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デザインと行動心理学

情報設計やコミュニケーションに役立ちそうな、人の無意識な行動心理のキーワードをイラスト付きでまとめてみました。

視線解析

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目は脳とつながっていて、視線と心理状態は結びつきやすい。記憶に関することは左に、未来に関すること右に視線が向く傾向がある。視覚に意識を集中すると上、聴覚に意識を集中すると真ん中、体全体で感じようとするときは下らしい。なので、嘘をつくときは右上をみてしまう傾向がある。ユーザーインターフェイスにおいても「戻る」ボタンが左、「進む」ボタンは右に配置されている。

アフォーダンス

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アフォーダンスとは、環境や形状が与える意味のこと。例えば、ドアの取っ手は前後に開けるものと認識するし、ドアにくぼみがあればスライドして開けると認識する。そういえば、線香花火はヒラヒラに火をつけたくなるので
反対かもと思い調べてみると、ひらひらを持つことで揺れを吸収し火球が落ちにくくなるらしい。線香花火のひらひらは、アフォーダンスよりも重要な機能が隠れていたんですね。

マジカルナンバー

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人が短期的に覚えておける情報の数は3〜5個と言われている。電話番号やクレジットカードなどの番号も数字が4個区切りで表記されることが多い。情報を整理して伝えたいときは、マジカルナンバーを意識してグルーピングすると良いかもしれない。

ジャムの法則

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選択肢が多いと判断力が低下してしまうということ。ジャムの種類によって購入率に変化があるかという実験で、6種類の場合は購入率が30%、24種類の場合は購入率が3%だったらしい。とはいえでは全てにおいて数を減らせば全て良いというわけでもない。選べる選択肢が多いと、少ない選択肢の場合よりも自分で選んだという感覚になるのというメリットもある。

段階的開示

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ユーザーが必要とするタイミングで、必要な情報のみを表示すること。モチベーションに見合った情報を表示することで、ユーザーが適切な判断をできるようになる。人は提供される情報が多いほど判断力が低下する。体験設計では心理的なストレスを減らすことが大切である。

アンカリング効果

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アンカーとは船のいかりのこと。最初に提示されたものが心理的なアンカーとなり、そこから大きくは離れることができなくなること。例えば、高いものが並んでいる中に安いものがあるとお得に感じたりするということである。ミーティングのはじめにアジェンダを伝えたり、与件の整理を共有するなども一種のアンカリングなのかもしれない。良いアンカリングができると効率的により深い議論をすることができる。

エスカレーター効果

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止まっているエスカレーターを登る(降りる)時に感じる違和感のこと。
デザインにおいても、いい意味で期待を裏切ると記憶に強く刻み込まれ、印象に残るものになるということでもある。

初頭効果と終末効果

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第一印象である程度のイメージが形成されてしまうことと、最後に起こったことが強く印象に残るということ。何事も、最初と最後はとても重要である。

希少性の原理

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同じ内容のものであっても、残りが少ないものや、手に入れる手段が限られている場合は価値が高く、供給が過多な場合は価値を低く評価してしまう
心理的なバイアスのこと。招待制のアプリなどはこれを上手く利用していますね。

目標勾配仮説

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ゴールが見えるとモチベーションが上がり、ゴールへと向かうスピードがアップする傾向があるということ。例えばポイントカードでは、10個集めるポイントカードを渡した場合と、12個集めないといけないが、はじめから2つ押してあるポイントカードでは、後者の方がすでにスタートして目標に近づいている感じがするため、継続率が高いというもの。小さな目標を積み重ねて大きな目標を達成する。これは様々な場面でとても大事なこと。


心理学はあくまでも一般論なので、全てに当てはまるものではないですが、意識しておくと、インターフェイスデザインやプロジェクトマネージメントなどにも役に立つこともあると思います。

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