学生のうちにしてみたいことが叶ったかもしれない話
どうも、月が変わり、こめかみを家の駐車場の雨よけの角っこで打って1日大学の中を冷えピタを貼りながら動き回ってバイトまでこなした長押しです。
実はですね、少し酔っています。ほろ酔いの帰りの電車で書くnote、お付き合いくださいませ。
仕事終わりに大学の近くのコンビニで友達と一杯呑んで、そのまま一服して電車に乗って帰ろうとしたところ、とんでもない駅ナカの店に遭遇しました。
全品99円の焼き鳥屋が出店していたのです。
何を隠そう、自分の好物は焼き鳥。砂ずりと皮が昔から大好きです。
そして、近所の馴染みの焼き鳥屋さんは度重なる自粛によって休業し続けていることによって焼き鳥禁断症状が出ていた。
買わない理由も食べない理由もない。
路上食い?知るか。人との距離もあるし、1人で食ってるんだから感染リスクなんぞあるわけがなかろう。
駅の改札を出たベンチに1人座り、いざパックに詰められた焼き鳥たちとマスクなしのご対面。
夜のオリンピック、出場選手をご紹介しましょう。
ハツ、砂ずり、皮、ぼんじり。夢の焼き鳥日本代表が揃い踏み。
既に胃の中にアイラのハイボールが500mlも入っている状態で食べる一口目、偶然にもバイト終わりの賄いを抜いていた自分の体に閃光が走る。きっとあの衝撃は稲光よりも早く、そして花火よりも綺麗に舌の上で弾けた。
あぁ、このために数週間の苦しみと過労はあったのだ。そんな気持ちにすらさせてしまう甘美なタレと塩の広がり。
明日のゴジラvsコングまでに取っておいたご褒美が霞みかねないことを不安に思いつつも、五感で串を頬張り、咀嚼し、嚥下する。
あぁ、幸せの青い鳥は、タレと塩をまとって今ここにいたのだ。ありがとう。いただきます。ごちそうさま。
これが学生の頃にしてみたかったことではない。
やってみたかったことは、通勤中のサラリーマンを見ながら飯と酒をいただくことだった。
暗い目をし、前よりも若干下を見ている名も知らぬあの人たちを横目に食べる極楽。
ライブクッキングとやらがあるように、駅の改札を出てすぐのライブヤキトリを、ただひたすら喰らう。
あの瞬間、焼き鳥によって自分は世界の上位存在となったのだ。
這い寄る混沌、夜の魍魎、全てのクトゥルフを超え、深淵と全能の実態は、恍惚としながらベンチで焼き鳥を食べていた。
ステーションバーという言葉が昔バズっていたけれど、駅には使う人全員に、その日1日のドラマが伴う。
契約が取れたのかもしれない。彼氏との別れをしてきたのかもしれない。幸せの絶頂の余韻に浸る人もいれば、目の前の死から逃れようと必死になっている人だっていただろう。
そんな人間のドラマを肴に食べる焼き鳥は、意識が飛ぶほど美味かった。
これだから人間は面白い。それなら今日の朝からこめかみをぶつけて痛がりながらも大学に行ってちゃんとバイトまでした自分を嗤われていたとしても大いに許せてしまう。
ほら、笑えよ。どう考えても野郎が痛そうに冷えピタ貼って帰ってる構図は面白いだろう。
人生おもしろコンテンツとして自分の生活を切り売りしている今、もはや笑われなければ割に合わない気すらしている。
人類全員手を取り合ってそれぞれのアホみたいなザマを爆笑しながら乾杯できたらどれだけ世界は平和になるだろうか?
そんな明日になれば顔を真っ赤にしながらどうしてこんな文章を書いたんだと昨日の自分を呪う自分がいるのだろう。
ごめんよ明日の俺。仕方ない。諦めてくれ。
乱文散文失礼しました。
明日は多分ゴジラvsコングを観て頭ドハティになった記事を書く予定です。
ではまた明日。