うつわ専門Webメディア|日本橋Art.jp -utsuwa-

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2024年人形町せともの市開催中!

人形町の夏の風物詩である「人形町せともの市」。全国から集められたえりすぐりの焼き物が並ぶ陶器市です。 日本橋アートうつわ運営事務局も実際に足を運んでみました!現地の様子をレポします。 人形町せともの市とは人形町せともの市は毎年8月第1週の月火水の3日間、人形町交差点から水天宮交差点までの歩道で開催されている陶器市です。2024年は8月5日、6日、7日の3日間、午前9時から午後8時まで開催されています。お仕事終わりの方も足を運べる時間設定なのが嬉しいですね! 有田焼・伊万里

    • 「やっぱり一番好きな職業なんだと思います」

                      【インタビュイー】陶芸家・寺本守さん 生まれ故郷の神奈川を離れ、笠間の地で50年以上にわたって陶芸と向き合う陶芸家、寺本守さん。“現代の笠間焼の匠”と言われながらも、程よく肩の力を抜いて陶芸と向き合っているというスタイルが印象的だった。 大切に育てたお弟子さんの現在の活躍を嬉しそうに語る寺本さんからは、愛弟子に対する愛情が感じられ、その人柄の良さも伺えた。 焼き物を始めるきっかけになった民芸運動との出会いから、現在、そしてこれからの陶芸界に対

      • 「尊敬する人が愛用した茶碗でお茶を戴くと、その人の人生の一部を戴いている、そんな気持ちにもなれる」

                          【インタビュイー】田原陶兵衛さん 秀吉が持ち帰った大陸の技術と、日本の柔らかな土が出会って生まれた萩の茶碗。江戸時代、茶人達に長く愛され、その美意識を体現した器は、今もなお登り窯が並ぶ小さな谷で営々と形づくられている。 400余年に渡りその火を守り続ける窯元の一つ、田原陶兵衛家。13代目となる現当主が大切にしてきた物作りの心とは何か。そして今、萩焼を襲う過去最大の危機、その先にどんな未来を見据えるのか、お話をうかがった。 使うほどに愛

        • 100年以上の歴史を誇る窯。その当代が語る、女性陶芸家としての想いとは

                         【インタビュイー】窯元法勝寺焼・松花窯 鳥取県で明治時代より続く法勝寺焼の窯元・松花窯。その当代として活躍されている安藤愉理さん。「あんまり動じない性格」と自らを形容する彼女の明朗快活さからは、男性職のイメージが強い陶芸界でたくましく生きる秘訣のようなものも感じた。 女性陶芸家として、また、当代として活躍される中での葛藤や悩み、そして今後の展望を伺った。 周囲の声に動じない強さ ーー家業を継いでほしいと言われた当時のお気持ちを聞かせてくださ

          「職人と作家の間を攻めたい」

                           【インタビュイー】陶芸家・松尾 亮佑 クリーム調の白い釉薬をベースに、口元には金属の装飾がほどこされた京焼のうつわ。そこにあるだけで、周りの空気がやわらぐような優しさがある。 そんな作品を作るのは、陶芸作家の松尾亮佑さん。以前は公務員だった松尾さんは、ある陶芸作家に直談判したのをきっかけに、二足のわらじで陶芸の道を歩み始めた。 作家になって4年目という松尾さんに、現在の作風が生まれた経緯や、これから挑戦したいことなどをうかがった。 「師匠

          「400年以上続いてきた有田焼の伝統文化を守りたい」

                        【インタビュイー】弥左ヱ門窯・松本哲さん 1804年に創業され、江戸の世から220年の長きに渡り受け継がれてきた有田焼の窯元「弥左ヱ門窯」。廃業の危機などを幾度も乗り越え、現七代目に引き継がれ、今新たな有田焼の世界をつくりあげている。 「現代の生活空間にも合う有田焼」をコンセプトに立ち上げられた新ブランド「アリタポーセリンラボ」が提案するのは、伝統的な有田焼の良さを継承し、よりモダンでスタイリッシュな作品だ。 今回は七代目弥左ヱ門の松本哲さん

