ほんで結局何が言いたかったんや、『バービー』
『バービー』をですね、観てきました。原爆ネタで燃えてたし、面白そうやんけ!で楽しみにしていたのに(いやこれを肯定する公式に金を落とすのは悔しいぞ?うーん、でもどうせ配信で観るんやし、それならリアルタイムで観た方が…)をしていたタイミングで偶然にも一緒に観てくれる人が現れたので、ちょっと観てきました。
感想としては、俺は一体この時間何を観ていたんや?です。いやいや、これは自分がまだ社会的に不勉強だから面白さを見出せなかったのかもしれない。そう考えて、それから数時間考えてみました。
いや分からん!!Twitterとかで検索してみたらやたら肯定的なものが多いのと、否定的な意見がやたらリプで叩かれてたし、結局のところよく分からん!?に落ち着いた。
なので、とりあえず自分が思い浮かんだ疑問をまとめつつ、コメントとかで誰かのご意見を聞いてみたい。むしろ教えてもらいたい。教えてください。そんな気持ちで今回は書いてみました。箇条書きです。
ネタバレはガンガンしてるし、なんなら酷評してます。
私には合わなかったです。もし今作で強くポジティブな影響を受けた人がいれば気を害するかもしれません。自衛よろしくお願いします。
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バービーランドにおける民主主義がガバすぎる
・本来の公民権運動的なそれこそが最初のフェミニズムやったはずなのに、それを排除してバービーサイド(女性?)だけに限った民主主義を強行したことが一番しっくりこない。
-「無法には無法!」はフェアではないでしょうよ
-男性がマチズモ的であり、フィジカル的な力に固執していることをネタとして消費しつつそれを逆手に取ってるかのようなやり方って対話を拒否していることを正当化してるくね?
そしてそのコミュニティに属しながらもクウィア的なポジションにいたアレンに『新しい時代の男性的シンボル』を背負わせたのはダメでしょ。
-そもそも『ケンの夢の道場ハウス』ってなんやねん。パワーに依存させるなよ。根本的にケンが変わった理由って、バービー世界において『ロールしか与えられなかった存在』に対して、現実世界が与えられているロールに加えて個人としての最低限の尊敬があったからやん。人として当たり前の『承認』を受けられたらそりゃ良くも悪くも『目覚める』やろ。
-「絶対殴り返されへんレギュレーション」でしか勝負できないならそれはもう暴力やって。いじめやん。
好意を装って『ちょろい男性(男子?)』を惹きつけるとか男性側がやって『女性の搾取』とか後から言わへん?大丈夫?
→そんなんケンはバービーのことめっちゃ好きで、振り向いてくれへんから外から獲得した『男性らしさ』に縋ってやってきたわけやん、バービーたちが最初から「「このままだとバービーランドは終わっちゃう!?」」とか言い出す時点で初っ端からケンたちはバービーランドにおける『装置』としか見られてなかったの残酷すぎん?何も解決してへんやん。
・ケン側が全員筋肉質でマンスプ全開なのマジで笑った。競わせるまでもなく男性サイドで競い合ってるやん。
-その延長線上の活動をバービーサイドが「してやったり!」の顔してるの、何??
→仮に今後現実の社会が変わったとしても、「性に捉われない権力としてのパワー』で屈折した男性が革命を起こしたとして、社会はどう捉えるのか?
→公平性をリベラルとして認めるのであれば、少なくとも今話題の『弱者男性』へのジェンダーに由来しない社会的なまなざしは肯定的でなければフェアではない気がする。
この辺はまだ社会思想史とか正義論とかについて全然勉強できてないから自分の課題にしないといけない。ジェンダー論の資料読み直します。
ワーナーの映画引用の使われ方
・ワーナーの映画のオマージュしまくって男性性をカリカチュアすんなよ、それ通るなら「バービー人形で幼少期過ごしたんか?」は禁止カードから普通のカードとして使えてまうぞ。映画ファンに対してしていいこととあかんことあるって。
・2001年宇宙の旅、ゴッドファーザー、ロッキー、高慢と偏見、(多分ベイビー・ドライバーも)、この中でベイビー・ドライバーが比較的公開されたのが新しく(2017年)、唯一オマージュを(リアルな)女性がやってた。作られた時代背景に則してやってたんならこの監督わかってやってて強すぎる。サンプリングが上手すぎる。
-何よりも「映画に含まれる余白」を語らせないスタンスが「説明をしないことの余裕」を感じさせられて批評家へのサービスをしながらも「違うんだよなぁ笑」の後出しジャンケンができるのめちゃくちゃ賢いのでは。
-それにしても病みバービーが『高慢と偏見』を見続けるのはやっとるやろ。女性が主体的に男性を変えていく変化の話に依存しているのか、それとも求めているのか、あるいは諦めているのかによって解釈が異なるんよなぁ、これよく分からん。
-それはそれとして、ネタならネタで振り切れ!!!中途半端な過去のマンスプの引用すな!!!
-昔のアホオスの所業出してあげつらうんなら、開始数分の「主婦として家庭を守ってきたおかん」のおままごと人形ぶち壊すのは企画倒れにもほどがあるやろ。家父長制ぶっ壊したのをなぁなぁにしてバービーの存在を正当化してるのも、結局この話においては「売れるから」やん?資本主義握ってる男しか重役がいないマテル社によるプロモーションにバービーやバービーと育ってきた子供が搾取されてることがそもそもの問題やん。そこ突っ込んでバービーのアイデンティティを掘り下げるとかじゃないと結局元の木阿弥になってしまったのでは?
