見出し画像

【連載】そして音楽は何処へ行く(9) 〜悩み〜

前回までの続きはこちら

実はほぼ同じタイミングでダブル・ヘッダー的に「家族持ち大人バンド」の方の練習もあった。こちらはやる曲は固定化して、全6曲に磨きをかけている最中である。特にDrumの私とVoが加わってから追加した二曲を中心にやっている。

■悩み

 ちょっと、悩み始めている。自分が自由にDrumを叩けるバンドとしては良いのだ。自分は殆ど練習はしてなくても、いつもバンドに参加して自由に叩けば良いだけなのだ。忙しい日々の息抜きとして大人達が集まって、音楽を楽しむ。それはそれで良いと思う。

でもどうだろう? 演るからには、みんな気持ち良くやりたいはず。このまま、何も言わずにこのバンドに参加していても、いつか問題は勃発する気がする。その問題提起を私がすべきか? 悩んでいる。

きっと、うっすらとわかっているが、みな自分が悪者にはなりたくないから、知らぬふりをして、やり過ごしているのかもしれない。でも当人はストレスを抱えて、そのうち脱退という結論になるのではないか? と思う所もある。

それは・・・・、「Voのキーの問題」だ。こればかりは本人がはっきりと「歌えない」と言わない限り、問題は表面化しない。今やってる全6曲で彼女のキーに合ってそうなのは2曲。新曲の2曲は彼女には合ってない。「やさしさで溢れるように/JUJU」を含む新曲2曲は私の選曲だ。これでも、相当キーに気を使って選んだ曲なのだが、キーが高すぎたようだ。私が意見を言い過ぎたのかもしれない。でもみな賛同してくれて、選んだ曲なのだ。それぞれが変な気を使い過ぎると悲しい結末になる。選曲はそれほど重要なのだ。今回はバンドをあまりしらないVoが

「自分ががんばらなきゃ」

っと思って、この選曲を受け入れてしまったようだ。前にスタジオに早く到着した時にVoの彼女も先に来ていて、会話した事がある。

私「どう? 新曲、覚えた? 歌えそう?」
Vo「はい、でもキーが高くて、ちょっと声出ないところが多くて」

っと言ってた。選択は3つある。

1 キーを変えて演奏する
2 彼女が歌える曲を彼女に選曲してもらう
3 このままVoに頑張ってもらう

いまは「選択肢3」が続いている。「選択肢1」はバンド・スコアを見て演奏してる他のメンバーには深刻な問題だ。キーを変えたバンド・スコアは存在しないからだ。自分たちで変換しなければならない。忙しい社会人が趣味の時間を作ってバンドをやってるのに酷な要求である。

「選択肢2」は今、一番可能性としてはが高い。まともな選択だ。引き返すなら、これが良いと思う。これまで練習した曲は捨てる覚悟が必要だ。私は構わないと思っている。それでも、この意見を言うのはある程度の勇気がいる。せっかく曲を覚えてきたメンバーの時間を思うと、申し訳ないと思う。

でも、このまま「選択肢3」を続けて、これからLIVEを演るってことになって、Voのお友達、家族がそのステージを見て、なんと思うだろうか?

「なんか、歌上手くないな。声も外れてるな。イマイチのバンドだな」

って思っても当然だと思う。Voが歌えてないバンドは演奏の価値も下がってしまう。どんなに演奏が上手くても、Vo歌えない曲をやってるバンドを見たら普通のお客さんはどう思うだろうか? そんな恥をさらさせるのは、Voの彼女に申し訳ない気持ちになってしまう私だ。

■イラつき

このバンドのメンバーが固定化しなく、脱退をしていく理由は他にも感じられる事がある。

・Bassがいっこうに弾けるようにならない
・キーボードが音色にこだわり過ぎて、音色の選択に30分以上かかる

まだ、このバンドに参加して3回目だが、先の2つはイラついてきた。曲を決めてから一ヶ月以上は経過している。Bassの問題は私の責任もある。「やさしさで溢れるように/JUJU」は難しい曲なのだ。でも、曲が頭に入ってなくて、弾けてない部分もある。あと、バンド・スコアありきで弾いてるから、原曲の難しいフレーズ以外の応用ができないから、指が動かない可能性もある。私はちょっと、責任を感じてしまう。選曲ミスだった。