          「400年以上続いてきた有田焼の伝統文化を守りたい」

          伝統を受け継ぎながら新しい作品を生み出す

                   【インタビュイー】六兵衞窯・八代目 清水六兵衞さん 京都の五条坂に開窯したのが始まりで、250年続く六兵衞窯の八代目清水六兵衞さん。 大学では建築を学び、作品は図面にあわせて正確に土の板を切り、結合させて作られる。焼成によるゆがみやへたりを意図的に造形に取り入れて、造形性を持った器物を中心に作品を生み出す。 作品づくりでは空間を意識しているという清水さんに、作品へのこだわりや今後の展望などをうかがった。 「清水六兵衞は代が変わると作風が変わる」 ーー清

          伝統を受け継ぎながら新しい作品を生み出す

          「名誉を保ち永久の利益を図る」有田の名窯 300年を生き抜く戦略

          「君子の交わりは、蘭の宝の香りの如し」──中国の古典『易経』の言葉から名付けられた香蘭社。その美しい名のごとく、華やかな色絵や、どこまでも薄く精緻な造形の焼き物は、世界各地の博覧会で金賞を受賞し、日本の美意識と技術を広く知らしめてきた。 一方で、工業製品を明治期から手がけ、さらに近年では半導体用部品で売り上げを伸ばすなど、伝統工芸の枠に留まらない多彩な顔をもつ。 窯業界のレジェンドにしてパイオニア、香蘭社を率いる15代深川祐次社長に話を聞いた。 340年の歴史を貫く精神と

          「名誉を保ち永久の利益を図る」有田の名窯 300年を生き抜く戦略

          「作品は、我が子であり自分の分身」伊万里の土に息吹を吹き込み続ける職人の思いとは

                         【インタビュイー】窯元・松浦唐津 今岳窯 安土桃山時代から唐津焼が焼かれていたとされる今岳の里。この地で昭和41年に「今岳窯」を開いた溝上藻風さんは、人間国宝である井上萬二先生に師事したという人物だ。現在は息子とともに古唐津の伝統を守りながら、美しくも温もりあふれる器を作り続けている。 「今は、孫たちと笑顔で過ごす日々が精一杯です」と笑う溝上さんだが、焼き物への探究心はますます深まるばかりだ。 長く続けてきたからこそ思う陶芸の世界が抱える課題と

          「作品は、我が子であり自分の分身」伊万里の土に息吹を吹き込み続ける職人の思いとは

          追究する「用と美」。砥部焼の伝統を守り、受け継がれた142年の歴史と、今後の展開に迫る

                           【インタビュイー】梅山窯・岩橋和子 「四国一の焼き物の里」とも呼ばれる愛媛県伊予郡砥部町は、今から約240年前から続く砥部焼の産地。現在は80軒ほどの窯元があり、古き伝統を守りながらも、各々の持ち味を生かした作品を作り続けている。 そんな砥部焼のなかで最も古い歴史をもつ「梅山窯(ばいざんがま)」は、創業142年。代表取締役兼社長の岩橋和子さんに話を伺った。伝統ある窯元を継承するうえで、どのような思いを抱いているのだろうか? 「一つ一つ手

          追究する「用と美」。砥部焼の伝統を守り、受け継がれた142年の歴史と、今後の展開に迫る

          「どんなことにも負けずに生き抜く」毎日が楽しくなる魚の器に秘められたメッセージ

                  【インタビュイー】陶芸作家・祁答院いづみ窯 石神いづみ 美しい自然に囲まれた九州・鹿児島県祁答院町で、「祁答院いづみ窯 」を営む、陶芸家・石神いづみさん。 魚や動物をモチーフに、明るい色使いで個性あふれるお皿やコップ、オブジェなどの大きな作品も制作している。独自の世界観が表現された器は、見る人・使う人の生活に明るさと楽しみを連れてくると高く評価されている。 今回は、石神いづみさんに陶芸を始めたきっかけや子ども時代のこと。唯一無二の世界観を表現し続ける原動力

