234:2024年から始めた生存戦略
・2024年、大学卒業してから最も楽しい年だった。
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・自分は大学の4年間を全力で謳歌していた。
・高校の3年間も全力で謳歌していた。
・合算して7年間、こんなに楽しい人生他にないだろと思うくらいの幸せな期間を過ごしていた。
・一転、コロナ禍と共に迎えた社会人生活、人生は地に落ちたようであった。
・幸いなことに新卒の会社では社員寮に入寮し同期に恵まれ、またそれまでの友人たちとの交流も多くあったのでプライベートとしては充実していたと思うが、どうしても社会の歯車でいる時間が辛かった。
・そして周りに人がいたのも社会人2年目くらいまでで、そこから自分自身が転職したり、仲の良い友人は東京からいなくなったりと、それまでのような充実したプライベートも少なくなっていった。
・社会の歯車としてのうだつの上がらない生活が、人生に占める割合を大きくしていった。
・まぁ、大人になっていった。周りが。
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・自分は人間関係に関して世界一幸福な人間であると思い込んでいるせいか、新たな出会いは常にある。
・きっかけは様々で、紹介されたり、なんらかの場所で気が合ったり。
・例えば最近だと、よくヒトカラに行く家の近くのカラオケ屋の店員さんと世間話をするようになった。
・だから別に、以前に比べて孤独になったから苦しくなったのかというと、そういうわけでもない。
・繋がり自体は年々、おそらく加速度的に増えている。
・収入も増えて娯楽の幅も広がったし、遊ぶ人も増えたのだから、楽しい人生であってもおかしくないはずなのだがそれでも高校〜大学の頃の7年間のきらめきを忘れることはできなかった。
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・自分は「大人」になれないのだ。
・いつもなんでも出来ると思っていて、何者にでもなれると思って、今まで過ごしてきた。
・しかしいざ社会人となると、時間が制限されてしまい、社会人としての立ち振る舞いが求められ、大人になることを強制させられた。
・誰から言われたわけでもないのに、お前は何者にもなれないのだと、常に誰かに言われている気分だった。
・子どもでいたい気持ちと大人にならなければならない時間の乖離が苦しく、自分は大学卒業時点で自死したら幸せだったのではないだろうか、と常々思っていた。
・そして自分はそう思っているのに、周りはメキメキと「大人」になっていった。
・仲間が少なくなった。
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・であるので、大学を卒業してからはなにか自分が生きたくなる理由を作らねばと躍起になり、いろいろ調べたり実践したりしたが、少なくとも4年間は不発だった。
・自分が何をやりたいのかわからなかった。そりゃあ、大学まではその人生で充足していたのだから、「やりたいこと」など簡単に見つかるはずが無い。
・その4年間は、大学以前までの日々をずっと懐古していた。
・そうやって、ただただ時間だけが過ぎていった。
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・2024年の4月、noteと自主製作本の創作活動に精を入れ始めた。
・それまでのやっていたことは、「将来金が稼げるようになる」がどこかひとつの目的として存在していた。
・会社員から逃げたいという思いが強かったから、「会社員を辞めても生計を立てれる」が起点で「やりたいこと」を模索していたことに気づいた。
・今年はそのフィルターを壊し、この先どうなるか想像できないけどやりたいと思えそうなことをやってみた。
・言葉を、書く。まとめる。伝える。発信する。
・金などどうでも良かったことに、ようやく気づいた。
・自分が綴った文章が、製作した本が、他者に受け入れられる。
・こんなに嬉しいことは他になかった。
・あぁ、ようやく自分のやりたいことがひとつ、見つけられた。
・まだ子どものままでいて良いのだ。
・自分はずっと、子どものままでいて良かったのだ。
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・そうやって2024年、ようやく自分の生存戦略を考えることができるようになった。
・いっぱい打たれた激しいレイン。やっと掴んだスタートライン。
・今から紡いでいく物語が、自分を明日へと導く。