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映画レビュー:23年7月の8本

ラブ・ストリームス
(1984年/アメリカ/ジョン・カサヴェテス監督)

終盤、動物が大量に出てくる辺りからファニーすぎるし、猪突猛進のバカばっかりで何を見せつけられてるんだか全くもって意味不明。

パリタクシー
(2022年/フランス・ベルギー/クリスチャン・カリオン監督)

あー泣いた泣いた。移動のカメラワーク良。人生は一瞬。家族を大事にしよう。この幸せを噛み締めよう。そして旅立ちなさい、どこか遠くへ。人生は短い。それは待望の蓮の花がすぐ散るような一瞬さ。

時をかける少女
(2006年/日本/細田守監督)

たまたま、作品内で主人公がタイムリープした「7月13日(ナイスな日)」に劇場で観たら、プレゼントくれた。いやはや、自分が主人公達と同じ高校生だった当時から20年以上経ってるだなんてね。あの頃みたいに健康で夢と希望に満ちた毎日じゃないけれど、なんとかつつがなく過ごせてる幸せを思うよ。Life is Timing. 長くはなかった。あっという間だったな。「人が大事なこと話してるのに、なかったことにして、それをちゃんと聴いてあげられなかった」という主人公の悔悟、沁みます。

EO イーオー
(2022年/ポーランド、イタリア/イエジー・スコリモフスキ監督)

コレ動物映画の傑作なのでは。どうやって撮ったの?擬人化されているロバが演技(?)上手すぎて、こりゃロボットなのではと勘ぐるぐらい。中盤に動物の四肢を模ったロボット(動きがリアルで気持ち悪い)が出てくるのでなおさら。マでもこの擬人化の演出が、キリスト教圏の発想だなとつくづく思う。『バルタザールどこへいく』にインスパイアされたと明記されていて、納得。映像きれい。この空の色を撮るの粘りに粘ったんだろうなという美しい朝焼けのシーン連発。パンク、ハードコア、ノイズ、アンビエント、クラシック、常に音が鳴っている。いろんな音楽が彩ると、ただの景色もドラマチックに見えてくる。観てよかった。

街をぶっ飛ばせ
(1968年/ベルギー/シャンタル・アケルマン監督)

生活力はまるで無い、ごはんもロクに作ったことありません、でも夢見る力だけは肥大しちゃって頭でっかちです、というオタサーの腐女子の痛々しい自作自演といった趣。誰にでも処女作はあるとはいえ、これは、、、

家からの手紙
(1976年/ベルギー・フランス/シャンタル・アケルマン監督)

定点観測の場面を変えてその連続、また、観察映像の間延びの繋ぎ合わせ。よくこの映像使う気になったな!という長尺の車窓シーン。ずっとそれ。よくまぁこれで映画になるなぁとなかなかのショック。音楽は一切ナシ。街の音のみ。でも喧騒はない。静か。記録ではある。ママから愛する娘への手紙を読む(ナレーション)ことで、ママの心情の変化が解っていく。

ゴールデン・エイティーズ
(1986年/ベルギー・フランス・スイス/シャンタル・アケルマン監督)

珍しく陽気なミュージカル調。いくつになっても男と女はみんな内心悲喜こもごも、いろいろ抱えながら日常を送っています的な。「あなたの言う愛は若者のものよ。私の心はもう若くないわ」と熟年美女に言わせたかと思えば、「ムダじゃないわ。愛はあなたの心を奮わせたわ」と語ったり、愛の国おフランスの香りムンムン。

裸のランチ
(1991年/イギリス、カナダ/デヴィッド・クローネンバーグ監督)

12ヶ月のシネマリレー」で上映延期になって、ずっとずっとずっとずっと楽しみに待ちわびていた映画。観た!寝た。巨大ゴキブリとムカデのグロいクリーチャー今の時期(夏)に観るんじゃなかった。ずっと退廃的なジャズが流れてるのドラッグの薫りがプンプンする。「インターゾーン」というモロッコ設定の雰囲気、バロウズが滞在して原作を書き上げたタンジェが懐かしく香ってきて良。また行きたいな。

<了>


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