ものづくり視点で考える自炊時短術
突然ですが、このグラフをご覧下さい。
これは私のXアカウントで行ったアンケート(回答数:13票)の結果です。
このグラフから大半の方が食事に関する家事(献立作成~買い物~調理~片付け)が予定通り行えなかった経験があることがうかがえます。
また、似たようなアンケートではありますがこのような結果も出ています。
献立作成や買い物、料理をしようと考えていた時間になっても献立か思いつかなかったり、食材が調達できていないケースはどの程度の頻度であるかをアンケートしました(回答数:18票)。
かなり時間に追われている方が多いようですね。
そこで今回は食事に関する家事全体を通した時短術についてものづくりの世界の考え方なども交えて取り上げてみたいと思います。
理論編~ムダを省く~
いきなりですが、ものづくりの世界(工場など)での時短や効率化について考えてみましょう。
「料理の時短術が知りたいのになんか思ってた記事と違うな、他の記事を読もう・・・」
そう思われたかもしれません。
ただ、ものづくりの世界での時短術と料理の時短術の根幹をなす理論は共通しています。
まずは理論からお話をさせてください。
ものづくりの世界の考え方
ものづくりの世界ではあらゆるものに対して時短や効率化を求められます。
・使ったものは所定の位置に片付ける
・整理整頓をして作業しやすい環境を整える
・余計なもの、不要なものは処分して必要最低限の道具などで作業する
・作業マニュアルに従って作業を進める
・作業の待ち時間が生じないように工夫をする
・作業動線を短くする
・やらなくていい作業はしない
・作業しやすい姿勢で作業をする
このようなところでしょうか?
これらのもととなる考えが「物を減らす」、「定位置化」です。
ものが多ければそれだけ場所をとってしまい、目的のものを見つけ出すのに時間がかかります。
また、大きなものが床に置いてあれば移動をするにもそれが邪魔になって動線が長くなってしまうことも考えられます。
定位置化とはそのものを置いておく場所(収納場所)を決めておくということです。
よく使うものは取り出しやすい場所へ、あまり使わないものは奥の方へと収納します。
収納場所を決めておけばどこに置いたか探し回る必要もなくなりますね。
日々の作業の中でムダを見つけて改善策を考え、その改善策を実施します。
その改善策の効果を見たうえでさらなる改善策を考えていくというサイクルを回していきます。
このような考え方をPDCAサイクルと言います。
これは今回のムダを省くという事に限らずあらゆる事柄に対して改善策を練っていくときに役立つ考え方です。
三現主義
三現主義の三現とは「現場」、「現物」、「現実」の3つの「現」のことでです。
これは家庭においても言えることだと考えます。
ただ、先ほどの文章のように部下から責任者へ報告があるケースよりは家庭で食事に関する家事を担当されている方が直接問題点に気づくケースの方が多いのではと思います。
だからと言って三現主義が適応されないという事は言えないと考えます。
今回ここで紹介する時短術や本やネット検索で得られる時短術の大半はケースバイケースであなたにとって使い物になったりならなかったりするのではないかと考えています。
つまり、あなたの調理スキル、キッチン環境、買い物環境、家族環境などを踏まえたうえで(→三現主義)自分に合った方法を実践していただければと思っています。
探さない・考えない・迷わない
「探さない」というのは頻繁に使う道具などを常に手元に置いておき、すぐに取り出せるようにするという事です。
料理の場面で考えると頻繁に使うお玉やフライ返しなどは引き出しなどにしまわずに壁掛けなどの形で出しておくという事です。
ちなみに実際に壁掛けなどの対応をしている方の割合は4割程度でした(回答数:10票)
「考えない」というのは事前に作業内容を予習して作業に取り掛かるという事です。
買い物に関しては事前に買いたいものを書き出しておくということですね。
ただ料理そのものに関してはこのようなアンケート結果が出ています。
レシピを確認しないと作れない料理を作る場合どのようにレシピを確認するかといったアンケートを取りました(回答数:10票)。
選択肢は
①「料理を始める前にレシピを確認するだけでできる」
②「料理を始める前と料理中にしっかり確認する」
③「料理を始める前と料理中に補助的に確認する」
④「料理を始める前にはあまり確認せず、料理中に確認しながら進める」
を用意しました。
その結果、最も多かった回答は②「料理を始める前と料理中にしっかり確認する」でした。
この結果を踏まえると新しくチャレンジするような料理の場合はレシピを確認しながら料理する方がよさそうですね。
「迷わない」というのは作業に取り掛かった後に材料の不足に気づいてどのように対応するか迷わないようにするために事前に在庫の確認をしたり補充をするということです。
冷蔵庫にあるものでアルモンデ料理を作ろうと思っても迷って献立が決められなかったり、お店に買い物に行って何を買ったらよいか決められなかったりというのもありますね。
実践編~整理整頓~
先ほども出てきた通り「物を減らす」、「定位置化」が大きなポイントとなるため整理整頓についてお話をしたいと思います。
今回この記事を書くにあたって調べた参考文献には時短よりも前に家全体の整理整頓、片付けから始めましょうといったことが書かれていました。
先ほども触れた通りものが少なく、必要なものが適切な場所に整理整頓されて収納されていればおのずと時短にもつながることはご理解いただけるのではないでしょうか?
