せんせい、あのね
文学フリマに行き、本を何冊か買わせてもらい家で読んでいて、そういえば、同人誌というのを買うのは人生で初めてだな、と思った。
小説を書く前や書き始めたばかりのころ、漫画の同人誌があるのはなんとなく知っていたけれど、小説にもあるのは知らなかった。
本は、大きな出版社から出されているもの、だから本を出したいのなら賞に応募する、という流れを当たり前と思って続けているうちに、文学フリマという催しがあるのを知った。
自分で作った本を、自分で売る。
買う人は、本を作った人から、直接買うことができる。
そうして、おととい実際に買わせてもらった本は、表紙も中の文章も、なんだかぴかぴか光っている感じがした。文章が、文字が、ぐいぐい近い。
本屋さんに並んでいる本もぴかぴかしているけど、また違ったぴかぴかという気がする。
同人誌、やっぱりいいなー、いつか作りたい。
わたしは、誰かに話を聞いてほしくて、文章という形で、ずっとぶつぶつひとりごとを言っているのではないか。
小学校の頃、最初に書く作文は「せんせい、あのね」から始める、と決められていた。
あのねあのね、誰か、聞いてくれる? こんな話があるんだけど、この間さー……
そんな感じで、毎日文章を書いているのかもしれないし、これからも書くのかもしれない。