「キーボードの問題」は自分のキーボードを持ってこない事に原因がある。毎回、キーボードを店から借りて、スタンドに設置するのに時間がかかるし、音色にこだわり過ぎて、原曲と同じような音色をスタジオで探し始めるのだ。そんなことをスタジオでやってたら、みんなを待たせてしまうのは当然だ。

だったら自分のキーボードに事前に音色を選択しておいて、スタジオに持ってくるべきだ。Myキーボードを持ってないのかもしれない。

私が高校生の頃、キーボードをやってた女性はバンドを始めると言った途端に親に言って、自分のキーボードを買ってもらって、自分で音色をプリセットして、毎回重いキーボードをスタジオに運んでいた。メンバーで交代で彼女のキーボードを持ってあげていた。ハードケース入りで10kg〜20kg近くあったはず。それを電車に乗って運んでいた。

やっぱり、自分のパートなんだから、そういう配慮をすべきだし、責任があると思う。高校生だった彼女がそこまで責任を持ってやってたのに、社会人の大人にそれができないのか? 金銭の問題なのか? ちょっと謎だ。

私「セッティングに時間かかるから、自分のキーボードもってきたら?
  自転車でスタジオに来れる距離なんだし?持ってないのキーボード?」

っと、喉まで出かかったが、飲み込んだ。

流石に3回目の音合わせで、いつまでも音色を探してる姿を見たときは、私は相当イラついて「全部ピアノの音でやれよ」って言いそうになった。二台使ってるのだ。一台はピアノ用。二台目がシンセとして曲のカラー部分に弾いてるのだ。エレクトーン状態だ。だからセッティングが遅い。自分のキーボードを持って来れば解決するのだ。

私はセッティングに時間をかけない。ドラムもセッティングは5分以内だ。位置、高さを直して終了。ピアノを担当するときも、スタジオのキーボードを使うときはピアノ音色、エレピ音色しか使わない。LIVE向けに練習をする時は自分のキーボードを持ち込む。自分の音色セッティングをして置かないとLIVEで希望の音が出せないからだ。それかLIVE会場のキーボードを使うならピアノ音色、エレピ音色しか使わない。どんなキーボードでも、その音色が一番まともだからだ。

そんな非常識なメンバーだから、もともなメンバーは嫌気がさして、辞めて行くのかもしれない。前に食事を一緒にした時に聞いた事がある。

私「前のメンバーはなんで辞めたんですか?」
Bass  「すごいLIVE演ることにこだわってて、張り切ってたんだけどね、
    そのうち、来なくなっちゃって」

っと言ってた。今はその気持がわかってきた。まともなメンバーほど、感じる事があるのだ。

ぐだぐだと今回は「イラついた事」を多く書いてしまって、読者に嫌な気持ちにさせてしまったと思う。でもバンドをやる事の難しさ、メンバーとの巡り合わせ、葛藤を感じてもらえたのではないかと思う。

私がフルメンバーのバンドを最近やらないのは、こういった理由からだ。息の合うメンバーとの巡り合わせは難しい。自分に合う彼女を探す事に近いと思うだからこそ、良いメンバーとバンドが出来る事はミュージシャンにとってはかけがえのない喜びになる。

さて・・この「家族持ち大人バンド」を今後どうすべきか。

このバンドのメンバーは「貧乏クジを引きたがらない人ばかり」なので、思ってる事を口にせず、妙な気遣いをする人達なのだ。(そのくせ自分の事は気づいていない)。私はバンドの事を思って、つい自分の意見をどんどん言ってしまうタイプ。今回は参加させてもらってる気分なので、主張は控えている。

ただ・・・「8月あたりにはLIVEやるように準備しよう」

って話になってきたので・・方向転換するなら、早い方が良い。

今のところ違和感を覚えているのは私とVoの彼女だけだと思う。LIVE前にVoが辞めると言い出さなければ良いのだが・・・私がそこまで気にする必要があるかのか? 知らんぷりでも良いのだが、遊びでやってるんで。Voの彼女の事を思うと、黙っていてはいけないと思うのだ。私は気を使い過ぎか?

「貧乏くじ」引くべきか? 悩むのだ。

という事で今回の曲は当然これです。LIVEでやるとこうなる。



いいなと思ったら応援しよう!

なーたん
気に入って頂けたら、サポートをお願いします。頂いたもので、記事のネタに投資し、更に記事が濃くなって行くように、努力していきたいと思います。

この記事が参加している募集