60歳からの生き方(選択は常にトレードオフを伴う)
60歳からの生き方(選択は常にトレードオフを伴う)
■あれから20年
現在、私は67歳であり、もし会社員であればとっくに定年を迎え、雇用延長も終わっているはずである。幸い、私は45歳ぐらいからフリーランス(正確には個人企業を企業)として活動している。すでに20年以上になる。30歳には実質上のフリーランスなので、「定年」という制度に関わることはなかった。
もっとも、最初に勤めた会社(5年ほど在籍)でも、仕事が特殊であり上司が何か指示するという働き方をしていたわけではない。感覚的には、自分の決めたように仕事を進めると言うことで一生が終わりそうだ。
10年程前、つまり60歳を目前に控えても何の感慨もなく、これから10年のことを考えても今と同じ生き方をしているのだと思う。
■定年が不安だというなら辞めたら?
1999年に、いろいろ面倒なので個人企業として「(有)中野ソフトウエアサービス」を作った。実体はフリーランスだ。分野としてはシステムエンジニアかな?
さて、その時に先輩から言われたのが「稼ぎは7割程度に減るぞ」と言うことだ。当然である。会社員であれば、事務作業は総務などが行なってくれる。小口現金の管理や税金などは経理や人事部がやってくれる。営業なども専門部隊がやってくれる。それを全て自分でやろうとすると、実働は7割程度になる。従って、500万円の収入が合ったとしても、350万円もしくはそれ以下になるというのが相場観として合う。
下記の記事は、まぁそうだなという感じであり驚くことではない。
○「フリーで稼ぐ」年収400万円未満が約半数。「独立に満足」は9割以上
2022.07.20
https://moneyfix.jp/post-6480/
この記事で見ると、以下の記載が目を引く。
ランサーズ株式会社が発表した「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によると、フリーランス人口は1,577万人、経済規模は23.8兆円となりました。
2015年比べると、人口は68.3%、経済規模は62.7%の増加です。
ここ数年で、企業と個人、または個人同士で仕事を取引するクラウドソーシングサービスが続々と誕生し、認知が広がっています。
個人で仕事を受注できるチャンスは、飛躍的に広がっていると言えるでしょう。
昔に比べてフリーランスとして働く環境(仕事を探す環境)も整備されているので気軽にできる。働き方の自由度を求めてという理由も多い。定年が不安なら、さっさと自由になった方が良い。
ただし、最初に話したとおり、収入アップを目指すのは辞めた方が良い。お金の面では会社にしがみついていた方が良い。
■フリーランスの準備
さて、私自身はフリーランスの成功者ではない。単に「大失敗」していないこと、「公開していないこと」が誇れる程度だろうか。その私からアドバイス。
(1)人脈をストックすること
人脈が大切とは言え、一つの仕事が終わり区切りがつくと、疎遠とまでは行かないがチームは解散となる。お客さんと永続的な付き合いは理想だが、これが10年、20年というスパンで考える関係性は希薄になってくる。
関係性の継続をどうするかは難しいが、知り合った人たちを疎遠にならないように手持ちのストックにする方法を考えた方が良い。
「あっ、久しぶりです」と言うことは「すっかり忘れていました」と言うことだから。
(2)公的な資格を二つは持つこと
自己紹介するときに、最も簡単なのは「資格」を知らせることだと思う。実際の仕事では資格があれば成果を担保できるわけではないが自己紹介になる。
できれば技術系と事務系が欲しい。
技術系であれば、私の業界では情報セキュリティやシステム監査試験などがあるだろうか。事務系では、中小企業診断士、フィナンシャルプランナー、社労士などが有名だ。
副業を視野に入れてみると良い。
(3)一年ぐらいは仕事がなくても済むようにすること
Webデザイナーやシナリオライターなどは固定客を確保しやすく安定すると言われてるが全てがそうではない。私のように個別対応をするSEは、その仕事が終われば払い箱だ。プロジェクト中は中々次の仕事の営業はできない。空白地帯が生まれる。また、固定客がいても突然切られることもある。
突然病に倒れることもある。
いろいろな意味で、内部留保は1年分欲しい
まぁこんな所かな・・・
<閑話休題>