
中島知久平の「必勝戦策」。65ページまで
ではいつものように画像アップ。


太字打ち込みします。
現在、日本と米国との飛行機製産施設の比率は、約1対4である、日本が超大型飛行機戦策を以てせば、現在の製生施設の半ばを以て、米国を倒して徆(?)余りあるのである。
然るに事実は全く反対であって、米国は大型飛行機戦策を採り、日本は最も不利の小型飛行機戦策を堅持して来たのである。
現在の苦戦は、当然の結果であると申さなければならない。
独逸は初めは航空勢力の優勢を利し、諸線に於て、目覚ましき戦勝を伝したのであるが、其の後反枢軸側が、大型飛行機の生産に力を注ぎ、其の整備を見るに至るや、独逸の戦勢急に挫け、各方面共甚だ芳しからざる情勢を呈するに至った事は公知の事実である。
ゲッペルス宣伝相は、近頃頻りに国民に対し、暫く隠忍せよ、目下飛行機の大転換を実施中である、そに完成の暁には、再び大攻勢に転じ、独逸の勝利は必至であると声明して居ります。
是れ独逸が、小型飛行機攻策に誤謬に禍せられ、如何に悲惨なる犠牲に苦悶しつつあるかを、率直に告白せるものであります。
今や日本は、米、英、の大型飛行機を以てする、大規模反抗に直面し、飛行機の劃期的大増産により、新しき決戦態勢の再建に迫られて居る。
此の重大転期に於て、再び恐るべき誤謬を繰り返すことあらば、禍を千歳に残すものであって、罪万死に値するものであると申さなければありません。
では意訳短縮しまーす。
日本とアメリカの飛行機施設の比率は1対4です。日本が超大型飛行機戦策に変えれば、現在の生産施設の半分でアメリカに勝て、余りも出ます。
しかし現実はアメリカは大型飛行機の生産に着手し、日本は小型飛行機生産に固執しています。
現在の苦戦は当然です。
ドイツは航空勢力優勢を利し、緒戦は目覚ましい戦勝をしましたが、その後、連合国は大型飛行機の生産に着手し、ドイツの勢いを挫いています。
ゲッペルス宣伝相は近頃国民に対し、「暫く耐えよ。飛行機の大転換中で、それが実施されればドイツが勝利する」と声明しています。
この事実は小型飛行機に固執し、苦戦している事実を告白しています。
今、日本は英米の大型飛行機による大反撃に直面し、新しき決戦に迫られている。
この重大な転換期に再び誤謬を繰り返すなら、千年に渡って禍根を残し、万死にあたいします」
でしょうか?
日清戦争は外国から艦船を買って勝利し、日露戦争の主なる軍備は自前でした。満州事変以降の大陸の動乱は小型飛行機中心になり、真珠湾やシンガポール戦線でそれはピークになります。
で、「次は巨大飛行機の時代になります」と知久平さんは警告します。
はい。今日の旧仮名遣いのお勉強です。
頻りに←しきりに