変に応じ変に備える(KDDIの通信障害を考える)
■インフラはいつだって不安定
社会と隔絶して山の中に自給自足でもしない限り、多くのインフラに依存するのが現代の生活になっている。コロナ前であれば、会社員は毎朝通勤電車に押し込まれる生活を余儀なくさせられている。ちょっと交通機関が乱れただけで大混乱だった。
コロナ後は、テレワークなども可能になり、これにともないWEB会議なども活用する人も増えた。現代では、通信インフラは欠かせないインフラになっている。
そんな中で、KDDIの通信障害は多くのサービス(IoT関係)への不全を引き起こした。単に携帯がつながらないということではない。
○KDDI 大規模通信障害 全面的に復旧確認と発表 発生から86時間
2022年7月5日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220705/k10013703381000.html
この障害が奇異なところは、86時間という時間の長さだろう。実質、まるまる3日以上の障害だ。通信インフラの障害は意外と多い。例えば、NTTであっても障害は起こすが、これほど騒がれることはない。
○NTTドコモ 昨夜の通信障害原因は「SPモードと言われる携帯通信サービスに関する設備の故障」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/90127?display=1
こちらはおよそ1時間程度だったようだ。
こうした通信障害は一般的には数時間程度で復旧するので、普通は「あれ?」ですむことが多いのだが、図らずも今回明らかにしたのは、様々な社会サービスも通信が前庭になっているとうことだ。わかりやすい例で云えば119番通報が滞ったことだろうか。
ハードウエアにまつわる障害は多く、特にハードウエアはトラブルを起こしやすい。
システムはいつだって不安定だ。
○JALのシステム障害が発生から約10時間で復旧、原因はサーバー故障
2022.02.16
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/12256/
■プランBと冗長性
システム用語では「冗長性」という言葉がある。一言で言えば「無駄を承知で、予備の装置などを用意すること」を指す。単純に、二重化させるだけではない、」それなりに設計が必要だ。KDDIがこうした冗長性を配慮していたかについては分からないが、一般的にはコスト優先になるとこうした「無駄」は無視されがちやすい。
これはサービスを受ける方も一緒で、「通信会社が異なる2回線目を持っておく」なんてことは余裕がない。通信インフラの冗長性と言うことであれば、通信会社同士で緊急事態では相互運用ができおる仕組みが必要だ。
かつて、東日本大震災の時に「ローミング」の議論があったのだがあれはどうしただろう。
「プランB」とは、ある計画を実施するときに、その実施の前提条件が満たされなくなったときに代替案としての計画を指す。例えば、校庭で体育祭を行なう予定だったが、雨が降ってきたので体育館で行なう、などだ。
さて、通信インフラが使えなくなったときのプランBとは何だろう。
個人の生活であれば、公衆電話を使う、フリーWiFiを使う、他のキャリを使っている友人に借りるだろうか。
■喉元過ぎれば
いろいろなサービスを行なっているときには「オフライン処理」をできるようにしておくことが必要だ。レジが使えなければ、電卓と領収書だろうか。アルバイトにこうした訓練をしているとは思えないので、混乱はまた起きる。
せめて自分はどうするかは考えておこう。
まずはいろいろなもの(テレビ、インターネット、スマフォなど)の依存を減らすことやいざというときの心構えは作って置こう。
難しいな、格言で「変に応じ変に備える」があるのは、それが難しいからだ。
<閑話休題>
--------------------- 参考にした記事と抜粋
○KDDI 大規模通信障害 全面的に復旧確認と発表 発生から86時間
2022年7月5日
今月2日の午前1時半すぎに発生したKDDIの大規模な通信障害では、全国でauのほか、同じ回線を使っているUQモバイルとpovoの通話やデータ通信がつながりにくい状況になりました。
また、auの回線を利用する気温などを観測するアメダスや貨物列車の運行など暮らしの広い範囲に影響が及びました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220705/k10013703381000.html
○NTTドコモ 昨夜の通信障害原因は「SPモードと言われる携帯通信サービスに関する設備の故障」
通信障害は、7日午後6時15分ごろからおよそ1時間続き、北海道、東北、北陸、東海の14の道と県で一部の利用者が、4Gや5Gのデータ通信を利用しづらくなったということです。音声通話には影響がありませんでした。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/90127?display=1
○JALのシステム障害が発生から約10時間で復旧、原因はサーバー故障
2022.02.16
日本航空(JAL)は2022年2月16日、同日午前4時33分ごろから発生していたシステム障害が、約10時間後の午後2時35分ごろに復旧したと発表した。原因はJALと社外のシステムをつなぐ「接続基盤システム」のサーバー故障。現在はすべてのシステムが正常に稼働しているという。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/12256/
以上 2022/07/11
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