青嵐が笑う”喉鼓（のどつづみ）”

「今日は青嵐だね」
幼なじみの凛子はお気に入りの抹茶ソフトクリームを舌で舐めながら、
空を指さしながら私を見た。
最近、高校二年で気象予報士試験に合格した凛子は
気候について色々と教えてくれる。

「えっ、青嵐ってどういう意味？」
「初夏に吹くと言われている少し強めに吹く風だよ」

ここ数日、気温が上昇して30℃近くの日が続き
今日は部活帰りに寄り道をして大好きな栄養補給をとっていた。

「やっぱ、抹茶ソフト絶品だね！でも今度はほうじ茶ソフトにしてみようかなぁ」
「そうそう、２つのミックスもいいよね！」
私たち地元の静岡県は日本有数のお茶の産地でお茶ソフトは定番中の定番なのだ。

「リラックス効果があって口がさっぱりするよね」
「そして家に帰ったらまた食欲が出てくる不思議だわ～」
2人の間でお茶ソフトはカンフル剤であり、これを食べると
さらに食欲が湧いてくる。

「あっ、焼き肉が食べたい！」
その時、青嵐が笑ったように吹き抜けた。