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しらねーよ

いきなり攻撃的なタイトルですみません。
でも、話題はポップなので最後まで読んでみて下さいね!

娘はトマトが好きだ。
トマト味ならなんでも好きだけど、1番は生のトマトが好きらしい。
食卓にトマトを出しても、大好きなモノを最後に取っておきたいタイプなので、果物よりも後に食べる変わった趣向のお方。

そんな娘。昨日の給食でミニトマトが出されたのだが、嫌いだから最初から食べない子や、
欠席の子の分合わせて13個残ったミニトマトをすべて頂いたらしい。
娘の名誉の為に付け加えると、
一応「ミニトマト食べる人~」と聞いたけど
誰も手を挙げなかったので、貰ったとの事。

いや、自分の分と合わせたら15個よ。
(一人2個配布だった)
パック一個分あるじゃない。
トマト好きにしても程がある。
周りから何か言われなかったの?と聞くと、

「なんかね、男子が近づいてきたから
あ、食べたかった?って聞いたら、
『いや、そうじゃなくてお前それマジ?
ヤバくね?』って言われたの」

そりゃそうだ。てんこ盛りのミニトマト、
バイキングで娘が同じ事しても、
私は止めるであろう。
しかし娘は怯まず男子にこう言ったのである。
                         
「あ、大丈夫。私赤ちゃんの頃袋いっぱいの
ミニトマト食べちゃった事あるから!」

 『しらねーよ』

あ…あれ?…なんかこれ…デジャブ?

(……きこえますか… 母よ… 赤ちゃんの頃の娘です… 今… あなたの…心に…直接… 呼びかけています… ミニトマトを…たくさん買った時の…あの事件を…覚えていますか?…)

よく一緒に遊んでた子育てサークルのお友達の
お家にお呼ばれして、お母さん達は昼食作り、子ども達は遊んでいた時の事。
お腹が空いて待ちきれなかった娘はさっき農家さんから買ったミニトマトの袋を私の所まで 持ってきてこう言った。

「トマトたぶる」

ここで与えないとぐずるなーと思ったので、
じゃあ2個だけね。と手のひらに2個持たせた。残りのミニトマトの袋は私のバックに。
封は出来なかったので、開けたまま。
5分後、お待ちかねのスパゲッティが出来上がり、子ども達の所に持って行くと、テーブルの上に大量のミニトマトのヘタ。娘の口周りはトマトの汁でベットベトだった。

「えっ、えっ?もしかして全部食べた?」


私のカバンを見ると、ゆうに30個は入っていたミニトマトの袋は空っぽ。
こんなちっちゃな身体に30個超えのミニトマトが入ってしまった驚きと、今までダメと教えた事はやらなかった娘の突然の行動に、私は慌てふためいてしまった。

母が今までにない冷静さを欠いていたのに、
何故か娘は素知らぬ顔でスパゲッティを食べ始めたのである。

「えっ、本当にトマト食べちゃったの?てゆーかスパゲッティ食べるの?」

 『しらねーよ』

スパゲッティを口いっぱい頬張り、物言えない娘は心の中でこう言ったと思う。

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