スペースの確保
それではキッチンで料理をするときのお話しをしたいと思います。
これは理想の話にはなりますが、キッチンは冷蔵庫から取り出した食材や食器を一時的に置いておく準備スペース、まな板や包丁を使って作業をする作業スペース、盛り付けをするための配膳スペースが必要になってきます。
現実的にはこれらのスペースを別々に確保するのは難しく準備スペースや作業スペースが片付いたら配膳スペースに切り替えて使うという方も多いと思います。
そのためには使い終わったもの(一部だけ使った食材の残りや調理器具)はいらなくなったら片付けてスペースを空ける必要があります。
一人暮らしの方なら8割の方がA4用紙4枚分までのわずかなスペースをこれらに充てているとされています。
不要なキッチングッズ買ってませんか?
欲しいと思って買ったキッチングッズや調理家電など最初のうちだけ使って後はほとんど使わなかったという事はありますか?
こちらは回答数7票のアンケート結果ですが、このような経験のある方は多いようです。
このようなキッチングッズなどは使わないのであれば思い切って断捨離をしましょう。
キッチンの引き出しから使いたい調理器具を取り出そうとしてもそこに一緒にしまってあるこまごまとしたキッチングッズに埋もれていれば探し出すのに時間をとられてしまいます。
100均やホームセンターなどには便利グッズがありますが「本当に必要か?」と考えたうえで購入することをおすすめします。
と言いたいところですが、「本当に必要か?」は実際に使ってみないと分からないことが多いと思います。
私自身いくつものキッチングッズを断捨離しました(;^_^A
実践編~ルーティン化~
ルーティン化とは
ここでは食事に関わる家事だけでなく、仕事や家事も含めてルーティン化という考え方についてお話します。
ルーティン化をざっくり説明するなら毎日何時にどの順番で何をするか決めるという事ですね。
献立をいつ考えるのか、買い物にはいつ行くのかといったことです。
家事のルーティン化ができていれば取り立てて段取りを組んで家事に取り組まなくてもやるべきことはできるようです。
ただ、急用が入ったり休憩時間(テレビやスマホなど)を取りすぎなければという条件付きではありますが。
私のXアカウントで行ったアンケートでもこのような結果が出ています(回答数:10票)。
断言はできませんが、その都度段取りを考えなくてもルーティン化ができていれば問題なくできる場合が多いと考えられるのではないでしょうか。
ルーティン化の具体例
すでにお話した献立を考える時間や買い物に行く時間を固定するのもルーティン化のひとつですね。
他にも前日の夜に翌朝の準備(前日にやってしまっても問題のない作業)をしてしまうというのもありますね。
ご自身もお勤めの場合、平日の朝はできるだけ家事を少なくしたいとお考えではないですか?
