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中島知久平の「必勝戦策」。二、 五千馬力六発三萬馬力超大型飛行機
55ページにして超大型爆撃に本格的に入ります。よく、「プレゼンでは結論を先に言え」と聞きますが、知久平さんは外堀を埋めながら、「でも」「しかし」を一つ一つ丁寧に潰して超大型爆撃機に誘導しています。
(※冒頭に「このままでは負ける」という結論は出しているか)
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![](https://assets.st-note.com/img/1737576748-LKCyYk0P4XaS6MZQFOHoBl72.jpg?width=1200)
では太字打ち込みします。
二、 五千馬力六発三萬馬力超大型飛行機
以上の基礎条件を具備すべき飛行機の構想設計に関し、技術者の長期に亘る研究の結果、二千五百馬力六発一萬五千馬力飛行機では、米国と同一であって、再び生産力の競争に堕し、無意義であるべかりでなく、前述の基礎条件を満す力が足りない、又、五千馬力四発二萬馬力飛行機でも所要の任務達成には力が不足である。
そこで、更に深く進んで、研究に研究を重ねた結果、竟に五千馬力六発三萬馬力飛行機を以てすれば、一切の基礎条件を完全に満たし得ると云う結果に到達したのであります。
其の型式、性能は、第四図(※最後に、スペック表を発表します)に示すとおりであります。即ち、動力は五千馬力空冷発動機六基装備三萬馬力、翼面積は三百五十平米、全備重量は八百七十五トン、速力は六百八十メートル時、爆弾積載量と航続距離との関係は二十トンの場合一萬六千メートル、十トンの場合一萬八千メートルであり、航続距離の短縮に従い、五十トン迄積載し得る装置を備える。
斯くの如く、此の飛行機を以てすれば、完全に必勝三戦策を遂行し得て、急速に本戦争の完勝を期し得るのであります。
故に皇国の興廃は此の飛行機の成否一つに懸るのであります。依ってZ飛行機と命名した次第であります。
では意訳短縮しまーす。
「以上の基礎条件を飛行機設計に関し、技術者の長期にわたる研究の結果、2500馬力六発15,000馬力飛行機では、アメリカと同一であって、再び生産力の競争で負けます。前述の基礎条件を満す力が足りません。5,000馬力4発20,000馬力飛行機でも任務達成には力不足です。
そこで深く進んで5,000馬力6発30,000馬力の飛行機なら各種作戦を遂行できます。
その形式は、(※具体的説明なので省きます)備えます。
以上のようにこの飛行機を持ってすれば、3つの必勝戦策が実現可能です。急速にこの戦争が完勝します。
故に皇国の興廃はこの飛行機の成否に懸っておりZ飛行機と命名しました」
あたりでしょう。
具体的な数字が出てしまったので、区切る部分を間違えてしまったようで、分かりにくくなってスミマセン。
で打っていて気づいたのですが、知久平さんは社員には「この飛行機は中島飛行機の最後の飛行機だからZ機と呼ぶ」と説明していました。しかし必勝戦策では日露戦争の故事の「Z旗」を想起させます。おそらく、海軍関係者にはそんな説明をしたのかもしれません。
はい。Z機(富嶽)のスペック表です。
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はい。今日の旧仮名遣いのお勉強です。
竟に←ついに 読めねえ