アイ加速して、果てまで
再生ボタンを押してから数秒で脳が気持ちよさを理解してしまった経験はあるだろうか?
自分はさっき液状化してしまったのではないかと錯覚するほどの快感を覚えてしまった。
その曲の名前は『VOY@GER』
後ほどリンク貼るから見てってください。
遡ること去年の2月、ギリギリのタイミングで行われたデレマスのライブから1年と少し、いつの間にか自分の中でアイマスに対する情熱が冷めていた。
これほどまでにライブの供給が無ければ関心は消えていくのかと不安になりつつも本当に好きなのかどうかすら分からなくなっていたつい先日、去年から言われていたアイドルマスターブランドの5事務所から3人ずつ選ばれたアイドルたちの歌う曲、『VOY@GER』がリリースされた。
アイマスに興味があろうとなかろうと、とりあえずまぁね、ちょっと再生してみてください。この曲が使われたコンセプトムービーです。
見ました?ね?やばいでしょ?
気がつけばそれぞれの事務所のCDを注文し、今日届くまで焦らされる久しぶりの心躍る体験を経て、今こうして全てのアイドルたちの歌うソロバージョンまで聴いて脳や情緒がぐっちゃぐちゃになった状態で記事を書いている。
久しぶりにオタクらしい金の使いかたをしている。かつてはライブBDをポチることくらい造作もなかったのに躊躇いを感じてしまったのは進化と書くか退化と書くべきか。
7700円よ、結論から言うとお前は自分にとってここ数年で最も美しい変態を遂げた。ありがとう。
え?今日でnote連続投稿1周年?知るか。そんな365日間連続で描き続けたことなんかよりもこの曲の方がやべぇんだよ。
さて、さっきの動画の作画、どこかで見た覚えないですか?
そう、作画監督が錦織さんなんです。シンエヴァの作画などを担当された方です。
そしてアイマスとかアニソンに詳しくない方からすれば誰?みたいな感じの方なんですけどこの曲の作詞は烏屋茶房さん、そして作曲はMONACAの井上さんです。
今の日本、いや世界においてトップクラスのクリエイターたちが描く15人のアイドルたちによる最高傑作、全員で歌っている曲が今回のMVでは流れていた。
しかしどうだ、1人ずつ、あるいは各プロダクションのユニット
ごとの曲はどうなるのだろう。そんな疑問を感じた人もいるのではなかろうか。
そんな疑問を胸に抱いたわたくし長押し、5枚のCDと共にVOY@GERさながら音の海へ潜航していきました。
感想を一言でお伝えしましょう。
今日が命日でいいや。もうお通夜でこの曲流し続けてくれ。もうそれでいい。
全てが見えた。鼓膜越しに流れ込んでくる振動による副産物によって頭はスパークし、曲に込められた溢れんばかりの喜ばしい殺意によって魂は全てを超越する。死すらも完備な響きとして認識してしまいかねない脳を狂わせるテクノポップ。
これが涅槃か。これがかのNIRVANAか。そうなのか。そんな曖昧な感覚に包まれ、ここ数ヶ月の汚れが全てこそぎ落とされた感覚。今座っているここが菩提樹だったのかもしれない。そう感じさせられてしまった。
長すぎますかね。今の自分にとってはこれくらいまでの文量が一言なんです。一言。
ここからは各プロダクションごとの感想を書いていきましょうか。
アイマスのブランドでは現在5つの事務所、それぞれ765プロ(ナムコプロ)・346プロ(ミシロプロ)・ミリオンスターズ・315プロ(サイコープロ)・283プロ(ツバサプロ)が存在し、今回は3人ずつこの曲の歌唱メンバーとして選出された。
吉本興業とかワタナベプロとかUUUMみたいなものだと思ってください。
つまりは今回の曲は正真正銘のドリームマッチ的な企画なんです。そんな感じの認識で大丈夫です。もし興味が出てきたら適当に調べるかコメントください。
それではここにきてやっと曲の感想を書いていきます。
全体版はもう間違いなく素晴らしいものでしたが、それぞれのプロダクションの曲を聴くと少し物足りなさを感じてしまうものでした。
全部がおいしいビュッフェスタイルのお店が全体版で、その並んでいる一品ずつをさらに尖らせたものが各プロダクション版といえば分かりやすいかと。ちょっとずつ食べてもおいしい。でもそれぞれをがっつり食べるとそっちの方がインパクトが強い。そんな感じ。
まずは765プロからですかね。(左から菊池真・天海春香・四条貴音)
やっぱりもうこの御三方は間違いないんです。ポケモンにおけるヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネ、光の三原色であるシアン・マゼンタ・イエロー、ラーメンにおける固め・濃いめ・辛め。何かを構成するために存在する三本柱、それこそがこの765プロの3人なんです。
間違いがない、そして果敢に挑戦を続ける姿勢。全てが最高傑作と捉えて問題がない美しさ、おそらくこの曲から調和という言葉が生まれたのです。
そんな間違いのないテイスト。良くも悪くも「入門編」として勧められる至極の一曲。
次は346プロ。(左から久川颯・塩見周子・新田美波)
私が一番好きでアイマスの沼に足を踏み入れるきっかけになった事務所です。あの時出会わなければコミケに通い同人誌を書きライブに参戦し…といった狂気に身を染めることはなかったのです。今となってはただただ感謝を。