また、夕食に関しては買い物でスーパーに立ち寄ったりして帰宅時間が20分遅くなれば夕食の準備に取り掛かる時間も20分遅れるという事になります。
これが小さな子供のいる家庭なら「お腹が空いているのにご飯がまだ食べられない」と不機嫌になってしまいます。
そこで不機嫌になった子供の対応をしていたらますます時間をとられてしまいますね。
先ほどお勤めをされている方の平日のルーティン化について触れましたが、休日には緊急を要さない用事をまとめてやってみましょう。
食材のまとめ買いや作り置きづくりです。
ただ、理論編でも触れた通りこれらのやり方は個人個人で向き不向きがあります。
試してみて向いていないと思われたならやり方を変えてみることをおすすめします。
実践編~献立作成~
献立作成で悩まれている方は頻繁に見かけます。
献立の立て方
すでにこれまで公開させていただいたこの二つの方法も時短術になると思います。
1つ目は献立をイチから考える方法です。
そのため冷蔵庫の余り物食材をもとにして考えるには向いていません。
お店で買った食材を1回の食事で使い切れるような3、4人以上の家族向けです。
一方、2つ目の方法は1、2人家族でも余り物食材から献立を立てることができるので少人数向けです。
詳細はそれぞれのページをご覧ください。
他にも既存の献立集を参考にするという方法もありますね。
献立集に関してはこのようなものも作っていますので良ければ参考にしてみてください。
また、過去の献立を参考にするという方法もあります。
これについてはこちらの記事をご覧下さい。
これら以外に曜日によってパターン化させるという考え方もあります。
めん類の日や丼物の日、お肉の日やお魚の日というパターン化ですね。
そのように決めておけばメインは決まりやすいですね。
他にも実際にお店に行ってそこで献立を考えるという方もいますね。
献立の決め方についてもこのようなアンケートを行ないました(回答数:9票)
最も多いのが「冷蔵庫の中身を見て考える」でしたが、「お店の商品を見ながら考える」という回答も約2割ありました。
お店の商品を見ながら献立を考えるという事に対して私個人的には店内の騒がしさで集中力がそがれてまともに考えることはできなのだろうなと考えていました。
しかし、実際にアンケート(回答数:25票)をとってみるとこのような結果となりました。
なんと約9割の方が周りが騒がしい状況でも献立を考えることができるということでした。
献立を決めるために考えたり悩むことでタイムロスを招いてしまうのではと考えていたのですがケースバイケースで取り入れた方が効率の良い場合もあるのではと見方が変わりました。
「その時の気分」と「家族のつまみ食い」
献立に関するアンケートをあと二つ紹介したいと思います。
1つ目はその時の気分で事前に決めていた献立を変えることがあるかアンケートしました(回答数:13票)。
また、献立を考えて食材を準備していたのに家族に勝手に食べられてしまったという経験はないでしょうか?
ということでこのようなアンケートも行いました(回答数:9票)。
ここでは勝手に食べられてしまう「つまみ食い」を取り上げましたがその逆もありますね。
日持ちのしない食材を家族が買ってきたり、大量の食材のおすそ分けをもらうような場合です。
田舎在住の方を対象に取ったアンケートでは野菜などの食材のおすそ分けは「よくある」、「たまにある」を合わせると8割となっています(回答数:10票)。
これらの結果をもとに考えると、事前に献立をまとめて考えたとしてもその時になれば献立を考え直さなければならないケースも出てくることが分かります。
考え直す分だけムダな時間が生じてしまうということです。
このようなことも踏まえたうえでまとめて献立を考えるべきか、その都度献立を考えるべきかの判断材料にされてはいかがでしょうか?
実践編~買い物~
お買い物メモ
事前に何を買うかメモをしておくことで何が必要だったか考えながら買い物をする必要がなくなります。
これから作ろうと思っている献立の材料、台所用品や日常消耗品などのメモですね。
これらを「買わなければ」と思った時、どのようにメモを取っていますか?
気づいた時に冷蔵庫に貼り付けたホワイトボードにメモする、メモ用紙にメモする、スマホのメモ機能にメモするなど人それぞれですね。
それとも買い物に出かける前に思い出してメモをされているでしょうか?
