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映画『手』

『ちょっと思い出しただけ』松居大悟監督の作品。
今回観るのは『手』という作品

好きな人に「一緒に観よう」と言われたので視聴。

正直一回見たところであまり理解できないシーンが多かったけど、自分なりに考察してみた。

※ネタバレありです

主人公のさわ子と妹は対極な性格。さわ子は、おじさんが大好きなのに一番身近なおじさんである自身の父親とはうまくいってない。さわ子は、一般人には全く理解できない趣味を持っていた。

"ハッピーおじさんコレクション"という自身で撮った街のおじさん達の写真を切り貼りした写真集のようなものを妹と一緒に作っていた。

そのオープンな性というか好みや価値観の共有しているシーンは、一般的な25歳女性と女子高校生の姿じゃないなと感じさせるには充分なシーンだった。

妹に彼氏ができた時の初夜を迎える際のアドバイスも「最初の頃のHは気持ち良くないよ」と姉から聞いてた。実際にエ●チが始まると最初から気持ちよくて初挿○中に興奮のあまり姉に電話していた。

性に対してオープンな姉妹すぎるw
このシーンは笑うしかなかった。(苦笑い」

主人公のさわ子は青年期のアイデンティティの形成がうまくいかなかったのかな?と思う。高校生の時に同年代と付き合った時は、カラオケで性行為をするなど付き合っていた彼からは、ぞんざいな扱いを受けていた。

数年後に彼と再開した際も、当時と同じカラオケで思い出に浸るように行為をしていた。本当に気持ちが悪い。大事に扱ってやれよ。

小さい頃に父からの愛情をうまく受け取れなくて、その矛先が父と向き合うことではなく、知らないおじさん達に好意を向けていたように感じた。

付き合ったり性行為してるおじさん達の相手には全員代わりの本命の人がいるはず。私じゃなくて誰か、きっと誰でもいい。私の中身じゃなくて容姿、若さや年齢に対して好意を抱いているのも気づいていた。

深層心理的にお父さんを知るためにも、年齢的にも見た目的にも、近いおじさん達を知って少しでもお父さんに近づくヒントが知りたかったのかなぁと思った。

そんなある時、歳の近い同僚と意気投合して付き合うことになった。同時に初めて愛を知った(虚しいけど気のせいだったが)そう思ったのも束の間だった。

同僚の好きになった彼には、わたしじゃなくて本命の別の彼女がいたと知らされる。

その人と結婚するから別れてほしい。
な、な、なんて身勝手な!?最低すぎるよ。

あるシーンで性行為中もしくは事後にメモ用紙に性的な趣向を書くのは面白いけどドン引きだよ。後で勝手にやれよ。(ああいうのがいいのか?)

別れ際も男の方が泣いてて終始気持ち悪かった。男ってこういうもんなのかな?最後ぐらいカッコつけろよ。お前が泣くなよ。

でも、分かんないけどこういう危険な匂いするけど、"私に対してはきっと違う"なんて思わせてくれる男がモテるんだろうな。なんか分かるよ。危険な香りするやつっていいよな。男もバカだから、そういう女の人好きだもん。

そんな彼との別れをきっかけに自身の過去との決別の現れなのか、"ハッピーおじさんコレクション"やそれらに関係する写真を全てゴミ箱に捨てた。


過去と決別したさわ子は言った

「お父さん旅行行こうよ」

仲良い家族とは思えない独特な間があった。しかし嬉しそうにお父さんは言った

「行くか?さわちゃん」

初めて父に名前で呼ばれたような気がしたのかな?きっと父からの愛を初めて素直に受け取った瞬間だった。

照れ隠しをお互いして嬉しそうな二人の表情を映して、最後はさわ子の涙を一瞬写して物語は終わった。


綺麗な終わり方だったと思う。松井大吾監督の作品は理解するのに時間がかかるな。

一緒に観てくれてありがとう。

また一緒にみよう。








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