他のプロダクションとは違ってクール系の属性のアイドルたちが歌う正統派スタイリッシュ楽曲として歌われる本作。
歌っている3人中2人が自分が担当しているアイドルなので贔屓目になってしまうのは仕方ないけれど、とにかく「澄んでいる」んです。音がクリアで耳にスッと入ってくる鋭さがとにかく心地いい。
765版がフルボディのワインだとすると346版はきりりと体を滑る日本酒のような感覚。いつの間にか喉を通り越し、後から酒特有の残り香が鼻に抜けていく瞬間をこの曲はあっさりと叩きつけてくる。そんな一曲。
次はミリオンスターズ。(左から望月杏奈・白石紬・高坂海美)
これは少し複雑で、実質765プロの後発のようなものとして何も知らなければそう考えてもらえると助かります。
そう、後発ということは先代の系譜を辿っているということ。
本家があれば分家があり、本家のテイストを残しながらも王道を少し崩すアンバランスな調和がこれまた美しい。
ギリギリを攻めるコーナリングをしながらも見事なハンドリングで本家の最高傑作に肉薄するハングリーさ。
「これはこれで好き」というよりも、「こっちの方が765版よりも好きかもしれない」と感じる人が間違いなく生まれる一曲。
そして唯一の男性プロダクションである315プロ。(左から黒野玄武・鷹城恭二・古論クリス)
他のプロダクションが比較的若い女の子によって構成されているのに対して、こちらは色々な場所で働いていたけれども違う夢を見つけてしまった男たちによるプロダクションであり、少々「骨太」なテイストとなっている。
イメージとしては若い頃の嵐と今の成熟したV6を足して2.4くらいで割った感じでしょうか。キンプリのような華やかさでもなくセクゾのような落ち着きでもない、そんな感じのイメージならわかりやすいでしょうか。
そんな315版、つまりは男性ユニットであることから全体版では浮くのかと心配をしていたけれどこれがまた驚くことに315プロの存在感を示すと同時に全体の曲を締めてくれてそれはもう重厚な曲のトーン作りに一役買ってくれてるわけ。
いい意味で「浮いている」男性ユニットとして最大限のシナジーを生み出した315プロ。じゃあ単体ではどうか?となると、これが全体版とはがらりとイメージが変わってそれぞれ異なる力強さが螺旋を描き、さながら3本の矢のごとく強靭で途切れることのないメロディーを練り上げてくれた。
これを聴いた瞬間、自分にとってのベストが決まった。315プロ、あなたが文字通り最高でした。
わたくし長押し、性別は男性でありますがこの曲を聴いて数分間、間違いなく自分の性自認を女性と思ってしまったほどの人間讃歌を感じさせる「男らしさ」に惹かれてしまった。
もしかして今自分は彼らによって受胎してしまったのか、いつか倫理か歴史で習った処女懐胎の文字が頭を駆け巡る。あの瞬間、確かに自分はあの3人による子を宿していたのだ。
自分でも意味がわからないことを書いているけれど、そうなんです。最初の数秒における歌詞によって頭が一度真っ白になる。脳をガツンと揺さぶられる兵器の爆心地に立つ。そんな体験をしたければ315版を騙されたと思って買ってみてください。
最後に一番最近にできたプロダクションである283プロ。(左から黛冬優子・浅倉透・有栖川夏葉)
他のアイマスブランドとは違ってパワプロのような育成がメインになっている育成ゲームとして有名です。
5つのプロダクションのうち唯一映像化されていなかった(アニメ化されていなかった)この283プロことシャニマス、先ほどのMVによって初めて担当が歌って踊っているのを見て自分でも驚くくらい変な声が出た。
そんなことはいいんです。曲の紹介に移りましょう。
他の4つとは一線を画する出来。比較的最近生まれたプロダクションであることからそれぞれのアイドルたちの息遣いや発音に微妙なこだわりの節々を感じられる楽しさ。
クールさとキュートさがくどくない絡みを魅せ、飽きることのない新鮮な体験を運んでくれる。そんな曲。
最近になって流行ってきているアイドル的な声のトーンのアイドルと真っ直ぐな正統派とも受け取れるトーンのアイドル、それをうまく調整するかのように緩衝材になる芯の通ったアイドル、三者三様の我の強い個性が上手にきっちりと三等分され乗算されていくクライマックスのサビはインパクトが他の4つと比べて最も大きいものではないだろうか?そんなことを感じてしまう一曲。
はい、ここまでお付き合いくださりありがとうございました。ひとまずこれが全ユニット曲の感想です。
我ながら読ませるための文章ではなく書きたいことを書いて読みたければ読んでもう気持ちで書いた記事、いかがだったでしょうか?
おそらくこの1年間毎日書き続けたnoteは今日この日の感想を書くために存在していたのではないかと考えさせられる数時間でした。
自分が狂わされた存在の美しさをありとあらゆる言葉を尽くして言語化するある種の贅沢な時間、もしかすると去年の今日noteを始めたのは運命やもしれんのです。
それぞれのソロバージョンの感想になると予備知識が絡んでくるものになってくるので機会があればやります。
そんなわけで本日のnoteは以上です。この一言で終わるのも粋ではない気がするけれど、ここは一つこれで締めましょう。
アイマス最高!!