「ボヘミアン・ラプソディ」をやっと見たよ
昨日ようやく見ました。妻は2回目です。
この映画の全ては「最後の20分間」の為にあると言えますね。ただ、万人受けするかというと・・・難しいかなとも思いました。以下の人にはオススメできません。
・ゲイが苦手
・洋楽が理解出来ない
です。この症状に当てはまる方には効果がないと思います。この基礎事項をある程度クリアできる方には「魂を揺さぶられる程の感動」を与えてくれる映画だと思いました。
▪️パフォーマーにとってのステージとは?
私も多少音楽をかじってるので、ステージでのパフォーマンスとは「アーシストが魂を燃やす最上の舞台」であるという事。主人公となるフレディにはLiveAidのステージが彼にとっては自分の人生を賭けた晴れの舞台となるわけです。それまでのメンバーとの不仲、自分の身に起きる症状、家族との断絶、そう言ったものを全て飲み込み、自身の人生を賭けた20分間のステージに臨みます。どういうわけか選曲、歌詞の全てがこれまでの彼の人生に対する答えのような歌詞を噛み締めながら、そのステージでアーチストとしての魂を完全燃焼させて行きます。
最後の20分間のパフォーマンスの凄さもさることながら、ステージの1曲目となる「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞に注目してください。
それまでの彼の人生を振り返り、この歌詞を見ると泣けてきます。
日本語訳はこんな感じで始まります。
ママ たった今人を殺して来たよ
彼の頭に銃を突きつけたんだ
僕が引き金を引いたら彼は死んじゃった
ママ 人生は始まったばかりなのに
僕はすべてを捨ててしまった
ママ
あなたを悲しませるつもりはなかった
もし僕が明日の今頃戻らなくても
何もなかったように 落ち込んだりしないで
もう遅いんだ 時が来た
背すじがぞっとした
いつも体中が痛い
さようなら みんな もう行かなくちゃ
君たちと離れて現実と向き合うからさ
これまでを振り返って書いた歌詞ではないとは思いますが、彼の人生に照らした時に、この場面で歌う事の意味が彼の人生の中で、今語りたい言葉そのものになっています。魂の最後の燃焼をこの歌詞、曲とともに昇華した伝説のステージとなって行ったんだと思います。
メンバーもこのステージに上がる前にフレディから、彼の病状の事を聞いて、事情をわかってのステージとなります。その歌詞に込められた彼の魂の叫びはメンバーの演奏にも届き、ステージは伝説の熱を持ってパフォーマンスされていきます。
改めてアーチストにとって、ステージとは「生きてきた証を昇華させる舞台」であり、自分の持てる全てを、人生を賭けて燃やし尽くす舞台なんだと認識しました。
▪️魂を燃やして
大晦日の夜「紅白歌合戦」を見ました。例年になく良い番組構成だと思いました。平成最後ということもあり、ユーミン、サザンも参加してました。それ以上にMISIAのステージ・パフォーマンスは今の彼女の持てるパワーを出し切った魂のステージでした。「ちょっと、どうしちゃったんだ?」と思える程のパワーを持ってのステージングでした。
これは私の勝手な思い込みですが、「きっと、ボヘミアン・ラプソディを見たんだろうな」と思いました。フレディのあのステージはミュージシャンなら影響受けて当然だし、アーチストとはステージで最大限の表現を持って、その一度きりのステージをこなす為に魂を注ぐべき存在なのです。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」の全ては最後の20分間で表現されますが、それはアーチストのみならず、普通に暮らす人々にも「魂を燃やして生きる事」を伝える事が出来た映画だったのでは?と思います。
2、3回と見に行くのは、最後の20分間の熱狂をもう一度感じて、自分の魂の扉をノックさせる為に行くのではないかな?と思いました。特に若い方は「自分の魂が震える」という経験はこれまでなかったのかもしれません。それをもう一度感じる為に通うのかな?と思える映画でした。
まだ見てない方は是非「自分の魂の震え」を感じてきてほしいです。自分も人生を完全燃焼して生きて行こうという勇気を貰えるかと思います。