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Web3のSocial Design

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Web3の技術で新しい社会をデザインする方法を考察します
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Web3のSocial Design 3:Web3とコモンズ

はじめにポスト資本主義の文脈と絡んでコモンズというキーワードがよく出てくる.本稿では,Web3とコモンズにどういう関係があるのか,なぜWeb3でコモンズに注目するのか,Web3でコモンズをどう発展させるべきなのかを議論したい. コモンズとは何か山本の『コモンズ思考をマッピングするーポスト資本主義的ガバナンスへ』(BMFT出版部)には「最近になって,さまざまな分野で,社会設計を考えるうえでの一つのキーワードとして,コモンズの概念が見直されるようになっている.」(序章.p8)と

Web3のSocial Design 2:脱成長+Web3での経済成長

はじめに地球温暖化を始め,人類が負荷をかけすぎて地球環境を壊している問題が注目されています.地球温暖化以外にも,プラスティックゴミ問題,衣服ロスや産業廃棄物などの廃棄物問題,森林破壊など,経済成長を続ける(先進国の一部の)人間が原因となって地球環境が許容できない範囲まで環境破壊が進んでいます. 母なる地球を破壊から守らなければならないことは自明だと思います. では,我々人類はどうすれば良いのでしょうか? 今話題になっているのが「脱成長」です.資本主義は成長を前提としています

Web3のSocial Design 1:Web3の社会構築を考えた第一歩

今夜はアカデミーヒルズ主催のオンラインセミナー「WEB3の世界を考えるー国家ってなんだ? 第1回『共同体の変容』」に参加してきました.ゲスト・スピーカーはメディア美学者の武邑光裕先生で,モデレーターは江戸川大学の荒谷大輔先生と設楽悠介氏.武邑先生は千葉工大の変革センターにも参加してWeb3に関しても発言してこられた方.今回参加して知ったけれど,荒谷先生はHeartlandという「Web3.0の世界に人々の信頼の基盤を提供することで、ハートランドは近代国家の枠組みと共存可能な新