なべさん
Web3の技術で新しい社会をデザインする方法を考察します
文科省Scheem-Dに提案したWeb3大学に関する考えや資料などをまとめています.
はじめにポスト資本主義の文脈と絡んでコモンズというキーワードがよく出てくる.本稿では,Web3とコモンズにどういう関係があるのか,なぜWeb3でコモンズに注目するのか,Web3でコモンズをどう発展させるべきなのかを議論したい. コモンズとは何か山本の『コモンズ思考をマッピングするーポスト資本主義的ガバナンスへ』(BMFT出版部)には「最近になって,さまざまな分野で,社会設計を考えるうえでの一つのキーワードとして,コモンズの概念が見直されるようになっている.」(序章.p8)と
はじめに地球温暖化を始め,人類が負荷をかけすぎて地球環境を壊している問題が注目されています.地球温暖化以外にも,プラスティックゴミ問題,衣服ロスや産業廃棄物などの廃棄物問題,森林破壊など,経済成長を続ける(先進国の一部の)人間が原因となって地球環境が許容できない範囲まで環境破壊が進んでいます. 母なる地球を破壊から守らなければならないことは自明だと思います. では,我々人類はどうすれば良いのでしょうか? 今話題になっているのが「脱成長」です.資本主義は成長を前提としています
渡辺隆行(東京女子大学).2023年3月15日 1.個人情報は誰のもの?web3(本稿ではWeb3ではなく,より普通名詞化された小文字でweb3と表記します)が現れたとき,Web2でGAFAMに支配されていた個人情報を個人の手に取り戻せると注目されました.SNSに書き込んだユーザの情報を所有しているのはSNSを運営する会社で,個人情報を書き込んでいる各ユーザは書き込んだ情報を所有していません.SNS会社はユーザが書き込んだ個人情報を使って広告を打ち,それで利益を上げています
背景3年次ゼミで学生が発表した論文にRtD (Research thorugh Design) が紹介されていました.情報デザインの卒論や修論をどうやって学術的な(アカデミックな)研究にするのか,学会誌に投稿できるような論文にするのかは常々悩んでいたことなので,この機会に,RtDも含めて情報デザイン(Human-Computer Interaction,UI,UX,デザイン思考などなど)を学術的な研究にする工夫について,学部のゼミ生に伝える形で書いてみます. 実験室実験とフ
I.はじめにWeb3大学の学習成果の可視化を考えるに当たり,文部科学省の高等教育局大学教育・入試課が公開している令和3年度「先導的大学改革推進委託事業」の「諸外国における学修歴証明のデジタル化に向けた導入事例・導入方法に関する調査研究」で公開されている報告書を読んだので,まずこの報告書をまとめ,次にブロックチェーン技術を活用した自律分散型の学習成果の可視化の観点で考察してみたいと思う. II.報告書の背景文科省は教育改革にも力を入れており,「先導的大学改革推進委託事業」の令
はじめに文科省が管理する中央集権的な階層型大学組織から,ボトムアップな自律分散型の学びを提供するWeb3大学への変革に取り組むに当たり,Web3におけるトークンの使い方が大きなテーマになる.誰でも思いつくのが学習成果の可視化で,学習成果をブロックチェーンに記録して,学習成果を示すトークンを発行することである.Web3以前にも,いろいろな教育プログラムで,学習成果を示すポイントを付与したりバッジを発行したり修了証を発行したりしているし,Web3の世界でも独自のトークンを発行して
2022年10月16日,渡辺隆行(@nabe33) 皆様からのコメントやご意見を歓迎します! 1.はじめに文科省のScheem-D事業に提案した「ブロックチェーンの特性を活用した教育の向上」アイデアが採択され,実装に向けていろいろ考えている.教育においてWeb3以前から実施されてきたのがカリキュラムを終えるごとに貯まるポイント制度や学習履歴を証明するバッチ.それらを単純にブロックチェーンの技術で変換すれば,カリキュラムを終えるとトークンが貯まるLearn to Earnや,
今夜はアカデミーヒルズ主催のオンラインセミナー「WEB3の世界を考えるー国家ってなんだ? 第1回『共同体の変容』」に参加してきました.ゲスト・スピーカーはメディア美学者の武邑光裕先生で,モデレーターは江戸川大学の荒谷大輔先生と設楽悠介氏.武邑先生は千葉工大の変革センターにも参加してWeb3に関しても発言してこられた方.今回参加して知ったけれど,荒谷先生はHeartlandという「Web3.0の世界に人々の信頼の基盤を提供することで、ハートランドは近代国家の枠組みと共存可能な新
Web3とユーザビリティやUXの関係を論じていることに興味を持って,“Vivid & Vague” に掲載されたMarc Geffenの記事 “The Next Usability Frontier” を翻訳してみました.わかりにくい文章で翻訳に苦労しましたが,文責は渡辺にあります.間違いのご指摘など歓迎します. 2022年5月21日,渡辺隆行 原文:https://vividandvague.substack.com/p/thenextusabilityfrontier