ちなみに今回行ったアンケートでは使っている方がいなかったのですが、AIスピーカーに「お買い物リストに登録しておいて」と話しかけるという操作だけでメモ代わりにこれを行っている方もいます。
またメモの書き方にもコツがあります。
お店によって多少の違いはあるかもしれませんが、入り口から野菜・果物、日配品、魚、肉、惣菜、パン、飲料が外周にあり、内側に乾物やお菓子、瓶詰、缶詰、インスタント、レトルト、冷凍食品などがあるような形ではないでしょうか。
メモを書く時にもこの様にカテゴリー分けして店内配置の順番に書くのです。
そうすれば店内をあちこち歩きまわって無駄な時間を費やす必要もなくなります。
電話で商品の取り扱いを確認する
普段どのようなお店でお買い物されますか?
規模の小さいお店でしょうか?
それとも珍しい食材なども扱っているような大きなお店でしょうか?
もし「いつもと違った珍しい料理を作りたいけど、この食材や調味料いつものお店にあるのかな?」こんな風に思った時にはお店に行って探すのではなく、お店に電話して直接取り扱いや在庫状況を聞いてみましょう。
もしそこで取り扱っていないのなら他のお店に電話してみましょう。
これを自分の足を使って移動していたらかなりのタイムロスですね。
会計
会計は現金払いよりもクレジット払いや電子マネー払いのようなキャッシュレス決済だと時短できますね。
後者の方が無駄遣いをしてしまうという話も聞きます。
ただ、ここでは時短の観点からこの方法をおすすめしました。
会計の観点からするとレジに行列ができるような夕方の時間帯などは買い物に行かないという方法もありますね。
ただ、これはお勤めをされている方にとっては取り組みにくい方法だと思います。
マイかご・レジかごバッグ
マイかごはお店のお買い物かごではなく、お買い物かごと同じサイズの自分で購入したかごのことです。
それを会計時に店員さんに渡してバーコードをスキャンしたものから入れていってもらいます。
これをすることによって会計後の自分での袋詰めも時短することができます。
レジかごバッグはお買い物かごにしっかり収まるサイズの大きなバッグのことです。
物によっては自立式の物や保冷機能付きのものがあります。
会計前に店員さんにお願いしてバーコードスキャン後の商品を入れる買い物かごにセットし、そこに商品を入れてもらうのです。
こちらも会計後自分で袋詰めのための時間は取られなくて済みます。
ただこれらの方法にもデメリットはあります。
車で買い物をされる場合を想定した方法になると思います。
徒歩での買い物をされる方には厳しい方法になるのではないでしょうか?
収納
買い物から帰ってきたらすぐに冷蔵庫などの収納場所に食材などをしまいましょう。
帰ってきて疲れたから「ちょっと休憩」と思ってしまうとまた作業に取り掛かるのに余計な時間がかかってしまいます。
それまでの流れのまま収納するところまでやってしまいましょう。
冷蔵庫に収納する場合にはこの位置には「これ」といった食材の定位置を決めておくと冷蔵庫を開けた時にすぐにその食材の在庫を確認でき取り出すことができます。
わずか数秒の違いにしかならないかもしれませんが立派な時短術ですね。
ちなみに私のXアカウントで行ったアンケート(回答数:11票)では「常温保存の食品で特に「ここ」と決まった収納場所がなく床などに放置されていることはありますか?」という言う質問に約45%の方が「よくある」と回答しています。
すでにお話したように整理整頓されていることが時短への第一歩となります。
邪魔になるような場所にそのようなものを置かれると通行の妨げとなります。
また、何か他の物を探している時にそれがあれば探し物にも時間がかかってしまいます。
ネットスーパー
子どもが買い物についてくると時間をとられたりすることもありますね。
このことについてもアンケートを取りました(回答数:7票)。
質問の仕方としては「スーパーなどに買い物に行くとき一緒に行動してても負担にならない子供の年齢は?」という聞き方です。
その結果、3歳以上:14.3%、5歳以上:0%、7歳以上:28.6%、10歳以上:57.1%となりました。
人それぞれ考え方はありますが小さい子供と一緒に買い物に行くのは負担があるようです。
時短だけを考えるならネットスーパーも一つの選択肢になるのではないでしょうか?
また、仕事を多く抱えていて忙しい在宅フリーランスさんなどにとってもネットスーパーは強い味方になるのではないでしょうか?
