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中島知久平の「必勝戦策」。第二表の説明。
ここからの説明は、軍人や各種企業や技術者向けの説明ですかね? スペック表を出して知久平さんは説明を続けます。
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では打ち込みます。
第二表はZ飛行機と、米国に於ける最新鋭双発爆撃機マーチンB-26との比較を示したものであります。
Z飛行機と マーチンB-26との比率は、爆弾搭載量は80トン対1トンであるから、同一爆撃効力に対する機数比は1機対80機となり、機体生産に要する ジュラルミン材料費は65トン対696トン、ガソリン消費量は19トン対222トンとなる。
かくの如く、大型飛行機は小型飛行機に比し、驚嘆すべきほど、僅少なる資材とガソリンを以て足りるのである。
尚お、マーチン10万機に対しZ飛行機は僅か、1250機に足り、飛行場500に対し、13、機体工場は50工場に対し僅か5工場にて充分である。
意訳短縮をしてみます。
「第二表を見てください。アメリカの最新爆撃機B-26との比較表です。
巨大飛行機を計画しているので膨大の資材の問題がありますが、実際に計算してみると驚くほど差がありません。
物資不足でZ飛行機が頓挫することはありません。仮にB-26が10万機生産されれば、Z飛行機は1250機で対応できます。飛行場も機体工場も5分の1ていどで、コスパがいいです」
あたりでしょうか。
武田信玄の子供の頃のエピソードで、貝殻を3千個献上された時、家臣たちに貝殻の山を見せ「何個あると思うか?」と聞いたら、「3万個はあると思う」と返ってきて、「3000の兵があれば、3万に見せることができるのか」と言ったそうな。
人は大きな物を見せられると、大きく見積もりがちなのでしょう。
前例のない超巨大型飛行機を生産・運用するのに「資源の問題で不可能だろう」と思っている人たちを説得させます。
次、知久平さんは「第三表」の比較表を見せます。