中島知久平の「必勝戦策」。米國撃滅戦策
ロマンシングサガ2って面白いよね。面白くて更新頻度が……。
風邪が治ったと思ったら持病が悪化しました。はっはっはー。
(と弁明)
はい。画像をアップします。
日、米両国の生産力の懸隔の大なることは、前にも述べた通りであります。従って、生産力に依って勝敗が決せられる現戦策を踏襲する限りに於ては、絶対に勝ち目は無い。
米國に必勝するためには、全然生産力に関係なく撃破し得る戦策、即ち、僅少なる生産力を以て、厖大なる生産力に対抗し、必勝し得る戦策に依る以外に道は有り得ないと確信致します。
一体、そんな不思議の戦策が、果たして世にあり得るのかと云う問題になるのでありますが、大に有るのであります。
現行戦策は、第一線に戦力を結集し、互に其の戦力撃破しあって、勝敗を決するのであるが、其の戦力の源泉は後方の生産力にあるのであります。
而して、現在の生産組織には、一つは致命的缺陥、即ち致命的急所が内在して居り、其の急所を衝く時は、生産力は全面的に麻痺して、機能を失するに至ることは免れないのであります。尚ほ、強いて云えば、更に、アルミ製造工場、製油工場を加えたる小数の局地的源泉工場であります。
故に第一線の戦力の源泉は生産力であり、又、その生産力であり急所を為すものは製鉄所等である、敵の此の急所を撃破する時は、生産力は全面的に停止し、第一線の戦力を一挙に喪失せしむることが出来る。従って、敵を撃滅し、必勝を期して得ることは、疑いの余地を存んない。
而して、米国に於ける製鉄所、アルミ工場、製油工場等は、少数の局地的存在であるから、少数の爆撃機と爆弾とを以て、短期間に完全に撃破することが出来る。
故に之を成するには、何も大なる生産力を必要としない、僅少なる生産力を以て足りるのであります。
はい。意訳短縮をします。
「日米の生産力の差は甚大で、このままでは負けます。生産力の埋め合わせができないのに、勝てる方法はあるのでしょうか。
実はあります。最前線ではなく、軍需物資の供給元である工場を攻撃すればいいのです。アルミ工場や製油工場は数も少なく場所も決まっているので、そこを爆撃機で編成して攻撃すればいいのです。
この戦術は現在の生産力で間に合います」
あたりでしょうか。
今でこそ軍需工場の攻撃は、戦術や戦略として当たり前ですが、第二次世界大戦中は新しい戦法だったのでしょう。
実際、英独の戦いは互いに工場を攻撃していました。日米の場合は、航空エンジンを生産している武蔵野工場が攻撃されました。
空襲を受けた日は1944年11月24日。知久平さんの必勝戦策の提出日は1943年8月8日。
一年は猶予があったわけで……。たらればの話になりそうなので、終わりにします。ちなみに中島飛行機では政府の疎開命令よりも先に、各種疎開準備をし、行動もしていました。