注文の際にはキッチンで在庫を見ながら注文ができます
また、よく買うような商品は購入履歴から選ぶこともできるのでいちいち検索する必要もありません。
ちなみに、食材の買い物のみの目的でお店を訪れた場合の滞在時間のアンケートを取るとこのようになりました(回答数:15票)。
アンケート開始時にはスーパーを想定していましたが、個人商店の場合もあるとのご指摘をいただきました。
そのように考えるとこのグラフをそのままスーパーの滞在時間の結果だととらえるには無理があるようにも思えます。
実践編~段取り~
先ほどのルーティン化のところで「ルーティン化ができていれば段取りは不要」と受け取れるような表現をしましたが、ここでの段取りはそれ以前の基本的なお話です。
そして、段取りに関しては整理整頓と重複するところもあります。
まずはスペースを確保することが第一です。
次に調理に使う食材などをすべて出すことになります。
ただ、準備スペースの関係上すべての食材などを出すことができない場合には臨機応変に対応します。
そして使い終わったものから片付けていくという流れです。
これから切る食材、切った後の食材を置いておくスペースがなければ煮たり焼いたりといった調理を行いながら順次鍋やフライパンに切った食材を入れて調理をしていきます。
すると自然とスペースが空くので調理と同時進行で食材を切っていくのです。
ここでひとつ包丁を使うときの工夫をお伝えします。
あなたが右利きの場合、切る前の食材を左奥に置いておきましょう。
それを左手で取ってまな板の上に置きます。
それを包丁で切るようにしていくと切り終わた物はまな板の右側へ集まります。
もし、切る前の食材をまな板の右側に置いていて毎回左手で右から左へ移していてはまな板の奥から持ってくるよりも手間ですね。
また、まな板上の左側に置いていると切るときに邪魔になってしまいます。
一旦まとめて食材を大きめに切った後さらに小さく切るようなとき(2段階に分けて切るようなケース)は何もしなければ1段階目の終わり(2段階目の初め)の時点で食材はまな板の右側に集まっているはずです。
これを左奥に移動させるだけで作業がしやすくなるのです。
左利きの場合は左右が逆になりますね。
実践編~調理~
ほったらかし調理
炊飯器(調理モード)、魚焼きグリル、電子レンジ、オーブン、圧力鍋、電気鍋などを駆使したほったらかしでできる調理法ですね。
私のXアカウントで行った「いわゆる「ほったらかし調理」を取り入れていますか?」というアンケート(回答数:10票)では「よく取り入れている」、「たまに取り入れている」の合計が8割となりました。
炊飯器(調理モード)を使ったほったらかし調理
炊飯器の調理モードを活用する場合には炊飯の内窯に食材、調味料、水分を入れてスイッチを入れれば様々な煮物やスープができます。
調理モードで煮物やスープを作る場合タイマーをセットすることになりますが、何分で出来上がるかわからないときには長めにタイマーをセットしておき、途中で様子を見ます。
出来上がっていればそのタイミングで調理を終了すればよいのです。
仮に短時間のタイマー設定で調理したものの火の通りが不十分で追加での加熱が必要になった場合を考えてみます。
その場合、炊飯器がある程度熱いと再加熱ができない仕組みになっている機種があるようです。
この問題を解決してできるだけ早く再加熱する方法はありますが、最初から長時間のタイマー設定にしておけばそのような手間もありません。
魚焼きグリルを使ったほったらかし調理
タイマー付きのものなら食材を魚焼きグリルにセットしてスイッチを入れればあとは待つだけです。
物によってはこちらで時間を計る必要のあるものもありますが、キッチンタイマーを使えばさほど不便でもないのではないでしょうか?また、片面焼きグリルの場合は途中でひっくり返す必要があります。
味付けをしないグリル焼きの場合は食材を素焼きにして焼き肉のたれやポン酢などの調味料につけて食べる形になります。
後でも触れますが、特別なソースなどで味付けすることで料理のマンネリを打開できるかもしれませんよ。
電子レンジを使ったほったらかし調理
電子レンジに関してはこのようなアンケート結果がありますのでお伝えします。
電子レンジを温めや解凍以外に使いますか?(回答数:25票)
個人的な感想になりますがかなり活用されているようですね。
ただ、他のアンケート結果に対しても言えることですが、私のXアカウントのフォロワーさんには栄養士さんが多いためそれを反映した結果となっている可能性も考えられます。
電子レンジで仕上げまで行う場合は基本的に耐熱容器に食材と調味料や水分を入れてタイマーをセットして電子レンジ加熱をします。
