「頬に睫毛の影が落ち」
「頬に睫毛の影が落ち」という表現がある。
いろんな小説で、この「頬に睫毛の影が落ち」の表現が使われていた記憶があり、誰のなんという作品かは覚えていないけど、3作品ぐらいはあったかもしれない。
わたしは、実際には、人や自分の「頬に睫毛の影が落ち」ているのを見たことがない。
とても睫毛が長い人なのだろう。その人が伏目がちになり、その様子をやや上から見下ろすと「頬に睫毛の影が落ち」るのだと想像する。
実際にはあまり見かけないけど、小説の中ではけっこう出てくる表現や場面がある。例を今ぱっと思いつかないけど、いろいろある。
「頬に睫毛の影が落ち」ているのを想像すると、なんだかとてもいい場面という感じがする。素敵な人と素敵な人の、悲しい、寂しい、別れ際、という雰囲気がある。
言葉だけで表現すると、現実より素敵になったり、盛り上がったり、饒舌になったり、寂しかったりが、現実以上になったり、逆に現実より不足していて、こちらの想像力で補うこともあり、行間を読むというやつもあり、そのすべてが、読むことの楽しさなのだなー。
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