そりゃピンクのキノコ雲を肯定するわ、ワーナー。
・バービー世界の現実世界の世界地図がアメリカはきっちり描かれてたのにアジアは適当で島国の日本すら描かれてなかったの、邪推するけどそりゃバーベンハイマーで原爆ネタ肯定するわな。だって日本が見えてへんもん。
-これ、直接的に家族や親戚が原爆被害に遭ってない身ではあるけど胸糞悪かった。そりゃ鼻も低いアジア人のバービー登場させへんわな。
あとはネタなのか、それとも自分がそれを差別と受け取ったのかは置いといて、黒人のバービーに対して白人のバービーが「あなた輝いてる!」みたいなことを言ってたのは空耳やったと思いたい。
SNSにおけるバービー礼賛が腑に落ちない。
・Twitter、いやXの言論統制マジでやめろって。この話の構造を誉めそやす流れは映画でバービー自身がやってて、それがファシズムやって登場人物の女の子にこき下ろされてたやん。
-それはそれとして「女性が社会進出するのは肯定的だけど〜」から始める女性の擁護(笑)して今作を酷評する人には傲慢さしか感じないし、そもそもの人に対して失礼。それは自分も言いたい。ただ、純粋に「自分に合わない」を公言した人が社会的に遅れてる土人みたいに燃えてるのはおかしくない?
・あとバーベンハイマーでキレて観ていないのにレビューサイトとか荒らしてる人、マジでやめろ。観てからこき下ろせ。金払ってからボロカス書こうや。それこそが多文化共生なんとちゃうんか?
・「バービーそのものがカップルにおけるリトマス紙になる」みたいなそれ、逆にこんなガバガバの話で別れを切り出してくる彼女は彼氏にとって別れるべきでは??
-これ別にフェミニズムちゃうやん。「ありのままであること」と、社会から向けられるまなざしを受けて「変わることを強いられたこと」があること等々が盛り込まれてるから意味は分かる。
ただ、今作で男性が「変わらない社会によって下駄を履かせてもらっていた優位性」だとか、「男性のみで構成される女性の肯定」みたいな「もはや狙ってやってるネタみたいな無意識的なわからせ」を観て考えるべき話ではある。それはそう。
→それはそれとして、これをもとに自分の在り方を見つめ直すべきは男性。という話でもなかった。
→これ、誰に向けた映画やったん?(後述します)
納得できないラストシーン
・今作の最後、バービーが産婦人科を受診しに行くシーンで終わったやん。女性器を獲得して過去のジェンダーロールから解放されて肉体的なセックスとしての女性になったことがよくわからん。
心身共に女性であることによって生まれる偏見であったり、差別を等身大で受けるってことなん?
・なんやってんこの2時間。何にも解決してへんやん。なんか大変だけど、それはそれとしてマーゴットロビーだから乗り越えられるぞ!なんやったらむしろ現実世界を生きる女性への突き放しやろ。ハシゴばり外すやん。これもしかして「ある視点」系の話やったん?道筋くらい示してから終わってくれよ、私みたいな無知の観客にとってはほんまに分からへんねん。
そもそもこれ誰に向けた映画なん?
・思春期の子に向けて作っていたのなら(何を今更…?)とか(そうなの…?)やし、ファミリー向けなら家族で観に行った家族(夫婦)凍るやん。
カップル向けならリトマス紙とか言われてるし、子供向けなら今バービーで遊んでる子供に向けたネガキャンやん。
・これ誰が喜ぶん?歴史的な定義としてのフェミニストもモヤるやろし、スラング的やけどツイフェミも喜んでるん?マジでわからん。
-ちなみに、私の鑑賞当時のスクリーンの観客男女比は観測した時点で2:8くらいでした。そのうちカップルが2,3組で1人で観に来た男性が3人とか。結局届けるべきだったかもしれない男性に届いてないのなら、今回のテーマを啓蒙映画として出すためのマーケティングとか大失敗なんとちゃうん……
-何よりも今後これが教育機関とかで流されたら子供の男女の相互的な偏見と差別ますます加速するんちゃうん?だって「男は力にモノ言わせる猿山で、女は役割に縛られてる弱者でもやればできる!」を出してたやん。無茶やって。絶対これをネタにして陰湿ないじめする子供生まれるって。
(おまけ)バービーを褒める大学生への偏見
・何がタチ悪いって、これ観て女性に対して『ジェンダーに理解のある男性』をする男、自分がミサンドリー的なのを前提としての発言やけど、絶対「あそこに出てきた映画観たことある!?うちプロジェクターとネトフリとかあるから見に来ない?宅飲みしようよ」みたいなこと言って絶対観終える前に合意なしで手ぇ出すやろ。ほんでホイホイ着いていく女は「え〜?」とか言いながらなんやかんや自分で流れたのに後日「不同意でした」とか言う。絶対言う。サブカルクソ大学生やん。
とりあえずこの夏はいっぱい映画を観たい
なんか、最近やたらポリコレっぽい映画多くないですか。直近書いた『クレヨンしんちゃん』とかもそうですけど。この前『マイエレメント』を観たんですよ。めっちゃよかった。なんなら先にこっちの感想を書きたかった。マジでよかったから観て欲しい。この夏は映画が豊作すぎる。ありがたいですね。いっぱい映画観ます。『赤と白のロイヤルブルー』(タイトル間違ってたらすいません)を途中まで観てるけど、これも良いですねぇ…ポリコレ系かと思ってたらきっちり直球で投げてきた。後半も早く観ます。アマプラで観れるからおすすめです。
書いてたら4600文字を余裕で超えました。ここまで読んでくれてありがとうございます。そして、もし思うところやご意見などがあればぜひコメントで教えてください。よろしくお願いします!
では、この辺で。ピンクのピの字もない真っ黒な文章ですいません。
(サムネイル引用:バービー公式サイトより)