シリコンスチーマーなら電子レンジにかけても熱くならないのでお勧めです。
ただ料理によっては途中で一旦電子レンジ加熱を中断し耐熱容器の中身をかき混ぜるなどの手間が必要になるものもあります。
炊飯器での調理モードや魚焼きグリルでの調理と比べると手間がかかる場合もあります。
勝間式超ロジカル調理
今回この記事を書くにあたって参考にさせていただいた「勝間式超ロジカル家事」では温度と時間の設定ができるあらゆる調理家電を使いこなして時短をするという方法が紹介されていました。
また、スープを作る場合には水を入れた鍋を火にかけているのと同時進行で電子レンジやスチームオーブンで食材に火を通します。
沸きあがった鍋に事前に火を通した食材を入れればそこからさらに火を通す必要はなく、味付けをするだけでスープが出来上がり時短になるということでした。
ちなみに、電子レンジを簡単に使いこなせるようになるコツというものがあります。
それは600Wの場合、100gの食材につき2分加熱をすれば火が通るという法則です。
厳密には食材によって若干の誤差はあるものの基本的にはこの考えが通用するとされています。
このような調理家電を使いこなす方法は経済状況、キッチン環境などによっては実現困難なこともあります。
また複数の調理家電を同時使用するケースもあるため一人暮らし世帯では使用中にブレーカーが落ちるということも考えられます。
私自身一人暮らしですが、調理家電を同時使用して効率的に料理をしようとするとブレーカーが落ちてしまいます。
半調理
半調理という言葉を聞いたことはありますか?
調理工程の途中(切り込みや下味)までを事前にやっておき、食事のタイミングで仕上げるというものです。
事前に切り込みだけをしておくことを切り置きということもあります。
休日にまとめて半調理を作り、平日に加熱をして仕上げるようなイメージです。
忙しい平日の調理時間を時短できますね。
食材の下処理に関してはカット野菜や冷凍野菜、水煮野菜なども売られています。
また、ミールキットもありますね。
これらを踏まえて次のようなアンケートを行ないました(回答数:12票)。
自分で別のタイミングに仕込みをした食材(①)、または市販の仕込み済み食材(⓶)を使いますか?
個人的な感想になってしまいますが、自分で別のタイミングで仕込みをした食材を使っている方が結構いるのですね。
余力のある方は実践してみる価値がありそうです。
ちなみに、作り置きも休日に作っておいて平日に温めなおして食べることになるので似たような考え方ですね。
ただ半調理の場合は仕上げの手間がありますが出来立てが食べられます。
作り置きの場合はその手間がない分出来立てを食べることはできません。
自家製合わせ調味料ストック
市販のものではめんつゆやすし酢などがありますが、独自の配合(またはレシピ本などを参考にした配合)で自宅で数回分の合わせ調味料をまとめて作るということです。
実際これを実践している方の割合をアンケートで調べました(回答数:11票)。
自家製合わせ調味料ストックを作っている方は4割にも満たないという結果となりました。
合わせ調味料はそれ1種類で味を整えることができます。
しかし、市販品の調味料類と比べると日持ちがしません。
大家族ならまだしも少人数の家族で期限が来るまでに消費しきろうと思えば毎日同じ味付けの料理を食べなければならないということも・・・。
毎日でも食べたい料理がある場合や家族の人数が多いなどの理由でなければ自家製合わせ調味料ストックを作る価値はないのかもしれません。
ついで切り・みそ汁セット
ついで切りは1回で使いきれない食材があったときにそのまま次回以降の料理のためについでに切ってしまうことです。
煮物をしていたり、レンジにかけていたりで手待ち時間があればその時間についで切りができますね。
ただこの場合次回作る料理が決まっていなければ食材の切り方も決まってこないため決めておく必要があります。
もし、次回何に使うか決まっていないなら「みそ汁セット」を作ってみましょう。
食材はみそ汁に合うものなら何でも構いません。
みそ汁用のサイズにカットしてまとめてジッパー付き袋やポリ袋などに入れておくのです。
そしてみそ汁を作る時にその食材を鍋に入れればOK。
良ければこちらもご覧ください。
米の計量
「ご飯を炊くとき米は何合使うか決まっていますか?」というアンケート(回答数:13票)に対し約7割の方が「決まっている」との回答でした。
それなら時間のある時にジッパー付き袋やポリ袋にいつも使う量を小分けにして入れておけばいいのではないでしょうか?
