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【連載】そして音楽は何処へ行く(8) 〜信頼〜

〜前回までのお話はこちら

▪️3回目の音合わせ

「エセプロ・トリオ バンド」として始めて3回目の音合わせをやった。今回は新曲2曲だ。というか2回目に合わせた曲はもうやって無いという・・状況。前回合わせてから3週間ほど経過したのだが。

そんな状況でまずは「POP VIRUS/星野 源」。この曲は原曲のアレンジでほぼ決まってるので、だいたい想像通り。使う音、微妙なタイミングは個人任せ。想像通りに音合わせは進み、上手くできた。今回、K子はギターを持ち込んできた。「エレガット」と呼んでるエナメル弦のギターのエレクトリック・タイプだ。ちゃんと高級なDIに繋でいて、既にLIVEを意識したエフェクト機器も準備万端。本格的にLIVE向けのギターのセッティングをしてきている。

後で聞いたんだが、6月にLIVEに出る予定だそうだ。一人で出るようなので、もう一つの「ギター・ユニット」は終わったのかもしれない。

三人の鳴らす音、楽器構成を考え、相棒のピアノはエレピ音色にし、ギターの演奏と被らないように、少なめの音にしようと相談した。イントロからの冒頭は原曲に忠実にギターと歌だけで始める事にした。サビ以降はビートを聞かせて、ドラムを中心に全体でグルーブに乗せて合わせる感じで音はまとまっていった。1時間くらいあれこれやって、だいたいまとまった感じだ。

相方は2コーラスのサビの途中からジャズ・アレンジのリフを沢山の織り交ぜたアレンジをやって楽しそうだった。

「このバンドは上手く行く」

そんな予感をそれぞれが感じながら、時間はあっと言う間に過ぎていった。

もう一曲は「HONEY/ラルク・アンシェル」だ。こいつはBPMが早い、バリバリのロックだ。

私  「どうする。まずは原曲通りで音出してみる?」
K子「ボサノバでやりたいんだけど」
私 「まじ? 俺も一瞬、思ったけど、ベタだし、リズム遅くなるでしょ」
K子「BPMが早めのボサノバ」
私 「そう? じゃ、やってみるか」「こんな感じ?」

”カッ、カッ、ツカッカ、・カ、ツッカ”

と私がリズムを刻み、それに合わせK子がガット・ギターでリズムを合わせて入ってくる。そして相棒がピアノでコードを乗せてくる。

やってる事はべたなんだが、上手く三人のビートと歌が絡みあって、意外と形になっていく。歌は若干、間延びなメロディーになったがまずまずだ。形にはなってる。ベースのいないトリオ構成だが、相棒がベース・パートとピアノのバッキングをピアノでやってくれて、それなりの形の音になっている。これも楽しく1時間位で演奏は固まっていった。

今回は3時間スタジオをとってる。残り20分くらいで

私 「今度、曲増やすなら、バラードも入れたいんだけど」
K子「私、自分の曲をやりたいんだけど・・」
私 「え? そうなの」

そう言うとK子はギター・ケースから手書きの歌詞とコード譜を我々に渡してくれた。

私 「なんか、音源とかないの? 歌詞とコードだけだと厳しいね」
K子「じゃ、歌ってみるね」

そう言うと、ポロポロとバラード調の曲が始まった。演奏のイメージがあるようで、

K子「2回目のAメロからピアノ、ベースが入ってくる感じ」
  「ドラムはいらないかな」
  「ベースやってほしい」

と言う事で、スタジオに置いてあるベースをアンプに繋ぎ、K子の歌に合わせて、私と相棒はピアノとベースで彼女の歌を初めて聴きながら、音を出してみた。シンプルなバラードなんで1、2回聞けば曲の感じは掴んだ。

私「なんか、歌を録音して音源で頂戴よ、覚えるから」
K子「音源というか、映像しかない」
私「それでいいよ、YoutubeでもなんでもいいからUPして」
K子「もう少ししたらYoutubeにUPする予定」

っという事で、彼女の手書きの「歌詞&コード」をもらって家路についた。後日、彼女から音源が来る事だろう。

そして・・

K子「こないだLINEで5月のライブの日程きてたけど、それに出るの?」
相棒「そうなんだけど、大丈夫?。みなさん」
私 「すまん、決まるの遅いし、GW中で俺、北海道に旅行にいってるのよ」
相棒「え? マジっすか・・、じゃ、出れない?」

帰りぎわ・・・エレベータの中でK子が言い出した

K子「六月のライブ、私一人の予定だったから、それに出ます?」
  「ただ、アコースティック用のライブ会場だから、ドラムは
   無理だと思う」
相棒「じゃ、ベースやったら」

っという事で私は次回からドラム→ベースに転向します。まぁ、別に楽器はなんでもいいんで。三人で合わせられる事が一番大事。

今回で3回目の音合わせだが、お互いの演奏をリスペクトし、出したい音の感じの意見を言い合える仲間である事を確認できたリハーサルが出来たと思う。

これから三人でやっていく「道」が見え始めた。5月のライブは出れないが、それでも三人でのLIVEをやりたいっと思え、信頼感が芽生え始めた3時間のリハーサルだ。

信頼は時間が短くても、「過ごした時間の濃さ」で築く事が出来るんだと思えた。このバンドはきっと上手くいく。次回が楽しみだ。

っという事で「ボサノバ調」ってどんな感じかを次の曲で雰囲気を伝えたい。私の好きだったバンドのこの曲の感じです。





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なーたん
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