- 運営しているクリエイター
記事一覧
原子心理学実験レポート005:VR石英の瞳
星の守護者 マグネトロンを応用した強烈なマイクロ波によって人の頭を錯乱させる電磁波兵器は各国の秘密裏の協定によって“核”の暗号で呼ばれ、製造・使用・研究を禁じられた。が、中東の紛争地域でその使用の形跡が認められ、不可解な事件が多発していることから流出が疑われ、CIAのエージェントとして活動していた彼は、同じく軍事訓練を受けていた数名の部下とともに調査部隊として現地に送り込まれる。
上司の命令に
原子心理学実験レポート004:空の雫/平和の国のアリス
001:片翼の天使/星の海の刻印 ――独りぼっちの神様の気持ちを理解するために、私は独りぼっちになる。
あの日、西新宿のカフェでシックザールと話したこと。イデア界に刻まれる私の摸像。世界の終わりと始まり。人の手が届いた瞬間に始まる終わり。百年先の話だけれども、私はそれに手を貸してしまった。
何度となく繰り返されてきたこととはいえ。
人の世の辿る道が私には見えてしまう、“体験”として見せられ
原子心理学実験レポート003:機械の王
――あの日、僕が世界から消えたあの日。
海の見える坂道、機械の柱の立った岬……昔、小さな旅の途中で見た風景。何度も何度も繰り返して見た風景。墓石のようなオベリスク。
暗雲と、暴風と、海を渡る飛行機と。全てを拒絶しようとしたバベルの塔。
ありふれた冒険の終わりに空は闇に包まれ、天を貫く虹の柱は解き放たれて、世界は変革の時を迎える。変化を免れない生物と、人類すべてを無限の円環の中に閉じ込める―
原子心理学実験レポート002:ツァラトゥストラ
国家安全保障局のサーバに侵入してから15分、ファイアウォールの迷路の先の二重防壁を解くのに思うより時間がかかってしまった。すでにアクセス地点は割れているかもしれないが、お目当てのファイルが見つけられたのは幸いだ。インターポールが部屋になだれ込んでくる前にけりをつけよう――
001:blank ――そのどこか表情の薄い、冷徹な顔は、私と同じ形をしていた。
鈍色の雲が低く垂れこめる曇天。あ
原子心理学実験レポート001
2010/5/21(金)の実験(第一回目:熱電対)
※以下、私がT大学の一年生のときに大学に提出した自由研究の物理学実験レポートの一部(特に理論部)を残しておく。量子物理学の理論モデルによって古典物理学の現象を説明しようという試みが主であるが、後に学んだ知見を入れずに分析精度は低いままにした。
1:産業用温度センサなどとして幅広く使われている熱電対の原理と使用法について
<原理>
熱電対は、