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相談相手となるデザイナーになりたい

「デザイナーとしてこれから何ができるか」そう考えることが最近増えました。理由としては、「デザイン」をする人が増えてきたからです(クオリティは抜きにして)。ことグラフィックデザインに関してはロゴを作るサービスや作る人たちが増え、チラシなど紙媒体も自前で作ってしまうという方たちが増えている。またチラシなど作らずともSNSだけで告知するだけで効果が得られるので、スマホで撮影したイメージ写真が1枚あれば良いということも増えていると感じます。それをわざわざデザイナーにお願いするという流れはコストやスケジュール的に考えて不要ということになっていると思います。

クオリティよりスピード

また、時間をかけて何かを作るというよりスピードを重視しクオリティはそこまで高くなくて良いという考え方も現在では定番な考え方になっているように思えます。時間をかけた分コストも上がるのであれば時間もかからずコストもかからずスピードが優先されるのも考え方としては自然の流れのような気がします。良い悪いを抜きにし、クオリティが低い分劣化スピードも上がり消費サイクルを上げた方がクオリティが高く消費サイクルが鈍いものより多くの消費機会を得られるので前者を選ぶのも理解ができます。

何かを作る前提でデザイナーに声がかかる

当たり前のことだがロゴを作りたいと思うからデザイナーを探して声をかける。しかし、よくよく考えるとロゴがなぜ必要なのかを考える必要がある。「新しいブランドをつくる」「ブランディングしたい」など、作る前の前提を考えるところにデザイナーはいないことが多いです。なのでデザイナーに話が来た時点でなぜロゴ作るのですかと質問すると逆になんでそんなことを聞くのだろうと双方が混乱してしまうので、デザイナーは素直にロゴ制作に取り掛かると思います。

相談相手になりたい

デザイナーとして何ができるかを考えた結果、「相談相手」というところが一番しっくりくると感じました。デザイン発注を前提ではなく、「こういうことをしたいんだけどどう思う?」「新しいブランドを作ろうと思うけど話聞いてもらえる?」などコンサルティングに近いイメージですが違いはデザイナーとしての視点で相談に乗ることです。業界的にはクリエイティブディレクターというものが近いのですが、「ディレクター」という言葉はあくまでテレビや映画業界のイメージがまだまだ色濃いので、ここではあえてクリエイティブディレクターという言葉はあまり使用しないようにしています。

デザイナー視点で相談に乗る

どう展開していくか、どう形に落とし込むか、どう次に繋げるか、ブランドイメージにどう沿うようにするかなど話合いひとつひとつをみえる形にしたり整理していくことがデザイナーとしてできることかだと思っています。
また、コンサルティングのように聞かれた質問に対して一つの答えを出すというより一緒に答えを導き出しプロジェクトを成功に導いていくイメージが近いです。イメージとしては半分社員で半分外部ぐらいのスタンスです。

ディレクション不足

一つのプロジェクトに対して担当の人がデザインはここ。webデザインはここ。撮影はこの人。印刷はここ。など個々にお願いすることでコストは抑えられる一方で、逆にバラバラなイメージで返って損しているイメージも感じます。どの分野にしてもやはりディレクター(監督)がいなければまとめたり整理をしたりすることはできません。これは担当の人が悪いのではなくディレクターという存在とディレクションにはスキルや経験が必要であるという認識が世間的(日本)に少ない印象を受けます。またディレクションとは「取りまとめる」「進行管理」のイメージがありますが、それはあくまで一部のことで最大の目的は「目的地への先導」です。またクオリティやブランディングのブレがないかを管理するのもディレクションする上で必要なことと考えます。

相談相手×デザインディレクションが今後の鍵

まとめるとデザインはオペレーションではなく、その上の段階から始まっているので、そこから関与する必要があります。なので、経営者やプロジェクトリーダーの相談相手となり話を聞き共に答えを導き出し最適なデザインを目指してデザインディレクションを行う。これがデザイナーとしてやりたいことであり目指すべき姿だと感じています。デザイン経営やデザイン思考という言葉はすっかり風化してしまったが、「デザイン」はまだまだ世の中には必要だと感じます。

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