          「どんなことにも負けずに生き抜く」毎日が楽しくなる魚の器に秘められたメッセージ

          「作品は生きざま。だからこそ人にも自分にも正直に向き合いたい」想像力を駆使し、自己を高めるものづくりへの想い

                          【インタビュイー】陶芸作家・山崎勝実 オートバイが好きでエンジニアとして自動車会社に勤めたのち、早期退職をして陶芸作家の道へ進んだ山崎勝実さん。穴窯の偶然性と必然性の両面に惹かれ、穴窯での作品づくりにのめり込む。 エンジニアとして培った論理的思考、人生で磨き上げた感性、人との付き合い方、想像力。そのすべてを結集し作品にぶつける。それはまさに作者の生きざまだ。生きざまを自分を嘘なく正直に表現するために、どのようにものづくりに向き合っているのか

          「作品は生きざま。だからこそ人にも自分にも正直に向き合いたい」想像力を駆使し、自己を高めるものづくりへの想い

          「歴史ある窯元だからこそ、伝えられることがある」備前焼の未来にかける思いとは

                          【インタビュイー】備前焼窯元・宝山窯 備前焼は日本を代表する焼き物、「日本六古窯」のなかでも最も古い歴史を持つ。 ルーツは古墳時代と言われ、自然の恵みを活かした器は堅くて割れにくく、庶民の日用品として長く愛用されてきた。さらに1982年には、国の伝統工芸品に指定されている。 岡山県備前市伊部で、代々続く備前焼の窯元、「宝山窯」。その歴史は室町時代末期にさかのぼる。 先人たちが残してきた伝統や製法を守りながらも、新しいことにチャレンジする陶芸

          「歴史ある窯元だからこそ、伝えられることがある」備前焼の未来にかける思いとは

          「偶然を利用し産まれた作品のパンチ力を見てほしい」木を生かした器や挑戦的な漆のアート

                           【インタビュイー】木工・漆作家Shiki 漆を使った椀や折敷などの器や、一輪挿しなどの花器やその飾り台、キャンバスに漆で描くアート作品を手がけているShiki craft works。落ち着いた風合いと、繊細ながらあたたかみのある器や花器は、ミドル世代を中心とした幅広い層から人気を集めている。 また、伝統的な漆のイメージとは異なる、粋なアートワークも注目すべき活動のひとつだ。 異業界から転身し、独自のスタイルをさらりとものにしている人は、か

          「偶然を利用し産まれた作品のパンチ力を見てほしい」木を生かした器や挑戦的な漆のアート

          「やりすぎだと先生に言われるくらい、釉薬の実験を重ねました」日常を楽しくする“色”にかける想いとは

                            【インタビュイー】陶芸作家・Enkel 釉薬を操り、日本ではあまり見かけないようなカラフルなうつわを作り出す、陶芸作家の室伏真美さん。 大学卒業後ハウスメーカーで住宅設計をしていたが、夫の転勤がきっかけとなり、以前から興味があった陶芸の世界へ飛び込むことを決意。2児の育児を担いながら横浜いずみ陶芸学園に入学し、一から陶芸を学んだのだという。 そんな室伏さんが在学中にハマったのが、さまざまな色を作り出す「釉薬」の魅力だった。そこで室伏さんに

          「やりすぎだと先生に言われるくらい、釉薬の実験を重ねました」日常を楽しくする“色”にかける想いとは

          「うつわから食生活を豊かにしていきたい」普段使いができるうつわに込める思いとは

                       【インタビュイー】陶芸家・亜登武窯 武田謙二 光沢があり、自然な風合いを持つ備前焼のうつわ。耐火度の高い土で作られ、電子レンジやオーブンで調理ができる。 そんなうつわを生み出すのは、陶芸家の武田謙二さん。作品を焼く登り窯はご自身で作られたそう。ブランドである「ONI BIZEN」は日本だけでなく、海外からも注目を集めている。 備前焼の伝統にとらわれず自由な発想で制作を続ける武田さんに、うつわ作りの喜びや苦労、今後の展望などをうかがった。 いいうつ

          「うつわから食生活を豊かにしていきたい」普段使いができるうつわに込める思いとは