今どき、「ブランディング」にはこう向き合う。
こんにちは、クリエイティブ・ディレクターの上田です。
今回は、主に若いクリエイターの皆さんに「いま、ブランディングがアツい」ということをぜひ、お伝えしたいと思い、筆を執りました。
「ブランディングなんて今さら?」なんて声も聞こえてきそう。
コモディティ感、通り越してオワコン感すらニオってる方もいるかもしれません。
でも、「いま」だからやんなきゃいけないことがある、ってことを話してみようと思います。
マジいま世界変わってっから。
突然ですが、先日「Search 2」(原題: Missing)という映画を見ました。
Z世代の女の子が主人公のサスペンススリラーもので、PCやスマホの「画面(UI)の中だけ」で物語が展開していくという、一風変わった映画です。
私たちの馴染みあるデジタルツールやサービスが登場し、テンポもストーリーも心地よくてとてもオススメなのですが‥
映画の楽しさと同時に、この映画がまざまざと見せつけてくれるものがありました。
それは、デジタルですっかり様変わりした「私たちの日常」です。
今、私たちは少し前には考えられなかった日常を生きています。「日常のデジタル化」なんてのはほんの一例で、世論を動かすSNS、AI台頭の危機感、終わりの見えないコンプラ、止まらない気温上昇と増え続けるカメムシ(マジキツい)などなど
みんなが当たり前としていたことが、とても急速に当たり前ではなくなってきています。そして、そんな中で行き詰まっているのが、これまで日本(世界)を支えてきた企業や自治体です。
2022年、あのパナソニックホールディングスはブランドスローガンを一新しました。 その時の経営者の気持ちが少し、こちらの記事で垣間見れます。
長年大事にしてきたスローガンだけれど、これでは今の社会に会社の価値は伝えられない。 そんな危機感のもとの大きな決断だったことが読み取れます。
同様の悩みを、今、多くの企業が抱えています。
この言葉はどの企業ホームページにも書かれているんじゃないかってくらいの定番ワードですが、いまや誰が「豊かな未来」を想像できるでしょうか。
「未来は、思っていたほど豊かではないかもしれないぞ」と思っているのは私だけではないはず。
「豊か」って何だろう? 私たちが実現できる未来はどんなだろう・・・? そこで、クリエイターの出番です。
クリエイターの想像力が、力になる。
これまで、ブランディングは、デザインの部分にフォーカスされるケースがやや多かったように思います。オリジナリティのあるデザインでタッチポイントを統一することで、誰が見ても分かりやすく、短期的なマーケティングとしても効果に繋がりやすいのがいいところでした。
でも今は、その前のプロセスにニーズが多発しています。
「自分たちの存在と提供する価値を定義する」フェーズです。
私は、このフェーズにおいて、これからはクリエイターのイマジネーションがとても大切な役割を担うと考えています。
というのも、今の社会課題や企業課題は、これまでの論理的思考中心の考え方や、同調や利益を重んじる文化の中では、容易に答えを導けるものではなくなっています。求められているのは組織や慣習に縛られない、多様な価値観と自由な発想。
クリエイターの強みは、企業と生活者、経営者と社員、歴史と未来の間に立ち、様々な未来を想像し、それを見える形にプロトタイプできること。みんなが憧れる物語や世界やサービスをビジュアライズすることです。
これはまさしく、クリエイターの専売特許だと感じています。
目指すのは、企業とクリエイターの共創(言い換えれば左脳と右脳の共創)です。
これからの時代、企業や組織がいきいきとあるために必要なことがあります。
そのために、人の心を動かすあらゆる未来を想像し、提示する。
それがこれからのクリエイターの、そしてブランディングの仕事なのです。
と聞くと、ちょっとワクワクしてきませんか?
まとめ
何がやりたいのか分からないブランドには、人がつくことはありません。
そして「何がやりたいか」が、分からなくなっているこの世の中。
世界の課題や可能性と、想像力を掛け合わせて、企業の「何がやりたいか」に寄り添えるクリエイターが増えると、日本やデザイン業界はきっともっと元気になるはず。
ぜひそんな視点も合わせて「ブランディング」と向き合ってみてください。
さて、私の所属するBrand eXperience Teamでは、そんな思いで企業や組織、サービスやプロダクトのブランディングのお手伝いをさせていただいています。
例えばこんな事例を。
こんなメソッドで実施しています。
お仕事のご相談もお待ちしております。