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なぜ心配事の9割は起こらないのか

心配事の9割は起こらない、と言う。が、これは少しあやしい。

明日の商談、うまくいかなかったらどうしよう。テストに落ちたらどうしよう。プレゼンでうまく話せなかったらどうしよう。癌になったらどうしよう。老後破綻したらどうしよう。

こうした悩みを持っていたとしても、結局9割は杞憂で終わるらしい。
だから、「心配事など持たずに何も考えずにポジティブに生きよう!」というのは短絡的な思考かつお花畑すぎる浅はかな考えであると思う。

なぜ、心配事の9割は実際に起きないのか、その理由についてもう少しだけ考えていないからだ。

そもそもなぜ心配事が起きるのか。それは自分が気にかけていることだからだ。テストで良い点をとりたいからテストで落ちてしまうことが不安になるのだ。そして、その不安を抱いた時点でおそらくその人はその不安を払拭するための行動、つまりこの場合であれば学習に手をつけているのだ。

老後破綻を気にしている人はその不安を取り除くために30代からの資産形成に励むであろうし、癌になることが怖ければ食生活などの見直しを行うだろう。

そして結果的に心配事の9割を起こらなくさせているのだ。心配事の9割は偶然起こらないのではなく、その心配をなんとか取り除こうとする自助努力によって意識的か無意識的にかかわらず、「起こさないように」しているのだ。

そもそも癌になることを気にしない人は、心配さえもしない。したがって、仮に癌になったとしても、癌になることはその人にとって心配事ではなかったため、結果的に心配事は起こっていない。

心配事が起きない理由は、普段から色々と心配をしているからなのである。色々と日常の中で気を配り、心配をしているからこそ、心配事が起こる前の予防策をとることができ、結果的に心配事が起こる事態を起こらなくさせているのである。

心配事は良いことだ。能天気に生きるより、不安と心配事に囲まれて生きよう。きっとそっちのほうが良い生活を送れるはず。

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