私は一人暮らしで2キロの米を買っているのですが、毎回最後の方で米が足りなくて困ることがあります。
事前にまとめて小分けしておけば「残りのこれだけは半端分なので次の米を買いに行かなければ」と気づくこともできます。
手間な調理工程のショートカット
一言で言えば「調理科学的には間違っている調理方法を行う」ということです。
具体例を少しで紹介しましょう。
時短のためには
・もやしのひげ根を取らない
・きゅうりを板ずりしない
・根菜や葉物野菜、肉、だし、調味料をまとめて鍋に入れ火にかける
このようなことも一つの方法になるのではないでしょうか?
手間のかかる料理はしない
献立全てを自炊で賄おうと考えなくても構いません。
スーパーのお惣菜や、チルド総菜、既製品、冷凍食品なども上手に利用しましょう。
スーパーのお惣菜に関しては大体どこも似たような品揃えに感じますが、チルド総菜は大きなスーパーではいろいろな種類が揃っています。
また、ここで挙げた既製品とは開封してそのまま食べられるもののことです。
もずく酢、めかぶ、納豆、冷奴、卵豆腐、茶碗蒸しなどです。
冷凍食品では主食、主菜がセットになったものも売られています。
自炊やお惣菜などで副菜を補えば食事としての形を整えることができますね。
他にも魚焼きグリルで焼いたり、レンチンで蒸しただけの野菜や肉、魚に特別な調味料(ソースなど)をかけて食べるという方法があります。
普段から使っているような焼肉のたれやポン酢だといつもと変わり映えがなく味気ないかもしれませんが、いつもと違う調味料(ソースなど)をかけると気分も変わってくるのではないでしょうか?
既製品やお惣菜を温めなおすだけのレンチンはご存知の通りタイマーをセットすれば後は待つだけです。
魚焼きグリルも事前にどの程度の火力や焼き時間が適切かという事が把握できていればその時間タイマーで計ればいいだけです。
ほったらかし調理ですね。
実践編~食卓の準備・片付け~
食器類
家庭によってはこの食器は誰々専用と決めている方もいるかもしれません。
もし食器が誰の物か決めている場合、すぐそこに同じ用途に使える食器があるのにわざわざその人専用の食器を探し出さなければならないですよね。
時間がかかってしまいます。
また洗い物の手間を考えるとワンプレート料理にしたり仕切り皿を使うのもひとつの方法ですね。
他にも四角い食器よりも丸い食器にした方が洗いやすいです。
カトラリー入れ
お箸やスプーン、フォークなどは家族全員分をまとめてカトラリー入れ(食具入れ)に入れておくのもよいでしょう。
カトラリー入れごと食卓に持って行くのです。
カトラリー入れという言葉に馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。
ファミレスなどに行ったときにお箸やスプーン、フォークなどがまとめて入っている箱のことです。
カトラリー入れに全員分の食具を入れて食卓に持って行けば「いただきます」をしたのに「誰々のお箸がない」と言ってキッチンに戻る必要もありません。
トレー
トレーを活用することもおすすめします。
出来上がった料理をキッチンから食卓へ、食べ終わったものを食卓からキッチンへまとめて運ぶことができます。
セルフサービス
料理が完成したら盛り付け、食卓への配膳、食べ終わったものを流しに持って行って洗うという一連の流れをセルフサービスで家族に任せてみるという方法です。
洗い物
洗い物をするときはまず最初に目立った油汚れをキッチンペーパーや新聞紙でふき取ります。
ご飯粒がついているものはお湯に漬けます。
汚れの少ない物から洗って汚れの多い物は後回しにします。
はじめから大量の食器を流しに入れてしまうと食器を洗ったり、すすぎ前の食器を置いておくスペースが取れなくなります。
そのため何回かに分けて洗い物をすると効率よくできるのではないでしょうか?
