マーケティングビジネス入門ー6 無料版

 今回は前回で予告した通り「PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)」について解説していく。

PPMとは?

 PPMは各事業の中で資源をどのように分配するかを決める際のフレーム

 これは4つに分けられていて、

1:花形
2:金のなる木
3:問題児
4:負け犬

 の4種類がある。最初に見て何のことかきっと分からないと思う。これらが作用しあっていることを少しずつ説明していく。

 そもそもこれらは市場成長率相対的マーケットシェアの2つについて考えられるものであり、4つの分類されたものがそれぞれの指標でどれくらい高いかで事業の資源分配をするかの参考にする

 まずは市場成長率と相対的マーケットシェアについて解説する。

 市場成長率は市場の中でどれだけの伸びが予想されるかの割合。要はこのまま売れる中で伸びがあるのか、停滞するのか、減少していくのかを考えたときの数値となる。

 相対的マーケットシェアは市場の中でどれだけの価値があるかの数値競合する製品があるかどうか、売れている製品が負けるようなものが他社で開発されていないかなどを考える必要がある。

 つまり、「市場成長率が高い、かつ相対的マーケットシェアが高い商品」・「市場成長率が低いけれど相対的マーケットシェアが高い」・「市場成長率が高いけれど相対的マーケットシェアが低い」・「市場成長率も相対的マーケットシェアが低い」の4つの分類が可能になる。

 さっき「4」の数字を見た覚えはないだろうか?そう、「花形・金のなる木・問題児・負け犬」の4種類のフレーム。

 ここからはこの4種類のフレームについて解説していこう。

花形
 
 これは高い市場成長率とマーケットシェアを持つ。これはつまり強力な市場価値を持つことである。花形の文字通り企業にとってのエース製品。強いということは反対に事業の維持や拡大には大量の資金や資源が必要となる。「売れるけれどその分コストがかかる」を考えておかなければいけない。

金のなる木

 相対的市場シェアが高いけれど市場成長率が低い。シェアはあってもさらに売れるようになるわけではない。継続的に安定している収益を出せる部門といったところ。資金に対する成長を想定通りにできるわけではないことを頭に入れておかなければならない。

問題児

 相対的市場シェアが低いけれど市場成長率が高いシェアがあまりないけれど今後売れる可能性が大きい。シェアを得るための資金があれば今後大きく成長していくチャンスがあるのでうまく活用できると花形に成り代わる可能性も。

負け犬

 低成長市場かつ低シェア。このままでは特に大きな売れ行きもなければ継続的な収益もないことが自明。ジリ貧製品。撤退することを検討してもいいかもしれないと判断材料に加えることが可能となる。


高市場成長率+低マーケットシェア→低市場成長率+高マーケットシェアの流れを意識する

 どういうことかというと、マーケティングを行うには4つの要素を全て組み込んだマーケティング設計を行う必要があるのだ。

 花形製品1本で勝負が出来るか?仮に成功してもそれだけで収益を作り続けることが出来るかとなると不穏になる。反対に負け犬製品もそうだ。早々に撤退しないと企業にとってマイナスになる結果になる。流れを意識していくことが重要だ。

 花形になりうる可能性を秘めた「問題児」に投資を行いエースとなった「花形」を育成する。それから安定した収益を出せる「金のなる木」へ変化させていき、それを丁寧に保持し続ける。その先にあるもうそろそろ潮時かと考えるタイミングになる「負け犬」へ変わってしまう頃に撤退。そこから改めて問題児の投資へ……の流れをキープしていく。

 大手企業のエース製品を花形と捉えた上でどういった流れで負け犬へと変わっているかを観察してみるところから始めてみよう。

次回予告

 次回は競争戦略について解説していく。有料記事をなくしたので1週間お待ちください。では!


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