現在マザコン考 2
現在マザコン考
https://note.com/naar/n/ne4416c89d4c7
多くの日本人男性の精神構造が、社会的立場にかかわらず、生涯子供のままという問題がある。
私がリアルタイムに見てきた’90年代以後の日本の現代アート界では、この「子供のままの大人」の表象が、海外にもオリエンタリズムの文脈で(例えば、現代の「東洋の神秘」としてのオタクカルチャー表象の欧米での需要枠の想定により)、受け入れられる余地があると、体制を形成していた。私は一人、これに対する対抗勢力である[1]。
現代においては、現在この1年を過ぎての「コロナ禍」の中で、かねての現代アートのこの趨勢は静まり返っているように見えるが、活況を呈しているのが(既に1年を過ぎ、これも次第に過去形になりつつあるかもしれないが)、Youtubeにおける格闘家チャンネルの隆盛である。その「中二」的内容、あるいは「子供大人」の表象には、私の見方によれば、’90年代以後の日本の現代アートからのシフトがある。世間の「資本」の動き、流れに対する、その(隠された)アイロニー表現も同様である。「中二」的内容、「子供大人」の表象、また金に対するアイロニー表現は金になると。それを心理的に支援する当該ユーチューバーらの両親(特に、往々にして母親)、という構図がある。これも’90年代以後の日本の現代アートと同型と、私は見る。
[追記1] アメリカのこの30年の現代アートと比した場合、例えばその代表のマイク・ケリーにせよ、ジェフ・クーンズにせよ、日本の場合のように「子供大人」の表象には、非対称的に全くなっていないのですね。