵を制御し得る勢力に達したりともするも、斯くすることによりて、他の戦面に於ける航空勢力が、極めて希薄になることは、避けられない、千島方面に対する反攻、日本本土に対する大規模反攻、支那大陸よりする航空大攻勢は必至であって、而も同時に来ることを思う時、事態は極めて重大である、之等のあらゆる方面に備へんとすれば、ソロモン、ビルマ方面劣勢となり堪え難くなることは自明の理である。
要するに外郭防衛線は、日本の飛行機生産能力が米国の十倍に達しても、到底完璧を期し得ないことは瞭である、況んや、彼我生産力の現実を正視する時、その成り行きは識るべきのみである。
意訳短縮砕け表現しまーす。
「飛行機の増産は半年や一年で何倍にすることは技術的にも、四国(英米中オランダ?)の情勢から不可能です。辛うじてそれが出来て、ソロモンやニューギニア方面で拮抗し、ビルマ方面にも達し、敵を制御できたとしても、他の戦面の防御が希薄になります。
千島や中国大陸から航空大勢力、もしも両面作戦にきたら重大になります。これらを警戒するようにすれば、ソロモンやビルマ方面が劣勢になることは自明の理です。
要するに防衛線は日本の飛行機生産能力がアメリカの十倍に達しても、期待できないし、敵の生産力を知れば、その成り行きは目に見えています」
あたりでしょう。
「戦争の主役が飛行機になりましたが、飛行機をいくら生産しても防衛しきれません」
と言いたいのでしょう。
ビルマやソロモンが頻繁に出ているということは、当時の新聞や政府上層部はそっちばかりを話題にしていたのでしょう。まだ、アメリカの大反撃は始まっていませんし、蒋介石の国民党は大陸に潜伏しているので警戒感が薄いのが当時の「空気」だったのかもしれません。
はい。今日の旧仮名遣いのお勉強です。
克く←よく
而←したれども 一回で憶えられんよ。「雨みたいな字」でググルと出ます。