行政書士の長岡です。専門用語などを300文字程度で解説してAIと対決してみるシリーズ、第8回は「技能実習と特定技能の違い」について。
今回のお題(AIへの指示)
#技能実習と特定技能の違い
技能実習制度と特定技能制度の違いについて説明する
##要件
・文字数は全体で300文字程度で
・外国人材に現場で働いてもらいたい企業の経営者向けに
・行政書士と社労士の実務家として説明する
・専門家でなくても理解できるように説明する
わたくしの説明
技能実習と特定技能は、いずれも外国人労働者が日本の現場で就労可能な在留資格です。ただし、技能実習制度の目的が「途上国への人材育成を通じた国際協力」であるのに対して、特定技能制度の目的は「日本の労働力不足の解消」であることから、様々な点で違いがあります。
技能実習は、外国人材を受け入れた機関が詳細な計画に基づく育成をして、3年から5年かけて責任を持って育てた後は、母国に送り返すのが原則です。
これに対して特定技能は、建設分野を除いて計画不要で、転職も可能です。また、特定技能2号は期間の上限なく在留可能で、家族を呼び寄せることもできます。
技能実習は転籍制限等の問題点が指摘されているため、今後は発展的に解消して特定技能の前段階として整備される予定です。
(325文字)
AI(Bard)の説明
わたくしの感想(Bard)
めずらしく文字数の制限を守ってきましたね。ただ、2つに分けられてしまったのが残念です。毎回毎回、指示出しに苦戦しております。
ちなみに、「入国前に特定の技能を習得していなくても受け入れることができます」は誤解を生む表現だと思われます(3級程度の技能が必要なので)。あと、「技能実習を良好に修了した外国人材は、特定技能1号の在留資格を取得」も説明不足ですね(1号修了ではダメなので)。
AI(ChatGPT)の説明
わたくしの感想(ChatGPT)
「プログラム」という表現は思いつきませんでした。なんか新鮮です。報酬に関しては、ちょっと疑問が残る説明になっています。あと、特定技能で正規雇用(無期雇用)を前提としているのも、ちょっと違和感ありますね。
どのあたりの情報を基にしているのか気になるところです。
しかし、ChatGPTにしてはめずらしく、「特定技能試験を合格」という不自然な表現が出てきましたね。
まとめ
どちらのAIも指示を踏まえた回答を出してくれているように感じます。これに対してわたくしの記述、受入れを検討している経営者向けなのに、要件に関する説明が皆無です。じつをいうと、自分の説明を作ってからAI向けに指示を考えておりますので、そのあたりの食い違いは許してください。
ちなみに、私が今後の予定についても触れているのは、「AIにはこれ書けないだろう」みたいな対抗心からではありません。
(強調
アンケートのお願い
Twitter(X)でアンケートをとりますので、ご協力いただけるとさいわいです。
おまけ(AIによる添削)
あなたは行政書士と社労士の資格者です。
技能実習制度と特定技能制度の違いについて説明した「本文」を読んで、次の2点を提案してください。
なお、本文は「300文字程度」という条件で説明しています。
・不適切な部分
・改善案
##本文
(略)
Bard
じつは私も、「途上国への」という表現はちょっと違和感あったのですが、次に続く「日本の〜」と合わせるために無理やりまとめてみました。まあ、そこに気づいたわけではないようですが……。
全体的に、より正確な表現に修正される傾向があるように感じます。あと、Bardはとにかく回答が長いですね(冗長)。
322文字になったことに対して言い訳していますが、「あんたいつも平気で400文字オーバーしてくるでしょ」と思ったのはここだけの話です。
ChatGPT
これは……やられた感ありますね。(受入企業の経営者にとっては正直どうでもよいであろう)制度の目的をばっさりと切り落として、300文字以内でうまくまとめてくれました。無料版でも、うまくハマるとこれだけの効果が発揮されるようです。まあ、この解説にも微調整は必要だと思いますが。
おまけのまとめ
今のところ、ChatGPTのほうが効果的な気がしております。Bardは説明が長くて扱いにくいので、そのうちBardは外してChatGPTの無料版と有料版の比較に変えてみようかなと思い始めております……