俺とお前とスガシカオ
録画してあったビデオで見ていたのはNHK-BSで月一で放送される「Covers」だ。MCはリリー・フランキーと池田エライザ。私が見た回は「スガシカオ」の回。スガシカオ自身が番組で色々なアーチストのカバーを繰り広げる回。どうやらこの番組は6年目に突入。
スガシカオのカバーも良かったが、それ以上に良かったのが彼の力の抜けたTalkだ。リリー・フランキーとの力まない会話の中に、スガシカオの音楽に対する愛情が垣間見れたこと。
番組のコーナーに池田イライザに「オススメの曲」を紹介するコーナーがある。そこで、スガシカオが持ってきたのが「ホームにて/中島みゆき」のアナログ盤。彼は中島みゆきの世界観が好きで、この曲の世界観、タイトルも好きらしい。好きなアーチストがいると、その人の曲のタイトルをそのまま使っちゃうところもあるらしい。
番組ではアナログ盤をかけて、そのまま番組で流しているが、アコギの音響処理、中島みゆきの歌声が1970年代の空気感が半端なく、大人はお酒が進む音、歌詞だ。田舎を出て東京で働く人なら誰もが感じる郷愁が半端ない。
スガシカオの世界
スガシカオはサラリーマンを止めてミュージシャンになった男。彼の曲のベースには日本の既成音楽へ挑戦。とりわけ「日本語によるFunk」に心がけている。ダークな歌の世界観も独特。彼の曲の中に必ずと言っていいほど出てくるフレーズ
冷めたコーヒー
これはスガシカオと言えばこのフレーズです。この一言で彼の音楽の世界観を表してます。別に暗い音楽をやってるわけでは無いが、そういう、ややダークな世界観をFunkyなビードに乗せて曲を作ってるアーチスト。
一番有名どころではNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」のテーマ曲「Progress」だ。この番組は10年位やってると思うが、ずーっとこの曲がテーマ曲。この曲=「プロフェッショナル 仕事の流儀」と思い返すほどピッタリの曲。正式にはこの曲は「Kokua」というバンドの曲としクレジットされてる。そのメンバーのスガシカオが曲を書いたという曲だ。
村上春樹とスガシカオ
少し話がそれるが村上春樹の小説には多くの音楽が必ず出てくる。主にクラッシック、ジャズが多い。彼の作品の中で各音楽家について書いた短編をまとめた作品がある。やはりクラシック、ジャズが多いが、その中で唯一、J-POPアーチストを取り上げているのだが、それがスガシカオだ。
一つ前のアルバム「THE LAST」のライナー・ノーツは村上春樹が書いてるらしい。詳しくはコチラ。
結局のこの「Covers」に出てたのはアルバムのプロモーションだと思う。しかし、この番組はマイナーなのでプロモーションとしては相応しくないが、スガシカオがカバーする曲を見られる貴重な番組である事は確か。私みたいな音楽フェチに向けてのプロモーションか?
スガシカオ自体が決して大衆に受ける音楽ではないので、こういう音楽マニア向けの番組がプロモーションに適していると言う判断なのかもしれない。
スガシカオは普通のミュージシャンと一線を託しているのは、音楽をゼロから作り上げてるだけあって、一音一音に魂が込められた音作りをしている。弾き語り一つとってもそうだ。彼のアルバムはどれをとってもそれを感じられる数少ない日本人アーチストだと思う。
3年振りのアルバム
名曲を列挙したらキリがないが、いつか書きたくなったら書こうと思う。
どうやらこの4月に3年振りにニューアルバムが出るらしい。それがこれ
おいおいおい、こんなタイトルでいいんかい?って感じです。番組ではスガシカオは詳しくは話してなかったが、今の思ってる事はこんな感じらしい。池田エライザも「わかります」って言ってました。
なんだが、生きるが難しい世の中だけど、光を浴びて、栄養とって、生き生きと輝け。もっと本能の欲するままに活動しようぜ。ってメッセージなのかな?と思えます。
私もまだ、このアルバムは聴いてません。アルバムからの代表曲は配信されてるようなので、一番最初にLINKを貼って置きました。番組でもこの曲を新曲として演奏してました。
もうすっかり「アク抜け」して悟りの境地にあるスガシカオが「頑張ってる人への応援の曲」だと番組で言ってました。演奏、アレンジは無駄をすっかり削ぎ落とし、忙しいコード・チェンジもなく、センスよくメロディーをあて、きちんと日本語を届けるスタイル。力の抜けたハネモノ8ビートです。
私もアルバムを入手して聴いてみようかと思います。
P.S
おまけですが、NHK-BSのCoversのページに番組出演アーチストのコメント動画がUPされてました。なかなか良いので、LINKを載せておきます。