映画レビュー:24年4月の7本
・DUNE 砂の惑星 PART2
(2024年/アメリカ/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)
古今東西繰り返されてきたサーガっちゃサーガだろうが、いやぁまったく、違う惑星のSFと思うからマダ見ていられるけどさぁ。現在の世界情勢と無縁で観らんねーだろこんなんよ(呆)脳みそ戦争のマッスル映画ですよ。計略と政略と火炎放射して切り札が核って。核の扱いが幼稚すぎるアメリカ映画どうにかならないんすかね。
・ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅
(2022年/アメリカ/エリアン・アンリ監督)
貸し切り!「雄牛の背中に乗って天国の門をくぐろうとするネズミは多い」みたいな喩え話が出てきて、ん?十二支??ってなった。
・フォロウィング 25周年/HDレストア版
(1998年/イギリス/クリストファー・ノーラン監督)
音楽の使い方といい映像といい、古典映画みたいだった。
・プリシラ
(2023年/アメリカ、イタリア/ソフィア・コッポラ監督)
港区女子の栄枯盛衰。タレントに干渉しすぎてウザがられる女、ってオイオイ。あっさーい描写で笑っちゃうぐらいチープ。
・ボンゴマン ジミー・クリフ デジタル・リマスター
(1981年/ジャマイカ=ドイツ/ステファン・ポール監督)
レベル・ミュージックの韻、すごくて呻るわ。「イズム(主義)やスキズム(分断)」とか、「ヴァージョン(多様さ)がネーション(国家)を制する」とか、「テーブルを覆せ、俺らならエイブル(可能)」とかとか。ラスタファライの思想や態度まで掘り下げて取材されていて、ただの音楽ドキュメンタリーじゃなくてディープだった。
・デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章
(2024年/日本/アニメーションディレクター:黒川智之)
サブカルのサブが取れてカルになった現代の寓話。ヘンな喋り方でそれぞれの個性を振り分けるという力技も、もはや違和感を感じてはダメなのであーる!これがメインストリームのMANGAでありますっ!なんてったって主人公の声は、申し子あのちゃんとYOASOBIだからね。後章楽しみにしてます。
・オッペンハイマー
(2023年/アメリカ/クリストファー・ノーラン監督)
なんでこの作品が「バーペンハイマー」になるのか理解できない。これ茶化せなくない?バカなの??白飛び2回が呵責、歓声の中にあえて一筋の強烈な断末魔、足にもつれる黒こげの遺骸のモチーフ、って、コレ完全に贖罪の映画じゃん?でも「個人個人はみんな良い人たちなんです。でもそれが組織だったり国になっちゃうと、利害が絡むと、ねぇ、わかるでしょ?」みたいなスタンスで語られるの、つらいわ。「オッペンハイマー本人も苦悩したんです」みたいな注釈?弁明?いらんわ。核戦争だめ絶対。DUNE2とコレ観て思うのは、アメリカ映画(と一口には言えないだろうけれど)の核の描き方がいかに稚拙か、ですよ。ガッカリ通り越して呆然とする。ノーラン好きだけど、彼も核扱っちゃだめ。『ダークナイト ライジング』寒かったじゃん、あれから全く深化してないじゃん。そして、鑑賞中、ちょうど茨城で震度4の地震があって、その影響で観ていた劇場が揺れて、その揺れが観ていたシーンとバッチリはまって、意図せず4DXみたいになって、なんか、このプレートが交わってる地震大国で災害列島の小国で生きてんだって笑い事じゃねぇよって。
(了)