予期しないタイムロス
子供
子供がいる家庭の場合、買い物のところでもお話したようにタイムロスが生じやすいです。
家事の最中に子供に話しかけられるという事もよくあるのではないでしょうか?
私は育児の経験がないため参考文献の内容をそのままお伝えする形にはなるのですがこのようなことが書かれていました。
子供に「ママ来て」と呼ばれたとき、何か他のことをしながら中途半端に子供の対応をしてしまうと余計に時間をとられるようです。
そのようなときには後回しにするのではなく、その場で対応をした方が良いそうです。
ただ、火を使っている時には注意が必要です。
迷惑な来客と電話
セールスなどの来客や電話でタイムロスすることも多いようです。
こちらは回答数9票のアンケート結果ですが45%の方にこのような来客や電話がありタイムロスが生じていることが分かりました。
迷惑な来客への対応策として考えられるられる方法の一つに「セールスお断り」などの文言が書かれたステッカーを活用する方法があります。
このようなステッカーを玄関に貼っているにもかかわらずそれを無視して訪問販売を行うことは各自治体の条例や特定商取引法への違反に該当する可能性があります。
また、堺市(大阪府)で行われた消費者庁の調査では「セールスお断り」ステッカーを貼ったことで3割の消費者が一定の効果があったと回答しているとのことです。
ただ、調べてみると逆の見方もあるようで「セールスお断り」ステッカーを貼ることで相手にハッキリ断れない人、押しに弱い人と受け取られてしまいターゲットにされやすいという記事もありました。
その記事で紹介されていた対策法のひとつに置き配ボックスがありました。
「何かあれば置き配ボックスに入れておいてください」というスタンスが伝わるため相手はそれ以上なす術がないということらしいです。
次に電話ですが、携帯電話やスマホならどの番号からかかってきているのかわかり、電話帳に登録している相手なら名前が表示されますよね。
そのため不審な電話には出ないという選択ができます。
では固定電話ではどうでしょうか?
固定電話の場合、留守番電話機能付きなら常に留守録設定にしておくのです。
留守電に録音された相手の声を聞いてから知り合いであったなら電話に出るという方法があります。
その他にも有料のナンバーディスプレイを活用する方法もあるようです。
まとめ
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今回は1万4000字を超える大作となりました。
理論編でも触れた通り時短のために大切なことは「物を減らす」、「定位置化」です。
この二つをベースに食事に関わる家事全体を通した時短術をまとめるとこのようなボリュームになりました。
これ以外にも世の中の家事本、家事サイトを見てみるとまだまだいろいろな時短技はあると思います。
ただ、やはり調理スキル、キッチン環境、買い物環境、家族環境などによって向き不向きはあると思います。
理論編で触れた三現主義の考え方が必要になってくるのではないでしょうか。
最後に一つお詫びをしなければなりません。
最初に「自炊時短術」と聞いて料理のテクニックのようなことを想像された方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方に対しては期待を裏切るような内容となってしまいました。
申し訳ありませんでした。
料理を行う上での時短術などについては個別のレシピ動画で詳しく触れていきたいと思います。
レシピ動画自体の公開ペースはゆっくりとした形ですがそちらもご覧いただければ幸いです。
最後にレシピ動画へのリンクを貼って終わりにさせていただきます。
その他自炊関連のお役立ち情報はこちら
献立作成、栄養相談などご依頼はココナラへ
レシピ集などのコンテンツはBASEでも販売しています
参考文献
ラク家事の極意 辻博文 辻友美子
しない家事 マキ
その家事、いらない。 山田綾子
めんどくさがり屋さんの家事術 板垣康子
勝間式超ロジカル家事 勝間和代
簡単!電子レンジの法則 村上祥子
暮らしの最適化 ヨリ
https://www.cao.go.jp/consumer/history/03/kabusoshiki/tokusho/doc/20150610_shiryou1_2.pdf